これからも君と話をしよう

一度はここから離れたけれど、やっぱりいろんな話がしたい。

この本がすごい!2020年下半期

 毎回恒例「読んで良かった本ランキング」、今回は2020年の下半期分を紹介したいと思います。

 2020年上半期は、テレワークやおうち時間が増えたことにより読書量が激増しましたが、8〜11月まで勤務した会社では通勤していたので、下半期は若干、読書量は減りました。

 それでも比較的たくさんの本を読めたと思います。では、いってみましょう!

 

15位 部長、その恋愛はセクハラです! 

 やや著者の感情が強く乗っている面は否めませんでしたが、 それでも一読する価値はあると思えた1冊でした。

 特に印象に残っているのは、女性研究者が、懇親会の座興で男性器をかたどって盛り付けられた料理を食べさせられた屈辱についての記述。

 昨年、バナナを食べる少女の写真を使った車の広告の炎上が話題になった際、このことを思い出しました。

 

14位 あえて数字からおりる働き方

 読書会が開催されたので読んでみました。

 同じ読書会で以前読んだ、山口周『ニュータイプの時代』を平易にした本、という印象です。

 あまり「数字からおりる」という感じはせず、「ライフワーク、これからの働き方」について言及している本。SNSで気になっている人とお近づきになる方法など、具体的なテクニックも豊富で良かったです。

 どちらかというと抽象的な内容が多い本ではありましたが、そのぶん応用が効きそうな感じもします。「giveし続けること」「意外と嫌がられない」というくだりが特に印象に残りました。

 イベント告知を頼まれたときの返し方などは、「SNSあるある」としても楽しめましたし、その対応についても勉強になりました。

 

13位 正しく怖がる感染症

正しく怖がる感染症 (ちくまプリマー新書)

正しく怖がる感染症 (ちくまプリマー新書)

 

 電子書籍セールで安くなっていたときに購入しました。

 この本が書かれたときは新型コロナウイルスはなかったため、その記述はありませんでしたが、そのほかの多様な感染症について比較的分かりやすく説明がされており、今の時期に読めてよかったと思えた1冊。

 ピルの容認は梅毒の予防の観点から反対していた人がいたことや、産褥熱の原因は医師にとっては残酷な結論だったエピソードや、「新型インフルエンザ対策には2週間の食べ物の備蓄」などのくだりが特に印象的でした。また、梅毒について、東京都内の女性感染者は2010年からの6年で10倍に増えているという点にも衝撃を受けました。

 現代日本では認知度が低いけれど海外には多い感染症についても知れて、身が引き締まる思いもしました。

 

12位 その桃は、桃の味しかしない

その桃は、桃の味しかしない

その桃は、桃の味しかしない

 

  結構前に買って積読していたのを読みました。やっぱりこの人の書く心情描写はとても馴染みやすく、複雑な心情を表す形容もスッと入ってきます。

 恋敵である女性と同居している主人公。こうなるまでの色々な経緯が明かされていくのかと思いきや、謎のまま始まり、謎のまま終わる、思ったよりも軽く読める作品でした。この作品は長編作品扱いにはなっていますが、「短編の内容にボリュームを出して長編にした」ような感じの読後感。

 ラストは最悪の結末も覚悟したけど、そうきたか……! 登場人物たちについて最小限の情報しか書かれていないから、かれらの魅力は、読者にはほかの登場人物を通して間接的にしか分からないのもややミステリアスな雰囲気に拍車を掛けている気がしました。

 私がこの本を読んだのは夏。夏に読めたのは季節感があって結果的に良かったですが、通信機器や流行りの音楽などの描写には、時代を感じる部分もありました。

 作中に出てくる料理も美味しそうだし、バレエについての描写が細かいところも良かったです。

  

11位 自分を傷つけずにはいられない 

 読書会が行われたので読みました。

 松本俊彦さんの本、生きづらさやコミュニケーションについて考えている人たちのあいだで評判がいいので、ずっと気になっていました。

 この本は、広義の「自傷癖」がある人への具体的なノウハウが多い本でした。幸い現在の私には自傷癖は出ていないため、ノウハウの部分は良い意味で役に立ちませんでしたが、「耳たぶ以外へのピアスやタトゥは自傷か」というコラムや、自傷癖のある女性は公共交通機関の利用を苦手とすること、男を頼らず同性の友人と年賀状で繋がることの大切さなどのくだりが印象に残りました。

 また、性的に奔放であることや、風俗産業従事と自傷の関係についても、著者は否定の姿勢を取っていないところもこの本は良いと思えました。

 

 ちなみにこの本の読書会、再度行われるそうなので、気になる方は主催のホリィさんに連絡してみてください。

 

10位 ぽんしゅでGO!~僕らの巫女とほろ酔い列車 

 この作者の別のシリーズが好きだったので、この本も読んでみました。

 日本酒も、鉄道(というか豊田巧作品)も好きなので楽しめた1冊。良くも悪くも既存シリーズ作品と展開は似ていますが、同じような展開でも、鉄道や日本酒の知識や魅力が伝わってくるのが豊田作品の良いところ。

 同じ著者の作品には、小学生が主人公の児童書「電車で行こう!」シリーズや、高校生が主人公のラノベ僕は君たちほどうまく時刻表をめくれない (ガガガ文庫)」などがありますが、その流れを踏まえて主人公を20歳にしたらこうなるのか……という感じ。お色気描写がやや多めなところも、未成年が主人公だったこれまでの作品とは別の味わいを感じました。

 この作品の舞台は福井県福井県にはもう10年以上行っていませんが、お隣の新潟県なら2年半前に行ったところですし、昨年は新潟出身の人と交流する機会が多かったので、そういう点でも楽しく読めました。

 

9位 愛と欲望の雑談 

愛と欲望の雑談 (コーヒーと一冊)

愛と欲望の雑談 (コーヒーと一冊)

 

 この本を読んだのは、人気俳優の自死のニュースがあった日。ふと「今こそ読むべきだ」と思い一気読みしました。

 薄い本だけど対談の中身はかなり濃く、1ページ読むごとに付箋を貼っていきたいくらい随所に興味深い話がありました。

 総括するなら、個人的なモヤモヤや世の中への厭世観などを少しずつほぐされていくような1冊。

 個人的なことと社会的なことについてや、生きづらさなど、まさしく「社会学」のエッセンスをふんだんに感じる本でした。

 この本が出てからの雨宮さんのことを知っている状態で読むと、お葬式のくだりは「実際どうだったんだろうな……」と気になってしまいます。ご本人なりに折り合いがついていれば良いのですが。

 

 また今期は、雨宮さんの『ずっと独身でいるつもり?』も読みました。こちらは「結婚したい」欲望について、その葛藤を丁寧に解きほぐしたエッセイ。

 似たような感情を綴った記事はネットにも色々ありますが、雨宮さんの筆致は優しく配慮に溢れ、且つユーモアもあって安心して読めます。雨宮さんのエッセイの体をとっているけれど、いわゆる婚活女子、いや「結婚したい」男女全員に共通する心情が描かれていると感じました。

 このエッセイが描かれたのは2012年で、やや時代を感じる部分もありました。でも、たった8年前のことなのにこんなにも時代の変化を感じるのか、という点には驚きも感じました。

 

8位 ぼくらの未来を作る仕事 

ぼくらの未来をつくる仕事

ぼくらの未来をつくる仕事

  • 作者:豊田 剛一郎
  • 発売日: 2018/01/24
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

  尊敬する友人がかつてメドレーに勤めていたとき、興味を持ってこの本を買いました。読みかけたままにしていたので、コロナ禍の今こそ読んでおきたいと思い一気読み。

 私の妹も医療関係の仕事に従事しており、家族も私も近年は病院のお世話になることが増えているので、医療関係をめぐる現状としても面白く読めました。いい意味で専門的ではなく、とても読みやすい1冊。医療関係云々を抜きにしても、マッキンゼーから起業したスタートアップのエッセイとしても読み応えがあります。

 延命治療の是非についても、嘱託殺人や安楽死が話題になった昨年読めたことはタイムリーでした。遠隔治療についても、コロナ禍の今読むとそのありがたさを感じます。

 

7位 はじめてでもわかる! イラストでお金を生み出す秘訣

  絵の仕事をしたいという友人と本屋を回っていたとき、この本を見つけました。絵やイラストに限らず、文筆業やその他フリーランスで仕事をする際にも広く参考になりそうなことが書いてありそうだと思い、電子書籍版が安くなっていたときに購入。

 これから絵の仕事をしていきたいという初心者から、絵の仕事についてある程度キャリアを積んだ人まで、いろいろな人の質問に答えていく形式になっていて読みやすいです。「業界裏話」的な意味でも面白く読めるかもしれません。

 

6位 ど素人がはじめる起業の本 

ど素人がはじめる起業の本

ど素人がはじめる起業の本

  • 作者:滝岡 幸子
  • 発売日: 2014/06/13
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

  この本を買ったのはおそらく4年ほど前で、正直、どういうモチベーションで買ったのかよく覚えていません。

 思うところがあり、この本を引っ張り出して読んでみました。

 軽く読めるけれど、多様な視点やアイデアをくれる本でした。数多くのさまざまな形態で起業した人たちの事例が載っていて、説得力があります。

 Q&A形式になっており、「○○したいけど××ができません」=>「こういうやり方があるよ」と具体的なエピソードを混じえているので、読んでいるだけでも自信がついてくる1冊。

 難しい専門用語もなく、図表も平易な表現で書かれていて、なんなら中高生にも読みやすいかも。6年前の本ではあるけれど、具体的なツールやトレンド紹介の本というわけではないので、今でも十分役立ちそうな1冊です。

 

5位 皇帝と拳銃と 

皇帝と拳銃と (創元推理文庫)

皇帝と拳銃と (創元推理文庫)

 

 著者のファンなので購入。人が殺される作品があまり好きじゃない私でも、この著者の作品なら、殺人モノの作品でも抵抗なく読めます。

 何の気なしに読み始めたら、面白くて一気読みしてしまいました。

 この本は倒叙ミステリーの短編集。収録されている4編ともそれぞれ雰囲気が異なっているので、このタイトルではややミスマッチかも。

 最初の2編(「運命の銀輪」「皇帝と拳銃と」)は痛快な作品として素直に楽しめました。3編目「恋人たちの汀」は被害者があまりにも嫌な奴で、犯人に肩入れしたくなりました。この作品ではアリバイがキモになってきますが、こういうのも今だったらスマホの位置情報があるから、アリバイ偽装は難しいかもなぁ……。

 4編目「吊られた男と語らぬ女」は、事件の性質も被害者も、昨年人気俳優が自死した件を連想してしまいやや切なかったです。

 表題作「皇帝と拳銃と」は、大学が舞台になっているところなどが、喜多喜久作品っぽいとも思いました。

 著者は個性的な探偵役が好きなんだな、ということも改めて感じた1冊。これは続編は出ていないようですが、個人的にはぜひシリーズとして読んでみたいです。

 

4位 丸の内魔法少女ラクリーナ

 思ってた以上に、私好みな作品多めの短編集でした。4編の作品が収録されています。

 本谷有希子三崎亜記作品を彷彿とさせられる部分もあるような気がしました。

 以前このブログでも紹介した、本谷有希子静かに、ねぇ、静かに』を連想する部分もありましたが、本谷作品は「SNS」を割と真正面から描いているのに対し、こちらは直接的にはSNSはほとんど出てこないのに、すごく「SNS的」な作品が多い、不思議な読後感の1冊でした。

 特に、表題作「丸の内魔法少女ラクリーナ」と「変容」は、「これって、インターネットでの怒りや世代間論争やハラスメントについてのメタファーだよね?」と思ってしまうような描写が随所にあり、痛快なようなむず痒いような感覚になりました。(特に表題作は、昨今の「行き過ぎた正義」のようなものを感じたのに、2013年の作品だということを知った時は驚きました)

「無性教室」はちょっと幻想的でもある一方、現代のポリコレへの皮肉も感じます。「秘密の花園」は、10年ちょっと前に流行ったヤンデレ感を思い出して懐かしさもあったけど、設定は面白いのに終わり方がやや物足りないかな、という感じ。

 どの作品が好きか、結構好みが分かれそうな気がします。この本を読んだ人とはそういう話もしてみたいですね。(私は「変容」がダントツで好きです)

 なんだか女性向けのようなタイトルですが、個人的には、この本は男性こそ面白く読めるのではないかと思ってます。

 

3位 聖なるズー

聖なるズー (集英社学芸単行本)

聖なるズー (集英社学芸単行本)

 

 動物性愛の当事者研究をめぐるノンフィクション。冒頭、性暴力の描写から始まるのでやや読み進めるのに抵抗がありましたが、そこを超えると比較的すんなり読めました。

 対動物に限らない「性愛」のあり方セクシュアリティとの付き合い方、そして性愛に限らない、動物の権利や性についてなど、多方面に於いてひたすら学ぶことが多かった1冊。

 特に終盤に出てくる、他の「ズー」(動物性愛者)の人とは異なる接し方をする青年の、セクシュアリティとの向き合い方が印象に残りました。

 セクシュアリティを「選択」する試みやその背後にある考え方について、改めて、人間や生き物の奥深さを感じる部分もありました。

 また、本編とは直接関係ありませんが、本書を通じてドイツの文化を垣間見れたのも印象に残りました。

 

2位 断片的なものの社会学

断片的なものの社会学

断片的なものの社会学

 

「これは私のために書かれた本だ……」と思わず呟きたくなる、そんな作品でした。

 まさか、小説でも音楽でも演劇でもなく、学術エッセイを読んでこんな感情を抱くことがあるなんて。今期、この本を1位にしようかどうかギリギリまで迷いました。

 著者である岸さんの持つ社会の見つめ方、解像度の上げ方はまさに私が憧れた仕事そのものだと感じて、読みながらずっと興奮していました。

 私自身、関西の大学時代に釜ヶ崎に訪れたことや、中学時代に沖縄に研修旅行に行ったことがあり、そのあたりの地域の描写はイメージが湧きやすい部分もありました。

 というか、私が転勤族として生きてきた経験と、この本で語られる内容はとても共鳴するものを感じ、そういう意味でも強い親近感を抱いた1冊でした。

 

1位 「健康」から生活をまもる 

 これは医療の本というより、広義の「メディアリテラシー」の本だ。読みながらそんな感想を抱いていました。

 著者の大脇さんのことは8年前から知的に信頼を置いており、さすがメディアと医療どちらにも関わった立場からの内容だ……と、読んでいて圧倒されました。

(先述した「メドレーに勤めていた尊敬する友人」は大脇さんのことです)

 

 医療や健康に関する様々なデータが引用され、「どのような立場を選択し、どのように生きていくか」を都度考えさせられる1冊。

 命や健康を重視する価値観だけが全てではないこと、エビデンスとは何か、予防とその限界など、読み進めるたびに発見がありました。あまりにも考えさせられることが多く、付箋をなかなかつけられない本でした。

「読みやすく」はありますが、「わかりやすく」はない本、でも、コロナ禍の時期にこの本を読めて良かったと思えました。

 この本は昨年出たばかりの本のため、新型コロナウイルスについての記述もあります。まさに「2020年」を象徴する本だと感じたので、この本を今期の1位に選びたいと思います。 

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2020年、買ってよかったものリスト

 新年明けましておめでとうございます。去年はインフルエンザの集団感染で寝正月を迎えた私ですが、今年は今年でなかなかハードな滑り出しになりそうです。

 

 昨年は「おうち時間」が長かったからか、「今年買ってよかったもの」についての投稿がいつにも増して目立っていましたね。

 私も今回は、「買ってよかったもの」について書いてみたいと思います。

(「読んでよかった本」の2020年下半期編はまた改めて書く予定です、お楽しみに)

Apogee HypeMic スタジオクオリティサウンド USBマイク

  ちょうど去年の1月に買った覚えがあります。2月に行うライブに備えて自分の歌声を録音するために購入。これ、スマホタブレットにそのまま挿して録音ができるスグレモノ。ミュージシャンの友人に教えてもらいました。

 昨年はコロナの影響もあり、ライブは一度しか開催できませんでしたが、DTMソフトの操作方法ももっと覚えて新曲も作っていきたいな。

 

レプロナイザー  4D Plus 

 仲良しな女友達からオススメしてもらったドライヤー。ここで紹介するものの中では、いちばん最近買ったもので、且ついちばん高価な製品です。

 ドライヤーにしては高価なお値段だったので購入を躊躇っていたものの、それまで使っていたドライヤーが古いものなので、買い換える価値はあるだろう、合わなかったらメルカリで売ればいい……と思い、購入を決めました。

 それまで使っていた、2009年製のNobbyのドライヤーでも特段不便は感じてはいませんでしたが、髪を乾かすのに時間がかかることがやや気になっていまして。

「髪だけじゃなくて、肌にもいい」と友人が言っているのも気になり、買ってみることにしました。

 

 これまで使っていたものに比べて、風量が強い……!

 まず、それにいちばん驚きました。それまで使っていたNobbyのドライヤーも風量が強いと言われていたようですが、さすがに10年以上前の製品だと、このレプロナイザー とは比べ物になりませんでした。

 髪質も良くなった気がします。

 ネックなのが、ボタンが少し押しづらい形状なところと、ドライヤー自体の重さ。

 特にボタンは、毎日使ううちに壊れてしまわないかその点が少し気になっています。ただ、概ね大満足な製品でした。

 

Aujen 携帯扇風機 兼 モバイルバッテリー 

  今はちょっと季節外れな製品ですがご紹介。夏はこれ、愛用していました。

 これまでは夏場のお出かけや通勤の際は、モバイルバッテリーとミニ扇風機の両方を持ち歩いていましたが、いくら小型とはいえ両方持っていくとなるとちょっと重い。そんなときにこの製品を知りました。

 モバイルバッテリーとしても、ミニ扇風機としてもどちらも問題なく使えます。電池切れが早いとかそういう印象も特にないです。

 

Fairywill 電動歯ブラシ 

  これ、ライターの雨宮美奈子さんが去年の「買ってよかったもの」の記事で紹介されていたもの。

 私はこれまで、ダイソーで300円で買った電動歯ブラシを数年間使っていました。

 ボロボロになってきたのでそろそろ買い換えたい、でも有名メーカーのものは高いなぁ……と思っていた矢先にこの歯ブラシを知りました。

 これ、3000円しないけれどとっても優秀! やっぱり300円の電動歯ブラシとは違いました。歯がツルツルになるまでの所要時間が、300円の電動歯ブラシと比べてとても短く済みます。

 3ヶ月ほど使ったところで一度壊れてしまったこともありましたが、返品交換対応も迅速でとても助かりました。

 

 先日、久しぶりに歯医者に訪れた際も、「去年に比べて歯がとても綺麗になっていますね」と言ってもらえました。やった!

 

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ルルド グリグリ

アテックス(ATEX)  指圧器 ルルド グリグリ ブラック ATX-2030bk

アテックス(ATEX) 指圧器 ルルド グリグリ ブラック ATX-2030bk

  • 発売日: 2005/02/07
  • メディア: スポーツ用品
 

 これも、美奈子さんの記事で紹介されていて知りました。ちょうど在宅勤務が始まり、自宅の椅子の座り心地の悪さや疲弊に悩まされていたところだったので、この商品はドンピシャでした。

 肩や腰のコリ、ほぐしやすくてお気に入りです。 これで1000円というのはかなりお得。

 

ZENLO ノートパソコンスタンド

 こちらは、現代美術家の新造真人さんの「買ってよかったもの」の記事で知って購入。

 うちの自室の椅子や机は備え付けのもののため買い替えることができず、パソコン作業のし辛さがややネックになっていました。

 そんなときに知ったのがこちらの商品。

 前々職で使っていたのはsurfaceだったため、こちらを使うのは難しかったのですが(画面部分とキーボード部分が分離しやすいため)、私物のMacBook Airを使う際には大活躍しました。

 力を入れてキーボードを打つとやや揺れるのが少々気になりますが、概ね満足できた製品です。

 

AllMax Nutrition カフェイン 200mg

AllMax Nutrition - カフェイン 200 mg。100錠剤

AllMax Nutrition - カフェイン 200 mg。100錠剤

  • メディア: ヘルスケア&ケア用品
 

 こちらも新造さんの記事で知ったもの。カフェインの錠剤だそうです。 昼間に眠気を感じるときに飲んでいました。確かに、他の類似品に比べると眠気覚ましの効果を強く感じます。

 ただこちらの製品も万能ではないので、これを飲んでもなお眠くなってしまうときもありますね……。自身の体調と相談しつつ、うまく使っていきたい錠剤です。

 

多動性を抑える薬

fuanclinic.com

 ここからはAmazonのリンクはありません。

 今年、リモートワークで働き方が変わった際、自分の集中力の途切れ具合がとても気になる時期がありました。

 このままではマズい……ということで慌てて近所の精神科に相談し、薬を処方してもらいました。

(いわゆる「発達障害」向けの薬とされるお薬ではありますが、明確な診断がなくても処方されることもあるので、働く上で困った症状がある方は一度、相談してみてはいかがでしょうか)

 

 発達障害や多動性を抑える薬として有名なもの、いくつか飲んでみたのでそれぞれ感想を書いてみたいと思います。

(※あくまでもこれは私個人の感想であり、体質によって効果や副作用が大きく違うので、参考程度に留めておいてくださいね。友人のあいだでもそれぞれの薬の評価や相性はさまざまです)

 

インチュニブ

 まず私が処方されたのがこのお薬。飲み始めた当初は、これを飲むことによって「劇的に改善した」という感想はなかったのですが、飲まなくなった時期には強い多動の衝動を覚えたので、効果はあったんだな……と感じ、再度処方してもらいました。

 ただこの薬は副作用として眠気が起きることも多く、そこで困ってしまうことも多々ありました。

ストラテラ

 次に処方されたのがこのお薬。こちらはジェネリックが出ているので安く処方してもらえました。こちら、効果は感じるものの、副作用として吐き気が起こることも飲み始めた当初はありました。

 当初は朝飲むことにしていたものの、朝から気持ち悪くてしんどくなってしまうこともあり、今では夜に飲んでいます。夜に飲むと、多少吐き気が出ても横になることができるので、私は夜に飲むほうが合っていると感じています。

 また、いいのか悪いのかよくわかりませんが、眠りが浅くなるのか、短時間睡眠でも朝スッキリ目が覚めることも多くなりました。ただ、これはどこかで反動がある気もするのであんまり手放しには喜べない……眠りが浅いのは疲れるし。

 それでも日中に眠くなるのよりはマシなので、現在はストラテラをメインで飲んでいます。

コンサータ

 私がメインでかかっている精神科の先生ではこのお薬を処方することができず、別の病院で処方してもらいました。何度か飲みましたが、可もなく不可もなく、という感じ。もしかしたらこのお薬はいちばん副作用が少ないのかもしれませんが、このお薬を出してもらった病院がやや遠く、こちらはジェネリックもないのでストラテラに比べると高い……ということから、普段は飲んでいないです。

 

 ざっくり、こんな感じになります。

 これらのお薬は、自立支援医療制度を使うと自己負担少なく処方してもらうことができる場合もありますので、悩んでいる方はこちらも併せて、病院で相談してみてください。

 

ビッグイシュー  コロナ緊急3ヵ月通信販

www.bigissue.jp

 こちらもAmazonのリンクはありません。

 友人がFacebookにて、こちらの企画を通じてビッグイシューを買ったということを報告していたので、私も買ってみることに。

 ビッグイシュー買うのは7年ぶりくらいな気がします。こうやって通販で買ったのは初めて。

 このキャンペーンで6号ぶんのビッグイシューが送られてきましたが、短歌、LGBT、路上園芸などなど私の趣味や関心とも近いテーマの特集も多く、なかなか楽しめました。特に、短歌特集の号では、映画「滑走路」についても取り上げられており、この映画への関心がますます高まりました。というかこの原作本の作者が他人に思えなかった!

 ビッグイシュー、一冊一冊は薄いながらも、なかなか読み応えがあります。

 

 こちらのキャンペーン、新しいものも行われているようです。

 興味のある方は、買って応援されてみてはいかがでしょうか。

www.bigissue.jp

 

 私の、2020年の「買ってよかったもの」の紹介は以上となります。

 私は、ひとの「買ってよかったもの」記事を読むのが大好きなので、あなたの「買ってよかったもの」の記事もぜひ読んでみたいです。よかったら教えてくださいね。

 

お題「#買って良かった2020

私にとっての「今年の漢字」2020ver.

 今年はほんとにほんとに、隅から隅まで統一感がない上に激動の1年でした。

 ここまでいろんなことがあったのは、2015年以来のような気もします。まぁ、2015年のほうが色々あったけど。

 今年は「大変だった」けれど、絶望するレベルのことはなかったのが不幸中の幸いです。

 

 

 根がオタクな私はこういう物語チックな人生展開って嫌いじゃないんだけど、主人公でもあり作者でもある自分自身はちょっと疲れも出るわけでして。「面白くなってきたぞ」という気持ちと「やっていけるかな、自信ないよ……」という気持ちがサンドイッチのように交互にやってきます……って、サンドイッチって「やってくるもの」じゃないね。変な例えだ。

 

 そんなわけで(?)、この1年を振り返ってみたいと思います。

 

 今年はまず、1月1日に友人たちと初詣、からの、スマブラ会。楽しんだまではよかったものの、なんと、そこでみんなインフルエンザに感染……!

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埼玉県蕨市にある「和樂備神社」にて初詣

 そんな「寝正月」から始まった2020年。ただ、前から予定していた長野旅行にはギリギリのタイミングで治り、27年前まで住んでいた懐かしい街に訪れることができました。

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昔住んでいた家の近くにある神社

 そこまでは良かったものの、有給消化と退職の件で職場とトラブルが。なんとか無事にどちらも処理でき、1月下旬からWebマーケティングの会社に転職しました。

 

 2月は友人たちと企画していたライブ。新型コロナウイルスの脅威が迫ってきてはいたものの、ギリギリで開催できました。私も自分で曲を作って歌ったよ。意外とできちゃうものですね。

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ライブに使ったレンタルスペース

 そして3月は、友達とのベトナム旅行。友達が応募したキャンペーンに同行させてもらったのです。

 こちらも「ギリギリ」のタイミングで行けました。行けて本当に良かった!

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ホーチミン3日目

 

 ……ただ、2020年上半期、良かったのはこの辺までですね。ここから一気に人生が急降下します。

 2年半付き合っていた交際相手とは別れることになります。そして健康診断では乳がんの疑いが。会社も、求められるレベルの結果を出すことができず7月の試用期間で退職することに……。

 

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「ここまで」の標識が切ない。雪で桜が散っていく。

 

 ただ、下半期に入り、少し希望も見えてきます。

 地道な就活の結果、退職した3週間後には、ITベンチャー企業から内定も出ました。

 夏には、新たに好きな人もできました。

 9月には研究者の友人と、福島の浜通り方面に、施設見学も兼ねた旅行もできました。

 そして10月には、私に対して「何年も前からずっと片想いしてた」という人から熱烈なアプローチが……!

 

 

 

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秋、紅葉のように情熱的に

 ここまでなら順調でした。ただ、話はここで終わりません。

 

 せっかく転職した会社も再度、試用期間で打ち切りになってしまいます。

 ただ、ここから始まる新たなスタート、思いのほか応援してくださる人は多く、「私もやっていけるかも」と思えるようになってきました。

 恋愛も三角関係を経て、落ち着きそうです。

 

 今年の漢字は「新」にしようかな……と思いましたが、いや、それならこの漢字の方がピッタリだ。

 

 私の「今年の漢字」は、

「越」

に、したいと思います。

 

 私の今年の唯一の海外旅行先の「ベトナム」は、漢字表記は「越南」。

 そして、私が半年間の片想いののちに新たにお付き合いすることになった人も、私に熱烈アプローチしてきた人も、どちらも新潟の出身!(しかも二人は地元が近い同士)

 また、転職先の2社は、どちらにも新潟県出身の人がいました。どちらもオフィスに出社するのは少人数なのに、どちらにも新潟出身者がいたというのはなかなかすごい確率だと思います。

 また、今年は他にも新潟のお酒を飲む機会がたくさんあり、新潟がやたらとプッシュされていた1年でした。私の人生がドラマだとするなら今年は新潟県がスポンサーだ。

 新潟県の前身の「越後国」の「越」と、ベトナムを表す「越」、間違いなく今年の漢字は「越」です。

 

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新潟のお酒も楽しんだよ

 

 ちなみに、これまでの「今年の漢字」は、こんな感じ。

2006年 諦(受験で諦めるものが多かった)
2007年 再(再会、再開、再履修。笑)
2008年 文(文芸部に加入)
2009年 人(新しいバイトやビジコン参加で出会いが増えた)
2010年 会(Twitterでさらに出会いがたくさん)
2011年 繋(東日本大震災、友達同士をたくさん引き合わせた)
2012年 動(引っ越しや就活や旅行での移動)
2013年 交(みんなより少し遅れて社会人に。いろんなひととの交流が増えた)
2014年 焦(結婚や独立する友達への焦り)
2015年 (結婚話が破談、引っ越し、家族とのあれこれ)
2016年 (旅行、身近な人の独立、訃報など)
2017年 (ものづくり好きな人との交流、同人誌やハンドメイド)
2018年 (脱毛、献血、親知らず抜歯など
2019年 (転職や営業の仕事で「選ばれること」を意識)

 

 それではみなさま、良いお年をお迎えください(明日、もしかしたらnoteは更新するかも)。

 

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2万光年翔んで新潟 (小学館クリエイティブ単行本)

2万光年翔んで新潟 (小学館クリエイティブ単行本)

  • 作者:魔夜 峰央
  • 発売日: 2020/10/16
  • メディア: コミック
 

 

 

旅は終わっても、現実はまだ終わらない(福島旅行1日目夜〜2日目)

 基本的に私はあまり旅行する趣味はなく、するとしても1泊2日程度が多いです。特に、1日目と2日目では回る場所を変えてメリハリをつけることが多いです。

 

 9月末に1泊2日で訪れた福島旅行も例外ではなく、1日目は楢葉町、そして2日目はその北にある富岡町を巡りました。

 

 その前に、1日目の宿について書いておこう。

温泉宿は期待外れか、それとも期待以上か?

 今回泊まったのは、「展望の宿 天神」。「天神岬温泉 しおかぜ荘」という日帰り温泉が併設されています。

竜田駅から徒歩約30分かけて歩きましたが、宿に連絡を入れていたら、車で迎えに来てもらうこともできたかも)

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竜田駅を出て、温泉宿に向かう途中の道

 

 この宿は、日帰り温泉になっているエリアと、宿泊のチェックインをする際の入口は異なるので注意。そしてチェックインを済ませたあとは、いよいよ楽しみにしていた温泉へ。

 

 宿からは「貴重品は持っていかないようお願いします」と言われますが、コインロッカーに使う100円玉と、温泉から出たあとに何か飲む際に使うお金くらいは持っていきましょう。(私は温泉から出たらコーヒー牛乳を飲むのが習慣ですが、コインロッカー用の100円しか持っていかなかったため、いったん部屋に戻って財布を取ってきてから再度コーヒー牛乳を買いに行く羽目になった)

 

 温泉は、設備も古く「まぁ、こんなものかな」というのが当初の感想。

 正直、期待していたほどではなかったかな……と思いつつ露天風呂エリアに行ってみたら、びっくり!

 夜風が柔らかで気持ちいい。

 木でできた浴槽の入り心地もいい。

 寝そべりながらお湯を楽しめるスペースもある。

 天気はあまり良くなかったので星は見れなかったけれど、夜の海を見渡すことができて、とても神秘的……!

 

 ここのお風呂は露天風呂がメインのようです。何度もお湯に浸かったり夜風を楽しんだり、ゆっくり過ごしました。

 

ひたすら幸せ、お酒と夕飯

 そして温泉から出たあとは友人と合流し、晩ごはんのため食堂へ。

 お刺身も小鍋もデザートも何もかも、ひとくちひとくち、じっくり味わいたい美味しさ。

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 料理はもちろん、日本酒とも合います。飲みきれなかったぶんは部屋に持ち帰り、部屋でも楽しみました。

 

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 翌日の朝食も、ボリューム満点。

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富岡町は「廃炉資料館」へ行こう

 宿から竜田駅までは車で10分ほど。そして電車で揺られること5分、富岡駅に到着。

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よく見るとプレートが古い

 この駅も広野駅と同じく、今年、運転再開したばかり。

 歩いて、この日の第一の目的地である「東京電力廃炉資料館」に向かいます。

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曇り空の中を歩いていきます

 

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なんだか可愛い屋根が見えてきた

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廃炉資料館に到着!

 可愛い三角屋根の建物が廃炉資料館でした。どうしてこんな形をしているのかというと、アインシュタインキュリー夫人エジソンの生家がモデルになっているそうです。

 

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廃炉資料館の廊下

 この資料館、表面上は綺麗なものの、トイレなどの設備や建物の作りにちょくちょく古さを感じたので不思議に思ったところ、ここはもともと「エネルギー館」といい、福島第二原発のPR館だったそうです。

(余談ですが、私の祖父は生前、九州電力のPR館の館長を務めたことがあったため、おじいちゃんも昔こういうところで働いていたのかな……と感慨深くなりました)

 

 ここでは、ガイドの方がつきっきりで、各展示の案内をして下さりました。

 

 入館して最初に観た映像では、原発事故について「ご迷惑をお掛けして、本当に申し訳ございません」という謝罪があり、まずそこが強く印象に残りました。

 前日に訪れた「伝承館」は、新しい建物でキレイで、展示されているものも(意図がよくわからないものも含め)バリエーションに富んでおり、良くも悪くも目立つものが多かった、という印象です。

 こちらの「廃炉資料館」は、建物も古く展示もやや地味な印象はあるものの、事故が起こった原因や原発の仕組みについてもたくさんの図表を含めて展示がされており、原発事故への反省」を(伝承館よりは)感じることができました。

 

 作業員が着る防護服の展示もありました。コロナ関係で医療従事者が使っているものと似ているものも多く、類似性を感じると共に「今はコロナのことで世間は手一杯だけど、原発事故のことも、まだ終わってはいないんだよなぁ……」ということを再確認。

 

 また、印象的だったのは原発の近くに桜並木がある映像。

 富岡町は桜まつりなどが有名だそうですね。

 でも、そもそも桜の木も原発も、観光資源がないところに植樹・誘致される性質があるものだという共通点をあとになって知りました。

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休憩室にも展示があった

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原発放射線関連だけでなく、福島県の各地の特徴の展示もあった

 

まだまだ学びは続く、次は「学びの森」へ

 そろそろお昼ごはんにしようか、ということで廃炉資料館を出ます。

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 途中で見かけた川。川辺の左に見える黒い袋は除染廃棄物か

 

 そして、行く候補にしていたお店のいくつかは、ことごとく定休日ということが発覚!

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「カフェY」は定休日だった。残念!

 周囲にはコンビニもありません。廃炉資料館近くのスーパーまで戻れば食べ物は買えるものの、とりあえずはもう一つの目的地のほうに先に行こう、ということで、次の目的地である「富岡町文化交流センター 学びの森」へ。

 

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「学びの森」とあるけど、森の奥深くにあるわけではない

 

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ここでも放射線量が測定されている

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右側には地元の小学生が作った展示があり、地域の施設らしさが出ていた

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 この「学びの森」の中には図書館があります。友人が郷土資料の調べ物をするあいだ、私も色々眺めていました。

 そもそも「図書館」に来るの、だいぶ久しぶりかも。

 

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この本面白そうだった(ので、後日増補版を購入した)。

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CDもたくさんある

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さすが福島県、合唱のCDもたくさんある!

 

「学びの森」での調べ物を終えたあとは、富岡駅に戻る前に、岡内東児童公園に向かうことに。

 ここには、東日本大震災の慰霊碑があります。

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こちらに手を合わせました

 電車の時間が迫っていたので、早足になりながら富岡駅へ。

 

 少しだけ時間があったので、富岡町の日本酒「萌(きざし)」を駅の売店で探しましたが、今年は売り切れてしまったとのこと。残念。

tomioka-plus.or.jp

 

 富岡町では昼食が食べれず、当初の想定より1本早い電車に乗れたということもあり、「湯本に寄り、温泉に入ってから、いわきに戻ろう」ということになりました。

 

旅の醍醐味、温泉で癒されよう

 ただ、さすがにお腹は空いたので、湯本の前に一度いわきで降り、駅に併設されている商業施設のスーパーでお弁当を買うことに。電車の中で食べます。

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空腹だったし、とっても美味しい!

 そして揺られること数分、湯本駅に着きました!

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木のぬくもりを感じる、風情のある駅

古滝屋」という温泉に向かうことに。

 

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 ここは、いかにも温泉宿という感じの、風情ある建物でした。

 お湯自体も気持ちよかったものの……今回入ったお風呂はあまり広くはなく、お湯の種類も一種類だけ。水風呂もない。

 旅行客なのか地元民なのか、親子連れっぽい人たちが続々入ってきて、なんとなく居心地悪く感じてしまったので、私は早々と出てしまいました。

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お風呂のあとはコーヒー牛乳

 ただ、ここは売店に本や雑貨がたくさん置いてあるため、眺めていて退屈しませんでした。

 

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サブカル系の書店みたい

 そして友人と合流したあとは、いわきまで戻ることに。

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再びいわきへ、迫り来る夜と旅の終わりへ

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 いわきに戻ったときには、空はもう夕暮れを通り越し、夜に近づいていました。

 

 友人は、駅近くにある書店で買いたい本があるということだったので、私も同行することに。

 地元の書店でしか買えない、文学の同人誌があるのだそうです。

 

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ローカルな書店っていいよね

 この「ヤマニ書房」は、いわきにいくつか店舗のある本屋さんとのこと。

(そしてこのブログを書くために初めてヤマニ書房のホームページを見てみたけど、なかなか懐かしい感じがしますね……)

 

 友人が本を買い終えたので、今度は私がどこかでお土産を買いたいな、と思ったものの……このあたり、お土産を売ってるお店があまりない!

 駅に併設されている商業施設「LATOV(ラトブ)」の食品売り場では、私好みなお土産はありませんでした。

 あとはどこだろう、近くのビジホやコンビニを見てみようかな……と思っていたところ、友人が「10分くらい歩いたところに、イトーヨーカドーがあるよ」と教えてくれました。まだ帰りの高速バスには時間があったので、イトーヨーカドーに向かうことに。

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到着!

 最初は食品売り場でお土産を探してしまったものの、そこではなく、サービスカウンターがある場所でお土産を買うことができました。やったー!

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 コロナもあり、友人と会えるかどうかも分からなかったため、配る用のお土産は最小限に留めました。

 ままどおる好きなんですけど、賞味期限が短いので自分で楽しむ分を少しだけ。

 

 さて、お土産も無事に買えたので、バス乗り場に向かいます。

 

 バスの中では、友人が買った同人誌も見せてもらいました。

 読ませてもらったのは、「風舎」という同人誌。

 こちらの号を読みました。

blog.goo.ne.jp

 掲載されていた詩をいくつか読みました。小林光一作品は割と好きな作風かも。天野行雄作品も好きなほうかもしれない。

 また、館山智子作品には福島のイベントや地名が出てきたのところにも目を惹かれました。私、著者の出身地や地元が感じられる作品って、その巧拙に関係なく好きなんですよね。地理学的に興味深いというかなんというか……。

 

 

 そんなことを考えながら、バスに揺られること3時間半。東京駅で私たちは解散となりました。

 1泊2日ながらも、とても濃い旅となりました。

 

 ちなみにこの旅、高速バスは往復6,660円、宿は夕食、朝食付きで8,800円。Go toトラベルなど一切使わずこの価格でした。

 

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被害と加害と、原発と(福島旅行1日目の後半)

 突然ですが、私、合唱曲が大好きなんです。

 今年はコロナで中止になってしまいましたが、小中高の全国規模の合唱コンクールNHK全国学校音楽コンクール」(通称「Nコン」)も大好きで、地方の県大会なども都合がついたら遠征して聴きに行くこともあるくらい。

 

 じつは、今回訪れた福島県「合唱王国」と言われるくらい合唱が盛んなところ。

 特に郡山エリアが強いようです。

 そんな福島では、震災後にこんな合唱曲が作られたりもしていました。

www.youtube.com

 これは、南相馬市の中学校の生徒さんたちが作詞し、先生が作曲したという曲。

 原発事故で避難を余儀なくされ、離ればなれになった友人たちへの想いや、故郷での再会の決意が歌われています。

 もともと大好きな曲だけど、福島旅行で聴くとよりいっそう沁みます……!

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伝承館に入ろう

 さて、双葉駅からレンタル自転車に乗り、今年できたばかりの施設「東日本大震災・原子力災害伝承館」に到着した私たち。

 整理券をもらい、YouTubeで音楽を聴きつつ待っていたら入館の順番が回ってきました。

 

 伝承館のスタッフさんのユニフォームは、緑と白を基調としたアロハシャツのようなもの。

 シャツの裾には「Honeys」のロゴが。

「ハニーズってあの、若い女性御用達のプチプラファッションブランド? なぜ?」と思っていましたが、のちに調べたところ、ハニーズの本社はいわき市なので地元企業によるものだったのですね。勉強になりました。

news.yahoo.co.jp

 

 チケットを買って入館すると、まず、短いビデオの上映を観ることになります。

 そしてビデオを終わったあとに、展示がある部屋に移動。螺旋状になったスロープを上っていきます。

「こういう構造になっているのは、原発のメタファーかも」と友人は言います。

 壁には、原発をめぐる年表が掲示されています。

「営業(えいぎょう)」「経済(けいざい)」など、随分簡単な漢字にまでふりがなが振ってあるのが気になりました。子どもや外国人が来ることも想定しているんでしょうね。

 

  館内は撮影禁止なので写真は撮れませんでしたが、映像コンテンツが多く、これらをじっくり観るとなると数時間かかりそうなボリュームでした。

「コンクリートごと流されたポスト」の展示のような、震災や原発事故に直接関連しそうなものもありましたが、そういうものだけではなく「2010年の時刻表」だとか「震災前後のツイートの増加数」なんてものが貼ってあったりも。

 ちなみに震災前は、ツイートは1日あたり1,800万件だったのが、震災当日は3,300万件、そして震災後の1週間は平均2,500万件のツイートがなされていたようです。

www.biglobe.co.jp

 また、原子力緊急事態宣言とか「防塵マスク」の展示を見るとついコロナ禍の現在と重ね合わせてしまうところもあります。(恥ずかしながら、コロナ以外での「緊急事態宣言」があったことを知らなかったよ)

 また、この伝承館はタッチパネルも多く、タッチパネルに触る際に使うビニール手袋が用意されていたり、あちこちを消毒して回るスタッフの姿も印象的ではありました。

 ただその一方で、放射能の除染という課題を前にしてタッチパネルのビニール手袋やアルコール消毒を気にしているスタッフの様子には、どうにもちぐはぐなものを感じてしまう部分も。うむむ。

 

 個人的にいちばん目を惹かれた展示は、地域の小学校(楢葉北小学校)で合唱の練習に使っていたというCDが展示されていたこと。Nコンの2009年の課題曲でもある「夢の太陽」をダビングしたと思われるCD-Rや、Nコン課題曲のCDが展示してありました。

 皮肉にも、2009年は私にとっても災害のような大きな事件が起こった年で、ふさぎ込んでいるときはNコンの全国大会の演奏を録画したものを部屋で流し続けたりもしていたので「夢の太陽」は私にとっても「回復、励まし」のイメージが強い曲です。

www.youtube.com

 

 また、伝承館の最後のほうの展示パネルには、「子どもに外遊びをさせること」についての意識調査のパネルや、肥満・体力のない子が増えたことについての問題提起のパネルもありました。

 震災から3年目と9年目の調査結果が掲示されていました(なぜこの2種類なんだろう)。詳しいデータまでメモしていなかったのでうろ覚えですが、震災から3年目では外遊びをさせないという親は多かったものの、9年目ではだいぶ減っていました。除染作業が進んだことと放射能汚染への危機感が薄まったこと、きっとどちらもあるんでしょうね。

 ただ違和感があったのは、「子どもを外で遊ばせなくなったことにより、肥満の子・体力のない子が増えた」と言いたげなデータの出し方だったこと。

 そこから「子どもにもっと外遊びをさせよう」という結論を導くことは簡単かもしれませんが、そもそも誰の、何のせいで外遊びを躊躇う人が出てきていると思っているのか……ということを考えると、モヤっとするものがありました。

 

 また、この伝承館では、語り部による講話も直接聴くことができます。

www.asahi.com

 ただ、語り部に対し、「国や東電の批判はしないで欲しい」という旨の通達もあったようで、「表現の自由の侵害だ」と批判もされていました。

 実際はどのような感じなんだろう……と思っていたものの、講話については時間が合わず、聴くことはできませんでした。講話を聴きたい場合は時間に気をつけたほうが良いかも。

 

 また、私はあまり意識していませんでしたが、この館内で流されているインタビューの動画については、「話が途中でカットされて繋ぎ合わされているように思えたものも、いくつもあった」という感想も聴きました。

 震災や原発事故の「伝承」を謳っていながらも、都合の悪いことには触れずにいる。そのような印象が拭えない施設ではありました。

 

 伝承館、売店スペースでおみやげも買いました。

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 防災手ぬぐい、クリアファイル、そして双葉郡ゆるキャラのキーホルダーのガチャポンをしました。こういうの好き。

 そんな、伝承館訪問記でした。続きはまた次回。

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文学と政治の旅、私たちは福島へと向かう(1日目の前半)

 新型コロナウイルスが話題のここ半年だけど、その影に隠れて忘れられがちなものもたくさんあるなぁ……。

 そんなことを考えた、1泊2日でした。

 

 9月26日(土)〜9月27日(日)にかけて、福島県浜通りエリアに行ってきました!

 一緒に行ったのは文学研究者の友人。というか彼が本業の調査も兼ねて福島県に行くことになり、そのタイミングで私にも声を掛けてくれたので一緒に行く運びとなりました。

旅は序章から面白い、東京駅〜いわき駅

 26日朝8時、東京駅から高速バスに乗ります。

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高速バス乗り場にも消毒スプレーがあって驚く

 そしてバスに揺られること3時間、いわき駅に到着!

「わぁ、地方都市だー! 東横インがある!」とかはしゃいでいたら、そこにテンション上がるのかと友人から突っ込みが。

 電車に乗り換えるまで1時間ほどあるので、そのあいだにお昼を食べることにしました。

 駅に併設されているお土産屋&食事処は、なんとビルごと閉店していた!ので、隣の駅ビルへ。

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 友人はかんぱち刺身定食、私はかつおズケ丼を食べます。
 
 とろけるくらい美味しい……!

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 なぜか「初夏限定メニュー」なのに頼めましたけどね。もう9月末なのに!(笑)

 

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懐かしくて異次元、いわき駅〜双葉駅

 それから駅ビルの中のスーパーに寄り、JR常磐線に1時間ほど乗ります。

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 車窓を眺めたり、友人とおしゃべりしたり、ポケモンGOをしながら過ごします。

 電車の中から田んぼの見える風景、好きなんですよね。地元の佐賀県を思い出します。「地方都市もいいけど、田んぼが見える景色もふるさとっぽくていい……!」と、ここでも私は大はしゃぎ。

 

 でも、ときどきこういうものが出てきて、3.11の重みを目の当たりにさせられたりもしました。

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 この黒い袋は、除染廃棄物

 

 そのほか、痩せ細った木がポツンと一本だけ残っているような風景も印象的でした。

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 木は、塩水を浴びてしまうと細ってしまうんだとか。津波の痕跡を感じました。

 

 少し明るめな話に戻すと、こういうものも見つけました。

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 広野は法人税ゼロ特区になっている関係で、こういう新興企業が入っているんだとか……。

 

 あと、ポケモンGOも、けっこう発見がありました。

 たとえば富岡駅は、富岡駅の跡地も現在の富岡駅も、両方ともそれぞれ別のポケストップになっていること。

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 一見なんの変哲も無いセブンイレブンポケストップがあったけれど、もうその店舗は存在していないということ。

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 そして、今年になってから営業再開した双葉駅には、まだポケストップができていなかったこと、などなど……。

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駅の名は双葉、自転車飛ばしてあの場所へ

 双葉駅は、今年の3月に営業再開したばかり。リニューアルしたての新しい駅です。

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 双葉駅にはシェアサイクルがあり、100円玉で自転車が借りられます(使い終わったら100円は返却されます)。

 

 この自転車に乗って、私たちは、オープンしたばかりの施設「東日本大震災・原子力災害伝承館」を目指します。

 自転車に乗るの、どのくらいぶりだろう。実家にあったママチャリに似ていて、まるで高校時代に戻ったような、ちょっぴり懐かしい気分にもなりました。

 自転車気持ちいい……と思ったのも束の間、周りの景色に衝撃を受けました。

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 この時計は現在時刻を指している訳ではないです。地震が起こった時間でもないし、原発事故の時間とも違う。なぜこの時間で止まっているのだろう。


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 こういう、放射線量を計測している機械も、まちのあちこちにあります。

 

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 まだ再生していない、壊れたままの街並み。車はときどき通るけれど、歩いてる人はだれ一人いないまち。なんだか現実感がありませんでした。

 そういえばこの日は、菅義偉総理が福島県を訪問されていた日でもあります。私たちと割と近いタイミングで伝承館を訪れている模様。

www.kantei.go.jp

 

「総理大臣が訪問した施設を目指し、大災害で壊れたまちの中を震災文学の研究者と政治家の娘が自転車で駆け抜ける」ってまるでアニメーション映画のワンシーンみたいだなぁ……少年少女なら画になりそうだけど私たちは29と31だ、なんてことを考えたりしているうちに伝承館に着きました。だいたい10分ちょっとで着きます。

 

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 菅総理はもう去った後のようでしたが、並んでいる人の多さに驚きました!

 

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 整理券ももらいましたよ。

 入館時間まで時間があったので、少し周辺を散策しました。

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 木の右に見える、小型犬みたいなもの。何だろう、犬かな? と思いましたが、どうやら芝の手入れをするロボットのようでした。

 

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 あと、小さなカエルがいました。かわいい🐸

 

 そんなことをしているうちに入館時間が近づいてきたので、館内へ。

 

 

 さて、伝承館の中にはどのようなものがあったのか。どういう感想を抱いたのか。それらについては、また次回。

 

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