今さらになって、ホラー小説の「リング」シリーズを読み始めた。
『リング』『らせん』『ループ』『バースデイ』の4作品の合本版の電子書籍を買っていたのだが、それを一気読みした。
もう30年ほど前の作品をなぜ今さらになって読み始めたのかは明白で、原作者の鈴木光司先生が今月上旬に亡くなったから。
2年前の転職で、3人の小説家の先生と関わることになり、そのうちの1人が鈴木光司先生だった。それぞれの先生の作品は1作品ずつは買ってみていた。鈴木先生以外の方の作品はどちらも、途中まで読んで読み進めるのをしばらくやめていた。鈴木先生の作品は「リング」シリーズの合本版を買ってはみたものの、怖いのはちょっとなぁ……という気持ちが上回り、そもそも読み始めてすらいなかった。
ところがいざ読んでみたら、『リング』がとても面白い。ジャンルとしてはホラーになってはいるものの、作中の世界観の筋は通っておりミステリやSFのような楽しみ方ができた。まるで、辻村深月『冷たい校舎の時は止まる』や、矢沢あい『下弦の月』を連想させるような雰囲気すらあった。
性加害の描写が何度か出てくるのがちょっと……と思っていたら、ラストには驚かされ「どういうことなの!?」となった。終わり方が気になり、続編の『らせん』も一気に読んだ。
さらに物語は意外な展開を見せて、どのように着地するのか気になり、積読していた『ループ』『バースデイ』も一気に読んでしまった。
物語が進むにつれ、ホラーというよりSF的な世界観が強くなってきていて、「リング」は単なるホラーじゃなかったのか、こんな壮大なスケールの物語だったのか……と圧倒された。シリーズの残りの2冊はまだ買っていないが、こちらもいずれ読もうと思っている。こんなに短期間にひとつの小説のシリーズを読むのなんて、学生時代以来じゃないだろうか。
どうやら映画とはだいぶ違いそうな気はするが、これだけ惹き込まれる世界観を作る人なら、映画「リング」シリーズが大ヒットしたのも納得だ。鈴木光司先生、こんなにすごい人だったんだな……と、死後になってからその仕事の圧倒ぶりを改めて感じてしまった。
今週のお題「私のまわりのすごい人」