基本的に私はあまり旅行する趣味はなく、するとしても1泊2日程度が多いです。特に、1日目と2日目では回る場所を変えてメリハリをつけることが多いです。
9月末に1泊2日で訪れた福島旅行も例外ではなく、1日目は楢葉町、そして2日目はその北にある富岡町を巡りました。
その前に、1日目の宿について書いておこう。
温泉宿は期待外れか、それとも期待以上か?
今回泊まったのは、「展望の宿 天神」。「天神岬温泉 しおかぜ荘」という日帰り温泉が併設されています。
(竜田駅から徒歩約30分かけて歩きましたが、宿に連絡を入れていたら、車で迎えに来てもらうこともできたかも)
この宿は、日帰り温泉になっているエリアと、宿泊のチェックインをする際の入口は異なるので注意。そしてチェックインを済ませたあとは、いよいよ楽しみにしていた温泉へ。
宿からは「貴重品は持っていかないようお願いします」と言われますが、コインロッカーに使う100円玉と、温泉から出たあとに何か飲む際に使うお金くらいは持っていきましょう。(私は温泉から出たらコーヒー牛乳を飲むのが習慣ですが、コインロッカー用の100円しか持っていかなかったため、いったん部屋に戻って財布を取ってきてから再度コーヒー牛乳を買いに行く羽目になった)
温泉は、設備も古く「まぁ、こんなものかな」というのが当初の感想。
正直、期待していたほどではなかったかな……と思いつつ露天風呂エリアに行ってみたら、びっくり!
夜風が柔らかで気持ちいい。
木でできた浴槽の入り心地もいい。
寝そべりながらお湯を楽しめるスペースもある。
天気はあまり良くなかったので星は見れなかったけれど、夜の海を見渡すことができて、とても神秘的……!
ここのお風呂は露天風呂がメインのようです。何度もお湯に浸かったり夜風を楽しんだり、ゆっくり過ごしました。
ひたすら幸せ、お酒と夕飯
そして温泉から出たあとは友人と合流し、晩ごはんのため食堂へ。
お刺身も小鍋もデザートも何もかも、ひとくちひとくち、じっくり味わいたい美味しさ。
料理はもちろん、日本酒とも合います。飲みきれなかったぶんは部屋に持ち帰り、部屋でも楽しみました。
翌日の朝食も、ボリューム満点。
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富岡町は「廃炉資料館」へ行こう
宿から竜田駅までは車で10分ほど。そして電車で揺られること5分、富岡駅に到着。
この駅も広野駅と同じく、今年、運転再開したばかり。
歩いて、この日の第一の目的地である「東京電力廃炉資料館」に向かいます。
可愛い三角屋根の建物が廃炉資料館でした。どうしてこんな形をしているのかというと、アインシュタイン、キュリー夫人、エジソンの生家がモデルになっているそうです。
この資料館、表面上は綺麗なものの、トイレなどの設備や建物の作りにちょくちょく古さを感じたので不思議に思ったところ、ここはもともと「エネルギー館」といい、福島第二原発のPR館だったそうです。
(余談ですが、私の祖父は生前、九州電力のPR館の館長を務めたことがあったため、おじいちゃんも昔こういうところで働いていたのかな……と感慨深くなりました)
ここでは、ガイドの方がつきっきりで、各展示の案内をして下さりました。
入館して最初に観た映像では、原発事故について「ご迷惑をお掛けして、本当に申し訳ございません」という謝罪があり、まずそこが強く印象に残りました。
前日に訪れた「伝承館」は、新しい建物でキレイで、展示されているものも(意図がよくわからないものも含め)バリエーションに富んでおり、良くも悪くも目立つものが多かった、という印象です。
こちらの「廃炉資料館」は、建物も古く展示もやや地味な印象はあるものの、事故が起こった原因や原発の仕組みについてもたくさんの図表を含めて展示がされており、「原発事故への反省」を(伝承館よりは)感じることができました。
作業員が着る防護服の展示もありました。コロナ関係で医療従事者が使っているものと似ているものも多く、類似性を感じると共に「今はコロナのことで世間は手一杯だけど、原発事故のことも、まだ終わってはいないんだよなぁ……」ということを再確認。
また、印象的だったのは原発の近くに桜並木がある映像。
富岡町は桜まつりなどが有名だそうですね。
でも、そもそも桜の木も原発も、観光資源がないところに植樹・誘致される性質があるものだという共通点をあとになって知りました。
まだまだ学びは続く、次は「学びの森」へ
そろそろお昼ごはんにしようか、ということで廃炉資料館を出ます。
途中で見かけた川。川辺の左に見える黒い袋は除染廃棄物か。
そして、行く候補にしていたお店のいくつかは、ことごとく定休日ということが発覚!
周囲にはコンビニもありません。廃炉資料館近くのスーパーまで戻れば食べ物は買えるものの、とりあえずはもう一つの目的地のほうに先に行こう、ということで、次の目的地である「富岡町文化交流センター 学びの森」へ。
この「学びの森」の中には図書館があります。友人が郷土資料の調べ物をするあいだ、私も色々眺めていました。
そもそも「図書館」に来るの、だいぶ久しぶりかも。
「学びの森」での調べ物を終えたあとは、富岡駅に戻る前に、岡内東児童公園に向かうことに。
ここには、東日本大震災の慰霊碑があります。
電車の時間が迫っていたので、早足になりながら富岡駅へ。
少しだけ時間があったので、富岡町の日本酒「萌(きざし)」を駅の売店で探しましたが、今年は売り切れてしまったとのこと。残念。
富岡町では昼食が食べれず、当初の想定より1本早い電車に乗れたということもあり、「湯本に寄り、温泉に入ってから、いわきに戻ろう」ということになりました。
旅の醍醐味、温泉で癒されよう
ただ、さすがにお腹は空いたので、湯本の前に一度いわきで降り、駅に併設されている商業施設のスーパーでお弁当を買うことに。電車の中で食べます。
そして揺られること数分、湯本駅に着きました!
「古滝屋」という温泉に向かうことに。
ここは、いかにも温泉宿という感じの、風情ある建物でした。
お湯自体も気持ちよかったものの……今回入ったお風呂はあまり広くはなく、お湯の種類も一種類だけ。水風呂もない。
旅行客なのか地元民なのか、親子連れっぽい人たちが続々入ってきて、なんとなく居心地悪く感じてしまったので、私は早々と出てしまいました。
ただ、ここは売店に本や雑貨がたくさん置いてあるため、眺めていて退屈しませんでした。
そして友人と合流したあとは、いわきまで戻ることに。
再びいわきへ、迫り来る夜と旅の終わりへ
いわきに戻ったときには、空はもう夕暮れを通り越し、夜に近づいていました。
友人は、駅近くにある書店で買いたい本があるということだったので、私も同行することに。
地元の書店でしか買えない、文学の同人誌があるのだそうです。
この「ヤマニ書房」は、いわきにいくつか店舗のある本屋さんとのこと。
(そしてこのブログを書くために初めてヤマニ書房のホームページを見てみたけど、なかなか懐かしい感じがしますね……)
友人が本を買い終えたので、今度は私がどこかでお土産を買いたいな、と思ったものの……このあたり、お土産を売ってるお店があまりない!
駅に併設されている商業施設「LATOV(ラトブ)」の食品売り場では、私好みなお土産はありませんでした。
あとはどこだろう、近くのビジホやコンビニを見てみようかな……と思っていたところ、友人が「10分くらい歩いたところに、イトーヨーカドーがあるよ」と教えてくれました。まだ帰りの高速バスには時間があったので、イトーヨーカドーに向かうことに。
最初は食品売り場でお土産を探してしまったものの、そこではなく、サービスカウンターがある場所でお土産を買うことができました。やったー!
コロナもあり、友人と会えるかどうかも分からなかったため、配る用のお土産は最小限に留めました。
ままどおる好きなんですけど、賞味期限が短いので自分で楽しむ分を少しだけ。
さて、お土産も無事に買えたので、バス乗り場に向かいます。
バスの中では、友人が買った同人誌も見せてもらいました。
読ませてもらったのは、「風舎」という同人誌。
こちらの号を読みました。
掲載されていた詩をいくつか読みました。小林光一作品は割と好きな作風かも。天野行雄作品も好きなほうかもしれない。
また、館山智子作品には福島のイベントや地名が出てきたのところにも目を惹かれました。私、著者の出身地や地元が感じられる作品って、その巧拙に関係なく好きなんですよね。地理学的に興味深いというかなんというか……。
そんなことを考えながら、バスに揺られること3時間半。東京駅で私たちは解散となりました。
1泊2日ながらも、とても濃い旅となりました。
ちなみにこの旅、高速バスは往復6,660円、宿は夕食、朝食付きで8,800円。Go toトラベルなど一切使わずこの価格でした。
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