毎期恒例の「読んで良かった本」ランキング。下半期編も公開したいと思います。
今回は、小説やエッセイなどを含めた「文芸編」。8冊紹介します。
8位 ハロワ!
私も、ハローワークや職業訓練校に通ったことがあるので利用者の立場として面白く読みました。この作品に限ったことでもないですが、お仕事ものは、男女観や仕事観などに時代を感じる部分があり、そういう意味でも楽しめます。
キャラたちはどこか記号っぽく感じてしまったし、不自然なオチもあるなぁとは思ったけど、漫画「エンゼルバンク」といい、「仕事を探す人が出てくる、連作集」は好きなのかもしれません。
恋愛要素はどうなるかハラハラしましたが、なるほどそうなったか……という感じで予想外でした。
7位 不良少年とキリスト
横浜の、神奈川近代文学館にて坂口安吾展がやっていたので、昨秋に行ってきました。
そこで色々観て気になったのがこの本。安吾は大学時代に読んだきりだったので、こちらのエッセイ本を読んでみることにしました。
6位 ショートショート実験室
私の勤め先が出している本。この著者の人とやり取りする機会があったので読んでみたら、とても読みやすくて面白く、一気読みしてしまいました。
科学ネタのショートショート集。ショートショート、あまり読んだことなかったけどいいですね。
「意識の高さから低さへの高低差での発電」などニヤリとでき、若手ビジネスマンに特におすすめだなと思いました。「軽いノリになるには水素が必要」など、化学の知識を使ったエピソードも多くてそこもグッときます。
個人的には、身から出た錆ということで身体が錆びていく犯罪者の話や、プラスチック使用量を脱申告して悪行していた人の話とか、悪人の話に好きなものが多かった。「夜行の子」はありえそう。「ネガ発電」の設定は色々使えそう。全体的に三崎亜記っぽさがあるな、と思いました。
5位 かわいく(なく)てごめん
小学生の頃からずっと読んでいる作家さんの新シリーズ。ようやく読みました。中学生の主人公が失恋したところから始まります。
小林深雪作品で、性的マイノリティをこうして真正面から扱った作品は初めてかも?
あまり堅苦しくならないようにしたのか、主人公の語り口も、他のシリーズ以上にコミカル。ただ、どうもこのシリーズは新作が出ていないみたいなので、その点は気になっています。
4位 [会社を休みましょう]殺人事件
あらすじに惹かれて購入しました。1993年頃の作品らしく、思ったよりも昔の本だったみたいでちょっと驚きました。作者も亡くなっているというのも初めて知りました。
この小説は「ですます調」で書かれていますが、それもレトロ感が出ていていい感じ。ちなみに、私の勤務先の社長の名前も、主人公と同じなのでその点にも親近感を抱きました。
ミステリとしてはさほど期待していませんでしたが、平成初期のサラリーマン文化を垣間見れて、そのあたりも面白く読めました。妻の悦子の考え方や言動は、令和の今の男女論にも通じるところがあるなぁ、と思う部分もありましたし、かっこいいなと思えました。
最後のオチや急展開には色々びっくり。そして、この時代でも「女は嫁に行くんだし短大出とけばいい」という言動は「かなり古典的」扱いされていたことも印象深かったです。
3位 博多豚骨ラーメンズ
私も担当した、福岡を舞台にした小説『戸郷勇樹と五人の災難』の表紙デザインを考えていたときにこの本を見つけました。「福岡が舞台で、男女6人が出てくる」点も「戸郷勇樹」と同じだ……! と運命を感じて購入。
人物について、誰が誰だったか途中で混乱したものの、終盤、どうなるか読めず面白く読めました。ただ、割と胸糞悪いシーンや血なまぐさい描写も多いので読む人を選ぶかも。
この本は野球に重ねたエピソードが多いし、『戸郷勇樹〜』も野球選手の名前から取られてるし、なんか「福岡×クライム・アクションもの×野球ネタ」って意外と多いのだろうか? なんてことも思いました。
(『戸郷勇樹と五人の災難』も、面白いのでおすすめです。こちらはエグい描写などはありません)
2位 表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬
「双子のライオン堂」読書会の課題図書になったので読見ました。芸人の本? と思っていたけど侮るなかれ、学術書も読む本好きな友人も絶賛していたのも納得です。
「資本主義」に疲れた人、旅行記が好きな人、それぞれ楽しめると思います。お笑い芸人らしく、トイレの描写など笑える描写があったのも良かったです。
この本は、文庫版か電子版では、3つの地域への旅行記が収録されていますが、私が作中で出てきた旅先では、アイスランドの温泉がとても気になり、最も行ってみたくな理ました。また、闘鶏のシーンでは私も真顔になってしまいました。
解説も、好きなミュージシャンによる愛あふれるものだったので、嬉しさと興奮で押しつぶされそうな感じでグッときました。
1位 雨の降る日は学校に行かない
連作短編集好きなので購入しました。最初の話が当初は読むのに時間がかかったけど、次からの話は面白く好みなものが多かったです。クラスの中心よりも周縁にいるタイプの主人公が多かったけど、いじめる側の子が主人公の話が一番好きかも。あだ名のつけ方とか、男子の広め方とかリアル。
イラストをきっかけに隣の席の男子と交流する話や、セクシーな自撮りを撮っていた子が写真に目覚める話もお気に入りです。最後の話は、もしかして……と思ったらやっぱりそうだったか、というオチも。
レビューでは賛否両論あるようですが、解説も読み応えがあります。解説は、タレントの春名風花さん(はるかぜちゃん)。頼りにならない川島先生に対しては、解説で、はるかぜちゃんは憤ってたけど、私はそこは、やや記号的な感じの描き方に思えてちょっと乗れなかったかも。解説は写真の話についてと、インコの話が良かったです。あと、言及してる人が少ないですが、扉絵の雰囲気も好きです。




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