これからも君と話をしよう

一度はここから離れたけれど、やっぱりいろんな話がしたい。

買ってよかったもの、2023

 今さらのタイミングですが、買ってよかったものリストでも作ってみたいと思います。

 本来ならこの時期(6月末)は、「2024年上半期」の買ってよかったものリストを作るのがセオリーなんでしょうけど、「買ってよかったもの」は半年ではなく1年単位で作りたいので、あえて2023年の買ってよかったものリストを作成してみます。

 

スライヴ もみギアプロ フットマッサージャー

 こちら、2023年4月に購入しました。

 私は2014年秋から、これの前バージョンのフットマッサージャーを愛用していまして、寝る前に毎晩、髪を乾かしながらこのマッサージャーで脚をマッサージするのが日課でした。

 長年使い続けていたのですが、昨年、とうとう壊れてしまったので買い替えました。

 マッサージの力加減は、前の機種よりもやや力が強めには感じたものの、その強さも私好みでいい感じ。

 他社の機種も色々と見てみたものの、2万円以下の値段と、軽量で移動させやすいところが魅力でこちらの機種を買いました。前と同じメーカーのものを買って良かった。とても満足しています。

 手前が、新しい「もみギア」で、奥のものが旧バージョンのもの。

HAGOOGI 充電式カイロ

 

 2023年11月に購入。友人が「充電式カイロ」を使っているのを見て、私も欲しくなり探した結果、こちらを購入してみました。

 カイロとしてだけでなく、スマホなどのモバイルバッテリーとしても使えるのも嬉しいし、左右を分離できるため、両手に握ってあったまることも可能なのもよかったです。

 カラーバリエーションも豊富でいい感じ。

 

ダニ取りロボ

 ダニ取りグッズは色々試してみたのですが、これが一番、効果があった気がします。布団の下に敷いています。「ロボ」と入ってる名称ですが、特に「ロボ」要素はないですね(笑)。

 

メルル(ソフトコンタクトつけ外し器具)

 2023年はいくつか新たにやってみたことがありまして、そのうちのひとつが「ネイルサロンでのジェルネイル」、もうひとつが「ソフトコンタクトレンズの日常使い」。

 また、家族が目の病気になり、しばらくソフトコンタクトレンズを使う機会があったので、この、つけ外し用の器具の「メルル」には助けられましたし、家族にも勧めました(正確には、コンタクトを「つける」ほうは器具を使わなくとも問題はなく、外す時のみ愛用していました)。

 ソフトコンタクトもメルルも以前使ったことはあるものの、爪が短い頃は、取り外し器具を使わなくてもすぐに指で取り外せるようになったので一度は手放してしまったのですが、ジェルネイルで爪が長い状態だと、これはなくてはならないものとなりました。

 ただ、私の力の入れ方が強いのか、数ヶ月使うと破損してしまったため、買い替えも発生しました。

 今は、自分でジェルネイルをして、爪の長さもそこまで長くならない程度にしているので、使ってはいないのですが、お店でのネイルをしていたときには助けられました。

 

エクスボーテ 化粧下地

 夏、化粧をする際に汗で崩れがちなのに困っていて、クールタイプの化粧品を探しているときに見つけました。

 こちら、ひんやりした使い心地でとても気に入りました。脂性肌の私でもメイクは崩れにくい気がするし、今年の夏もこちらを愛用しています。

 

セザンヌ ハイライト パールグロウニュアンサー

 こちらは美容雑誌でおすすめされていて、値段も安いし、と思って買ってみました。

 最初は今ひとつ使いどころがわからなかったものの、鼻筋や、目の下に入れると程よく肌にツヤがのります。顔が明るくなる感じがして、気に入っているアイテムです。

 

沼津の大型犬カフェ「LOA」に行ってきた

 3月30日(日)、青春18きっぷを使って、沼津に日帰り旅行してきました!

 

 静岡県沼津市は、都内にある私の家のJRの最寄駅からも18きっぷで2時間ほど。

 一度乗り換えましたが、電車のタイミングによっては、乗り換え無しで行けるものも出ていたり。首都圏からもそうそう変わらない場所、みたいな認識です。

 今回のいちばんの目的は、「大型犬カフェ」です。

沼津に到着

 11時前に家を出て、13時過ぎに沼津駅に到着。

 まずは、駅のロータリーからバスに乗って、人気のハンバーグ屋さん「さわやか」を予約しに行きました。

昼食としての時間には間に合いそうにありませんでしたが、夕食で食べれたらいいなと思います。

retty.me

 大型犬カフェの予約時間まではまだ余裕があったので、周囲を散策することにしました。

 

 梅の花が咲いていました。

 

 近くで見つけた鶏白湯ラーメンのお店で、お昼ごはん。

chafuka.jp

 普通に美味しい。疲れた身体に沁みます。

 いろいろとトッピングを楽しめるお店のようでしたが、あまり変わったことはせず、シンプルなものを食べました。

 それから、ラーメン屋を出て少し散策しました。

 

 Googleマップを見たところ、近くに猫カフェがあるらしいので少し気になったものの、ふれあい系の動物カフェをはしごするのは禁止なので、今回は立ち寄りませんでした。

www.nekocafe-nyanko.com

 

 ブックオフがあったので寄りました。新書と詩集と英語の本を購入。

 

 そんなことをしているうちに、15時半が近づいてきました。

 大型犬カフェの予約時間は、16時。このあたりから徒歩30分ほどで着きます。

 都合のいい時間のバスもなかったので、歩いて大型犬カフェ「LOA」に向かいました。

(ちなみに、寄り道をしなければ、沼津駅からLOAまでは徒歩約22分、バス8分で着くそうです)

 スポンサーリンク

 

 

 

大型犬カフェ「LOA」へ

 着きました、大型犬カフェ「LOA(ロア)」

 人間スタッフさんと、ゴールデンレトリバーの子が出迎えてくれました。

loa.shizuoka.jp

 

 店内は広め。さまざまな犬種のワンちゃんたちが、自由に動き回っていました。

 

 10匹のワンちゃんがお店に所属しているようです。(出迎えてくれたゴールデンレトリバーの子は、スタッフさんが飼ってるワンちゃんということで、お店の子ではなかった模様)

 グレートピレニーズ3頭に、ゴールデンレトリバー2頭に……と、同じ犬種のワンちゃんが複数いるみたいなのが印象的でした。

 

 人気の大型犬である、サモエドはここにはいないようですが、白い立ち耳のワンちゃんとしては、ホワイトスイスシェパードのしらすちゃんがいます。

 

 

 

 

 特別、白い犬が好きというわけでもないんですが、白い子たちの姿が特に目を惹きました。大きくて垂れ耳の、グレートピレニーズの可愛さに改めて気付かされた感じです。

 

 そういえば、松戸にある大型犬カフェ「ぐらんむー」のゴールデンレトリーバーのラスティくんもボールを咥えるのが好きみたいだったので、ここのゴールデンの子もボールを咥えていたのも、ちょっと印象に残りました。


 ここはドリンクコーナーでは、小さなジュースがたくさん置いてあり、自由に飲んでいいことになっています。30分歩いて疲れた身体にはありがたかった。

 

 ワンちゃんの人気投票も飾ってあります。私は誰に入れたか忘れてしまった……

 

 そんなことをしているうちに、退店の時間になりました。

 帰り際も、ゴールデンレトリバーの子が見送ってくれました。

 スポンサーリンク

 

 

 

沼津東高校 定期演奏会を聴きに行こう

 実は、大型犬カフェのあとにも予定を入れていました。

 LOAから徒歩約10分のところにある、「沼津市民文化センター」にて、沼津東高校吹奏楽部の、定期演奏会があることも調べ済みでした。

 

 

 演奏会、なかなか良かったです。クラシックもジャズもポップスもあって盛り上がりました。衣装や演出も含めて良かったです。

 あと印象深かったのは、ここの吹奏楽部は、地区大会で優勝して東京の文京シビックホールで演奏したという話が出てきたこと。文京シビックセンターは私も以前、イベント運営のために定期的に訪れていた思い出深い場所だったので、そこにここの生徒さん達も来ていた、というのは、なんだか感慨深くなりました。

お待ちかね、「さわやか」へ行こう

 演奏会が終わったのが20時前。ちょうどいい時間のバスはなさそうでした。

 アプリ「GO」でタクシーを呼び、昼間に予約した「さわやか 沼津学園通り店」に向かいます。

 

 整理券の本来の時間からはとっくに過ぎていたものの、店内で待つこと少々、案内してもらうことができました。

 

 げんこつハンバーグのほか、デザートもいただきます。

 ハンバーグは肉汁が溢れて、美味しい……! 野菜もお味噌汁もご飯も美味。

 デザートのアイスも、ほど良いボリュームながら、大満足。

 

 そんなことをしているうちに、21時が近づいてきます。

 そろそろ終電が近づく時間です。

 

 徒歩で駅まで向かうとなると結構ギリギリになりそうだったので、またタクシーを呼びました。

 タクシーに乗ること約6分で沼津駅へ。

 

 

 沼津は、アニメ「ラブライブ!」の聖地ということで、ポスターが色々貼られています。

(ちょうど、ラブライブが流行り出した頃からアニメをあまり観なくなってしまったので、あまり分からないのがやや残念)

 

 沼津はラブライブの聖地でもあるほか、沼津港深海水族館などもあり、色々面白そうな場所。

 機会を見つけて、また訪れてみたいなと思いました。

 

 スポンサーリンク

 

 

 

サモエドカフェアル駒沢店&地理系ブックカフェ空想地図に行ってきた

 最近、駒沢大学駅周辺に私の好きなタイプのお店がいくつもあることがわかりましたので、ちょっと紹介したいと思います。

サモエドカフェ アル 駒沢公園

 ロシア原産の、白くて大きなモフモフのワンちゃん・サモエドがたくさんいるサモエドカフェ」

 もともと韓国で人気なんだそうです。そんなサモエドカフェ」が、日本でも昨年9月にオープンしました。

(この冬から春にかけて、サモエドカフェが首都圏と関西を中心にあちこちにオープンしているようですが、日本で一番最初にできたのが、この、駒沢公園店です)

prtimes.jp

 

 公式サイトはこちら。

samoyed.jp

 この「アル」系列のサモエドカフェは原則として予約制で、1ヶ月前から予約が解放される仕組みになっています。

 平日と土日祝日で料金が違います。平日は1時間2,200円(土日祝は2,600円)と動物カフェの中ではややお高いほうですが、そのぶん満足度は抜群でした!

 

 このサモエドカフェは、駒沢大学駅から、徒歩10分ほどの場所にあります。

 路面店なので比較的わかりやすいと思います。

 こちらは1時間ごとの交代制になっており、待合室などもなく、時間ぴったりまで外で待つことになるため、あまり早く着きすぎない、予約時間数分前を目処に行くと良いかと思います。

 

 

 店内には自販機もあり、飲み物を飲みたい方はここから買うことができます。

 

 おやつもあげることができます。

 

 店員さんが、ワンちゃん達との写真を撮ってくれました。

(他の大型犬カフェでは、有料のおやつを買った人のみ、ワンちゃんとの集合写真撮影をしてくれるところもありますが、こちらは、ワンちゃんとの撮影そのものは無料でした)

 私が行ったのは、19時〜20時の回だったため、終盤になるとワンちゃん達もちょっと眠そうでした。

 昼間のほうが元気いっぱいのようです。日時によっては、別途有料でワンちゃんと駒沢公園のお散歩もできるんだとか。

 私はまだ、平日夜に2回しか行ったことがないので、いつかこちらでお散歩体験をしてみたいなと思ってます。

 スポンサーリンク

 

 

 

 

地理系ブックカフェ 空想地図

 サモエドカフェを出て、ふとGoogleマップを開いてみると、サモエドカフェから徒歩10分ほどの場所に、面白そうなものがあるのを見つけました。

chirikeibookcafe-kuusouchizu.owst.jp

 地理系ブックカフェ………!? 空想地図………!?

 これでも大学では地理学専攻だった私。また、働き始めてからできた友達には、空想地図を作る人も何人もいます。これは行くしかない!!!

 

 サモエドカフェを出たのが20時。こちらのお店は21時閉店で、ラストオーダーは20時半。まだ間に合う! ということで慌てて駆け込んできました。

 住宅街の中にあるお店。夜はライトアップされているようです。なんだか幻想的な光景でした。

 駒澤大学は地理学に強いらしいので、ここにお店を作ったんでしょうね。

 

 店内に入るといろいろな掲示物が。大学生が多いエリアだからか、決済方法が多様なのも嬉しい。

 

 

 店内には、古い地図や空想地図、地理関係の書籍などがとにかくたくさん………!!

 私の持っているものや、買おうか検討していたものもたくさん置いてあり、とにかく私好みのものだらけで、本棚を眺めていて全く飽きませんでした。

 

 雑誌「地理」は、大学時代に授業で使ったこともありました。懐かしい。

 奇しくも、このとき置いてあった「地理」の特集が「地理学出身者の小説を読む」。柴崎友香などが有名ですね。

 ちなみに私も、じつは地理を使った小説を書きたくて地理学専攻に入ったのですが、結局書きませんでした……(笑)。

 

 右隣にある『みんなの空想地図』は、空想地図界隈では有名な、地理人さんこと今和泉隆行さんのデビュー作。私も持ってます。

 空想地図の物販もあれば、地球儀や漫画も置いてあったり、世田谷区のパズルもあったり、子どもも楽しめそうなものも多数。老若男女楽しめそうなお店です。

 

 そしてここ、何気に料理も豪華!!!

 この手のカフェにありがちな、申し訳程度のフードではなく、カレーオムライスお酒おつまみデザート、随分充実していまして、私も調子に乗って色々頼んでしまいました。

 ちなみにこのカレーは、店内に掲示してある空想地図の都市「静浜市」のB級グルメ、という設定があるんだとか(笑)。

 

 期間限定のいちごチョコのパフェ。豪華でした……。

 

 あまりにも楽しくて、こちらは閉店までいた後、翌月にも別の用事で駒沢を訪れた際に寄ってしまいました。店員さんも、私のことを覚えててくださり、嬉しかったです。

 

そのほか……

 あと、駒沢大学駅周辺には、ブックオフchocoZAPがあり、これらにも何度か私は訪れています。

 空想地図からブックオフまでは徒歩3分ほど。ブックオフは22時閉店なので、空想地図帰りでも間に合います。このブックオフは大学近くだからか、学術系の本や、若者向けの小説のラインナップが充実していました。翌月訪れたときは、漫画本の50円セールもやっていました。

 ちょこざっぷはどちらかというとサモエドカフェのほうに近く(徒歩2分)、サモエドカフェの予約時間までの時間つぶしにもおすすめです。階段を上がって2階に行かなきゃいけないのがやや面倒ですが、マッサージチェアやトイレもある店舗で、都内にしては設備は充実しているほうだと思います。

 

 駒沢大学駅周辺、一気に好きになっていまいました。また定期的に遊びに行ければと思います。

 スポンサーリンク

 

 

 

 

 

 

【書評】未経験から始める しっかり稼げるおうちライターの教科書

 友人が紹介していたことでこの本を知り、読んでみることにしました。

 2016年頃の「ブログ飯」ブームの頃は「ブロガーのなり方」「ライターのなり方」といったコンテンツはいくつか読んでみたこともありましたが、ここ3年ほどは、文章術や校正・編集の本は読むことはあっても、ライターについての本はチェックしていませんでした。

 こちらの本は、Amazonレビューも評価が高く、内容も良さそうなので読みました(また私自身、数年前は少ないながらもライター案件を受けていたことがあったものの、ここ最近は受けていなかったので、久々にライターとしても稼働しても良いかも知れないな、という気持ちもありました)。

 この本は、ライターとしての文章の基本から、取材の方法、SEO対策の具体的なテクニックが凝縮されており、基本的なことが1冊で分かるようになっていたことが良かったです。どれかに特化した本は多いにせよ、入門書としてこれらが1冊に入っているのは、あまりなかったような気もします。

 だからといって分厚く読みにくい本でもなく、著者の方が対象としているような、忙しい主婦の方でもスラスラ読めてしまう分量なのも、ちょうど良い感じです。

 

「ブログ飯」ブームからやや時間が経ち、ライターやSEOの本も久々だったため、それまで知らなかったツールを知ることができたのも勉強になりました。

 

 本文中の記述で気になったことがあるとすれば、「取材」のページで「なるほど」という相槌が本文中の会話の中で出てきたり、「なるほどですね」という表現が小見出しに書かれていたこと。ただ、このような言い回しも、最近は気にしない人も多そうなので、問題ない範囲かな、と思います。

 

 スポンサーリンク

 

 

 

この本がすごい!2023年 ノンフィクション編

 昨年2023年は、2021年に次ぐ「友人の出版」の当たり年で、たくさんの友人の本を読む機会に恵まれました。中には、夫婦で同じタイミングで出版が決まった人たちも!

 そのほかにもたくさんの本を読んで、良かった本をなかなか絞りきれなかったので、20冊ほど紹介することにしちゃいます!

20位 喪の日記

 この本は、「本の読める店 fuzukue」というブックカフェで見つけて読みました。

(この「fuzukue」もとてもユニークなシステムで素敵なお店だったんですが、これについて書くとそれだけで1記事分になってしまうので割愛)

 この本は、哲学者のロラン・バルトが、母親を亡くした時の心情を綴った日記。

 まるで、詩集や合唱曲の歌詞を読んでいるような気持ちになった1冊。学術書の出版社として有名な、みすず書房の本といえど、日記・散文なので比較的短時間で読めてしまいました。

 はたして原文はどのようなものだったのかが気になるフレーズがいくつもありました。私も、母が重い病気となり、余命宣告されたときのことを思い出してしまったり、自殺未遂をしている友人のことも脳裏にチラついたりしてしまったりも。

 解説の、この日記が公開されるに至った経緯も、興味深く読みました。

19位 不倫―実証分析が示す全貌

「不倫」そのものを考察した本というより、「不倫」をテーマに行った学術調査の手法そこから読み取れる内容の考察その限界についての本でした。

 ゴシップ的なテーマであり、学問的な読み応えもある、非常に示唆に富む一冊。どういう人が不倫をするのか、どういう理由で不倫をするのか等、よく言われている俗説を裏付けるような実験結果もあれば、意外な結果だったものや、今後の調査に期待したいものも。個人的には、著者たちが私と年が近いことや、著者たちの本来の専門の内容は不倫とは全く関係ない学問分野だったことにちょっと驚いてしまいました。

 また、姦通罪の歴史についても、興味深かったです。

18位 敗戦と赤線

 大学時代に地理学専攻でお世話になった加藤先生の本、ずいぶん前の本ですが、ようやく読みました。

 夜の店についても地理やまちづくりについてもどちらも興味があるので関心を持って読んだものの、戦後の歴史の話が中心で、なかなか入り込めなかった……というのが正直なところでした。赤線と青線、私娼街と遊郭の違いなど色々出てきたものの、どうにも、その違いを見出すことの意味を感じられず……。織田作之助の作品が出てきたのはニヤリとしてしまったりも。

 あと、9年前に墨俣に行ったことがあるので、そこが花街だったというくだりも興味深く読めました。また、金津園や、沖縄の歓楽街の歴史については面白く読みました。

17位 すごいゴミのはなし ゴミ清掃員、10年間やってみた。

 Xでも有名な、ゴミ清掃員をしているお笑い芸人・マシンガンズ滝沢さんの本。

 子ども向けの本ということもあり、平易な言葉で書かれていて読みやすく面白かったです。仕事柄、衛生環境についての内容は気になるので読んでみました。

 ゴミの臭いは水分からくるということ、資源をアジアに輸出しているということ、最終処分場からのゴミ汚染水や下水についての話なんかは知らなかったかも。

 本の中で、「ゴミが日本一少ない都道府県」として挙げられていた県は「物持ちがいい県」ということも聞いたことがあったので納得。終盤の「ゴミとは何だ?」という問いかけとそれを巡るエピソード、そして著者なりの答えも考えさせられました。

 滝沢さんの本は『日本全国 ゴミ清掃員とゴミのちょっといい話』も読んだのですが、こちらは、日本全国の自治体のゴミにまつわる良い取り組みの事例集。こちらも面白かったです。

16位 クマが肥満で悩んでます 動物園のヒミツ教えます

 書店の、動物園関係の本の棚で見かけて面白そうだと思い、電子版で購入しました。

 ゆるいタッチのイラストにほどよいユーモアもあり、とても面白かったです。

 広告業界ではエンゲージメントという言葉があったけど、動物園業界では「エンリッチメント」という考え方があるということを知れたの、勉強になりました。

 動物園の情報もたくさんあって良かったです。何より、首都圏中心のメディア情報が多い中、この本は西日本の動物園を多く紹介しているのも嬉しいです。

 タイトルは、人生相談の名著『オタクの息子に悩んでます 朝日新聞「悩みのるつぼ」より (幻冬舎新書)』を思い出させる感じで、ニヤリとできました(しかし個人的にはあまりしっくりこないタイトルでしたが、こういうのが売れやすいのかな?)。

15位 詩を書くってどんなこと?

 なかなか感想がまとまらなかった一冊。そもそも、何をきっかけにこの本を買ったのかもよく覚えていません。

 詩集ではなく「詩についての本」は、2017年に読んだ『今を生きるための現代詩 (講談社現代新書)』以来かも知れません。

 感想も書いています↓

www.wuzuki.com

 中学生との質問のやりとり、というカタチで「詩とは何か」「詩を書くとはどのようなことか」「詩集を編むとは」「詩を贈ることとは」といった内容が展開されていきます。

 詩人のエピソードや、詩の引用もいろいろ出てきて、知らない世界をいろいろ垣間見ることができました。子ども向けに書かれた本ということもあり、全体的に抽象的で、問いも比喩も「若い人が、多様な解釈で読めるようになっている」ように感じました。なんというか、この本そのものが詩のようにも思えました。

14位 社会を変えるスタートアップ

 タイトルと帯に惹かれて手に取ったところ、著者も同い年ということもあり、親近感を持って購入しました。

 障害者雇用の歴史や国ごとの特徴、著者の経歴とスタートアップ創業エッセイ、ESG投資やインパクト投資の話……など、内容は多岐にわたっていたものの、ややとっちらかった印象がありました。なんというか、学術書とビジネス書がくっついたような感じです。

 生きづらさの問題や社会起業の話というより、この著者の事業についての説明の概要・ダイジェスト版、という位置付けの本のように受け取りました。期待していた内容とは違ったけれど、それなりに読み応えがありました。

 著者の部活のエピソードからは、この人ならそもそも何をやっても成功するだろうな、という印象を受けました。

13位 〈性〉なる家族

 アダルトチルドレンや「生きづらさ」に関する著作が有名な、臨床心理士信田さよ子先生の著書。この本は、著者の臨床経験から基づいた論考集となっています。1編が短いので、重い内容が出てくる割には読み進めやすかったです。

「断罪すること」が苦手というくだりには共感したり慎重な姿勢に好感が持てましたし、母親のワンオペ育児と父親の性虐待についての考察も一理あると思えました。また、母から息子への性虐待についてや、「近親相姦」という言葉に潜むもの、「性虐待加害者はペドフィリアなのか?」という問いについての著者の答え、「本能」を「原子力」に喩える違和感、子どもができることは「中動態」であるということ、日本では家族による殺人は増えていることについてなどなど、私の関心を掻き立てるエピソードも多数出てきました。

「これは本当にそうなんだろうか?」と思える部分もないわけではないものの、それを差し引いても、多数の臨床経験から見えてきた様子には学べるところが多々あると思いました。

12位 仁義の報復

 1993年頃に発覚した「埼玉愛犬家殺人事件」で殺されたヤクザの、「親分」にあたる元ヤクザの人が書いた本。

 6年ほど前、著者のインタビュー記事を読みこの本を買って半分ほど読んでいたものの、ヤクザのしきたりや容疑者たちへの悪口に疲れて読むのを止めていました。

 先日、久々にこの事件を思い出す機会があったのをきっかけに一気読み。途中からは、敵討ちを企むヤクザものとしてハラハラしながら読むものの、どうなるかの結果は知っているので切なくなりました。

 関根はバイト代を払わない、バイトの少女たちに手を出す、犬たちへの虐待なども行っていたらしいですが、他の事件があまりにもひどすぎて、これらが霞んで見えてしまいます。

 また、この本からは、秩父やサンカの歴史について垣間見ることができたのも興味深かったです。

 

 ……ちなみに関係ありませんが、事件があったペットショップ跡地に昨年、行ってきました。

 

11位 射精責任

 衝撃的なタイトルで話題になっていた本。正直、本編より、齋藤氏による解説が多様な問題点についてまとめてあり読み応えがありました。注釈で参考文献が多々挙げられているのも良いなと思いました。

 本編で一番驚いたのは、膣外射精を避妊として推奨していたこと。私が中学時代に読んだ性教育の本では「ガマン汁にも精子はいるので、いわゆる外出し、膣外射精は避妊にならない」と書かれていたので。(ただ、この『射精責任』でも「しないよりは効果的」くらいの扱いではあるようでした)

 また、子育ての支援が不足していることについても触れられており、そこは米国でも日本でも変わらないんだな、と思いました。そして、本文の中にあった「中絶できる州に住んでいるか」という言葉が出てきたところも、日本にはない視点で印象深かったです。

 

10位 教育大国シンガポール

 友人主催の、著者を交えて行うオンライン読書会の課題図書になったので読みました。

 子どももおらず、シンガポールに縁はない私でも、十分興味深く読めました。

 受験などの競争についてのくだりよりも、メイドを雇うこと移民受け入れ差別についての考え方についてが印象深く、マイクロアグレッションについても再考させられました。「○○人のメイドは賢いから気をつけろ。彼女たちは知恵がついちゃってるから、何をするかわからない」と、「賢い、知恵がある」ことをネガティブに話す人に気持ち悪さを覚えたという著者のエピソードは、私にも衝撃的でした。

 また、「キッズライン事件」のくだりも考えさせられました。営利企業と福祉の相性の悪さや、子どもを守るためにどのようなシステムであるべきか、などなど……。

 また、本書を通して伝わってくる、著者の「子どもを差別の加害者にしたくない」という真摯な姿勢には、とても好感が持てました。

9位 大学教授がマッチングアプリに挑戦してみたら、経営学から経済学、マーケティングまで学べた件について。

 友人がFacebookで紹介しており、テーマが面白そうだと思って読んでみました。

 著者の実体験のルポかと思ったら、そういうわけではなさそう?

 私は主人公と年齢は近いものの、年収があまりにも違うことにやや落ち込んでしまいました。これはどこまで実話なのかは分かりませんが、それだけの年収があってもこんなにもアプリ婚活は男性は苦戦するのか……と思ってしまいました。

 本書に出てくる「アクセス数を上げるための行動」なんかは、Webマーケティングもあり、その点も面白く読めました。

 ラストはどうなるかと思ったら……そうきたか。

 終わり方といい、この本は「きれいな恋愛工学」という印象を受けました。

 ちなみに私は、「恋愛工学」本の感想も、過去にブログに書いてます。

www.wuzuki.com

8位 ことばの発達の謎を解く

言語の本質 ことばはどう生まれ、進化したか (中公新書)』が話題になった、言語発達を専門とする心理学者・今井むつみ先生の本。『言語の本質』を絶賛するツイートがバスっていたとき、私も積読していたものがあったのを思い出し、読んでみることにしました。

 子どもがことばを推測して学んでいくさまは、並行して読んでいた『ブランダム 推論主義の哲学』とも通じるものを感じました。

「チモル」などの造語が出てくるくだりは、村田沙耶香「変容」という小説に出てくる「なもんでいる」という造語のことを思い出します。

 実験内容も、割と納得感あるものが多かったです。思えば、「言葉の推測」という点では、読めない漢字や英単語のときも、へんとつくりや単語の構造で推測するのは私もやっていました。

 ちなみに、村田沙耶香「変容」が収録されている短編集『丸の内魔法少女ミラクリーナ』についての感想、過去のブログで書いてます。

www.wuzuki.com

7位 料理に対する「ねばならない」を捨てたら、うつの自分を受け入れられた。

 2年ほど前、同世代の女性の文筆家の人が紹介していて興味を持ち購入。彼女は料理が好きではないらしいので、この著者もそうなのかな、と思いながら読み始めたけれどそうではなく、著者はむしろ料理や生活の営みを楽しんでいる人でした。

「手抜きの料理、という割に凝ってるな」と思ったら、著者は阪神淡路大震災のときに高校生だったそうなので、世代の違いかもしれません。

 そして、うつの著者を支える旦那様はまさに、卑近な言い方をすると「理解のある彼くん」だなぁ、と皮肉なしに思いました。周囲の人に対する反省や感謝も丁寧で好感が持てます。また、フェミニズム料理研究家の比較についても、興味深かったです。

6位 朱里。

 2年ほど前から友人に誘われてプロレスを観にいくようになり、昨年は女子プロレス団体「スターダム」の、ファンブックまで買ってしまいました。

 こちらは、スターダムの朱里選手のエッセイ。試合を何度か観て彼女を知り、ファンブックで私と同い年だということを知って親近感が湧きました。同い年なので、小学生の頃に流行っていた芸能人得意科目のエピソードは特に面白く読めました。

 出会い系の「スタービーチ」は私も高校生頃に存在を知ったけど、中学生でそういうところを覗いてた子は首都圏では多かったのかな? なんてことが、読んでいて気になったりもしました(笑)。

 プロレスと格闘技、私の中では同じようなものかと思ってたけど、だいぶ違うものだということをこの本を読んで実感。そして、朱里はすごく努力家で真面目なんだな、と胸を打たれました。お母様の件は胸が痛くなります。

 この本を読んでからは、スターダムは観に行けていないのですが、またスターダムを観る機会があれば、次は朱里により注目したいと思いました。

5位 水道を救え ―AIベンチャー「フラクタ」の挑戦―

 ご存じの方もいらっしゃるとは思いますが、私は下水道に関連する土木技術の情報誌の仕事をしており、上水道についての情報も見聞きするので、この本は大変興味深く読みました。

「コンセッション」については、この本を読む半年前に私も調べていたところなので、ニヤリとできた部分も多々ありました。また、上下水道の本、というと、自治体の上下水道課など、お役所でお堅いイメージがあるところですが、この本は「公共インフラのメンテナンス」の話としてだけでなく、「さまざまなビジネスを手掛けたベンチャー社長の体験記」としても、とても面白かったです。

 アメリカやイギリスのマインドの違いは、特に面白く読めました。そして、ビジネスモデルや人口の密集度によるコストの違いも勉強になります。

 余談ですが、私の勤め先で手掛ける某雑誌でも、このフラクタのプロダクトを(簡易的にではありますが)紹介してる記事が載ったことがあり、編集作業中はニヤニヤしてしまいました(笑)。

 あと、この本では、上下水道の工事を意味する「敷設(ふせつ)」という単語は「布設」表記で統一していますが、私のところでは「敷設」で統一しているので、その違いにも面白さを感じました。

4位 ロンドンアドベンチャー通信

 2012年頃からTwitterを通じて仲良くなった同い年の友人・スギモトマユちゃんの初の単行本!

 ワーホリのビザの取り方や、ロンドンの文化や気候について、分かりやすく可愛い漫画でとても読みやすく読み応えもありました。

 映画館の特徴や文化の違いなど、彼女の好きなものならではの記述も充実していて面白かったです。

 また、英語など語学の学び方に関しても参考になり、ロンドンに行かない人にも役立ちそう。(そういえば、今井むつみ先生の本を知ったのはマユちゃんの投稿がきっかけでした)

 私も高校の修学旅行でロンドンに行ったことはあるものの、もっと勉強してからイギリスに行くべきだったな、と今更思ったりもしてしまいました。

 最後に載っている、ハンガリーの医学部のエピソードは、noteで公開されているのを読んだ時からとても好きです。

note.com

3位 千葉からほとんど出ない引きこもりの俺が、一度も海外に行ったことがないままルーマニア語の小説家になった話

 洋画好きの私の彼氏の繋がりで紹介してもらった鉄腸さんが出版したということで読んでみました。

 病気のため引きこもりがちで、本を読んだり映画を観たりするしかなかったけれど、ひょんなことからルーマニアの作品に魅了されルーマニア語を学び、ルーマニアどころか海外に行ったことがないのに現地で作家になってしまった……という人生をユーモア混じりに綴ったエッセイ。

 読みやすい、まるで友達としゃべっているかのような文体で一気に読めてしまいますが、中身は濃厚。語学、文学、映画、フェミニズム、病気との付き合い方、SNSの活用法など話題が多岐にわたっていて読み応え抜群です。

 漫画「BLEACH」など馴染み深いタイトルも出てきて楽しく読めます。

 個人的に驚いたのは、エリアーデの本が紹介されていたこと。『聖と俗 〈新装版〉: 宗教的なるものの本質について (叢書・ウニベルシタス 14)』を10年近く前の読書会で読んだことがあり、そこくらいでしか見たことない名前だったので、まさかこんなところで名前を見るとは、と驚きました。

 

 ここ数年、本を出した友人がとても増えましたが、一番ブレイクしたのは鉄腸さんだろう……と友人たちのあいだでは言われていたりします。

nikkan-spa.jp

2位 日本一長く服役した男

 この本の著者の一人の杉本宙矢くんは、私とは2013年からの友人。Ustreamを使ったネット番組作りのコミュニティで知り合い、現在はNHK記者としてさまざまな記事を手がけています。

 そして、先ほど紹介した『ロンドンアドベンチャー通信』の著者のマユちゃんとは夫婦です。夫婦で同じ年に商業出版デビューした友人って初めてかもしれない。(マユちゃんのコミックエッセイにもイラストで宙矢くんは出てきており、こちらの本の謝辞にもマユちゃんの名前があり、どちらも読んでいてニヤニヤしてしまいました)

 この本はタイトル通り、日本で一番長く服役した人が出所してからの様子を取材したもの。友人の著書ということで読み始めたものの、純粋に内容に惹き込まれ一気読みしてしまいました。服役や懲罰そのものというより、メディアのあり方について多方面から再考させられました。

 また、私は個人的にも、いろいろな事件について調べることが好きなので、プロのジャーナリストはどのような内容を手掛かりにどのような点に留意して取材をしているのか、というところも勉強になりました。本のあちこちに大量の付箋を貼ってしまいました。

 終盤には、思わず涙。61年もの月日で流れ落ちるもの、人間の認知機能、被害者遺族と加害者をそれぞれめぐる取材……。「人生って何だろうな」ということに、読んでいて随所で向き合わされました。

1位 人生はそれでも続く

 ものすごく、ものすごく好きなタイプの本でした。

 こちらは、2020年から始まった読売新聞の連載「あれから」の内容をまとめたもの。「昔、あの事件で話題になった人は今、どうしているのか」を取材した内容。

 近年話題になった人だと、「王子様」と名付けられた男性が改名したエピソードなどが有名かと思います。

www.yomiuri.co.jp

 連載記事のときにネットで読んでいた記事もありましたが、想像以上に私にドンピシャな内容でした。

 誤解を恐れずに言えば、私はいろんな事件を調べるのも好きで、人生を「物語」として捉えることも好き、社会問題を考察するのも好き、群像劇作品大好きな私にとってはもう、この本はかなり刺さりました。

 近い本としては、同じ新潮新書の『ヤバい選挙(新潮新書)』を彷彿とさせる部分もあります。(この本についてもブログで紹介済みです)

 巻末の、記者のプロフィールの書き方も、本編と絡めた、落語のマクラのような内容でとてもツボでした。また、本文中の写真の配置や記事の締め方も、とてもとても好きです。

 あと関係ありませんが、私が作った曲にも「これから」というものがあるので、「あれから」という連載タイトルも好きだったりします。



この本がすごい!2023年 小説編

 2024年になり、1ヶ月が経とうとしていますね。遅ればせながら本年もよろしくお願いします。

 さて、毎年恒例の「読んでよかった本」ランキング、今回もやってみたいと思います。今回は小説編です。

 

8位 あるいは酒でいっぱいの海

 この本は、フリマで行われていた「本のおみくじ」企画で手に入れました。

 包装紙に包まれ、どんな本なのかのキーワードが書かれたメモだけがついている本の中から選んで購入し、出てきたのがこの本でした。

「短編集」よりも短い、ショートショートがたくさん収録されている掌編集です。

 シュールなものもあれば、ちょっとよく意味がわからないものもあり、時代を感じるものもあり。何かがすごく心に残った……というわけではありませんでしたが、普段読まないタイプの本を読めた、という読書体験も含めて楽しみました。

 

7位 狼と香辛料

 この作品を初めて知ったのは、2007年頃。大学時代、文芸サークルの中でこの作品が流行っていたときは、経済学がテーマなんて難しそうかも……と思って敬遠していたものの、2021年頃から経済学クラスタの人たちと関わる機会が増えてきたので、改めて読んでみることにしました。

 銀貨の取り引きの駆け引きなど少し混乱したものの、難しさに挫折するようなこともなく、普通に面白かったです。現代日本とは違う世界や時代を舞台にした小説もたまには悪くないな。主人公・ロレンスの商人としての姿勢も好きだし、ツンデレなホロとの掛け合いも楽しいです。

 

6位 ウェディングプランナー

 ウェディングプランナーや結婚式についての連作短編集は、飯田雪子『アニバーサリー―しあわせの降る場所 (角川春樹事務所 ハルキ文庫)』、辻村深月本日は大安なり (角川文庫)』を読んでいて、どちらも好きだったのでこの作品も期待して読みました。

 お仕事小説としてはとても面白かったです。個人的には、結婚式に大金をかける必然性をあまり感じておらず、シェアハウスとか公民館とか借りて自力でやるのでもいいのでは、なんて思ってたんですが、この小説を読み、今まで結婚式をちょっとナメてたかも……と思ってしまったりも。

 男性作家の作品ということもあり、女性心理や描写のどこか不自然な感じはどうしても多少は気になってしまいましたが、まぁ作品とは関係ない些末なことだな、と思えるレベル。どのエピソードもどんでん返しが意外性あって面白かった、けど、ラストの主人公の結婚式の展開は、ちょっとあり得ないな……という感じ。まぁ、作品全体では面白かったです。

 

5位 ピュア

 ライターとして10年以上前から応援してた美由紀さんが書いたSF小説、ということで気になって読んでみました。noteで無料公開されたことが話題になった時期もありましたね。

「妊娠するためには、男たちを文字通り食べないといけない世界」という設定は面白いし、フェミニズムとSFの親和性の高さを感じて、「こういうのもアリなのか」と新鮮ではあるものの、「遠い未来」という設定なのに現代日本人っぽい名前や「スタバ」などの固有名詞が出るのは(わざとだろうけど)違和感あるし、「男の欲望」も、表題作と最後の話だけは世界観として通っているけど、そのほかは「現代の現実」と変わらなさそうなのも勿体ないな、と思ってしまいました。

 なんというか、主張したいテーマが先行して世界観が後付けな印象。類似テーマの作品では、坂井恵理ヒヤマケンタロウの妊娠 (BE・LOVEコミックス)」とか、村田沙耶香作品のほうが世界観も物語としても上手いな、と思ってしまいました。

 美由紀さんの作品は、全て読んでるわけではありませんが、フィクションよりもエッセイのほうが私好みな感じがします。

 

4位 ハピネスエンディング株式会社

 ネット上でも有名な、マーケターで文筆家のトイアンナさん(id:toianna)初の小説。毒親がテーマということで少し身構えてしまいましたが、テンポが良くてすんなり読めました。さらりとした筆致で、虐待描写にもあまり引っ張られずに済みました。冒頭にフラッシュバックへの注意書きがあって覚悟したけど、あれはそういう事例だったのか……。

 大学生らしいインターンの描写や、会社経営者の女性なども出てきて、トイアンナさんらしさを良い意味で感じる部分もあり、楽しめました。そもそもこの作品、タイトルも表紙も、「毒親」がテーマとは思えないポップなものにしているという配慮も良いですね。

 毒親たちと、主人公・智也たちの「いい親」の対比がやや極端というか、実際はもっとグラデーションだよね、と思う部分はありましたが、これくらいのほうが物語として刺さりやすいのかもな、と思いました。そして作中に出てくる事例は、丸々実話というわけではないんだろうけれども、トイアンナさんが見聞きした事例なんだろうと思うと頭が下がります。メンタルヘルス面でも興味深い描写のある作品でした。

 

3位 悩み相談、ときどき、謎解き?

 好きな作家の本と間違えて購入したものの、連作短編集になっていて意外と面白かったです。最初のほうの心理描写はどうにも不器用さというか、表現の荒さがやや目立っていたけれど、読み進めていくうちに気にならなくなってきました。

「占いで降りてくる言葉を使う」のは謎解きとしてはズルい感じがあるけど、物語を引っ張るアイテムとしては見事。これってラノベなのかな?と思ってレーベルを確認したらメディアワークス文庫でした。大人の女性ためのラノベ、という印象の本でした。

 10年前の作品なので、赤外線で連絡先交換する描写が出てくるのも印象的でした。作者は私と同じ魚座ということも、少し親近感を抱きました。

 この本はシリーズとして続編も1冊だけ出ているようで、こちらも読み途中です。

 

2位 空芯手帖

 こちらも「本のおみくじ」として手に入れました。

 著者とほぼ同い年ということもあり、「同世代の女性の作品」という点からも面白く読めました。職場でブチ切れて「妊娠しているフリ」をすることから始まる物語、という設定がまず面白い。

「30代の独身」ということで主人公に親近感を持った部分もありつつ、今どきこんな古臭い会社ある? という気もする部分も。主人公を気にかけてくれる、少しズレている男性社員の東中野さんと何か起こるのかと思いきや、そうきたか……という展開にびっくり。

 そして終盤、あれっ? と思ったものの、さらに読み進めて安心。どう終わるのか読めず、予想していた展開とは違う感じだったけど、読後感は軽い痛快さもあっていい。

 装丁も可愛くて好きです。そして、主人公の職場とかけたタイトルも上手いな、と思いました。

 

1位 雨の日も神様と相撲を

 梅雨の時期に読めてよかった作品でした。

 推理要素と非現実的な要素が絡まり合う感じは、さすが「スパイラル ~推理の絆~ 1巻 (デジタル版ガンガンコミックス)」「虚構推理(1) (月刊少年マガジンR)」の原作者という感じ。カエルや相撲についての情報も本格的ですごい。何をどうやったらこの話の発想にたどり着くのだろう。

 主人公の少年・文季も、ヒロインの真夏も可愛いし、同級生たちも親族もいい味出していて好きです。私も中3になる前くらいに転校したので文季に親近感を抱きました。

 ミステリ要素も面白かったです。オチは、倉知淳作品を思い出しました。

 あと、作中では「スマホ」でも「ケータイ」でもなく「携帯端末」という表現が使われていたのも印象的でした。

 

 ……いかがでしたか?

 次回は、ノンフィクション編をお届けする予定です。