もう一度、福島県に行こう
昨年秋に一緒に福島県に行った震災文学研究者の友人と、この春もまた福島県に行ってきました。
前回行ったのは、いわき、楢葉、富岡、双葉などの浜通りでしたが、今回訪れたのは白河、郡山などの、いわゆる「中通り」と呼ばれるエリアです。
友人は白河で行われている写真展に興味があり、私は郡山の街に興味があるので、1日目は白河、2日目は郡山を中心に楽しむことになりました。
「アウシュヴィッツ平和博物館」へ
3月21日(日)、午前6時台に友人と東京駅で合流し、旅行スタート。
青春18きっぷを使い、福島県白河市の「白坂駅」に向かいます。
午前11時前に白坂駅に到着。まず最初に向かう「アウシュヴィッツ平和博物館」は、駅から徒歩6分。
そもそもなんで福島県にアウシュヴィッツ博物館なんてものがあるんだ?
一体どんなところなんだろ……? と思いながら訪れてみて、ちょっとびっくり。
博物館、というよりは「古民家」という感じ。
ここでまずはアウシュヴィッツ関連のビデオを観ることになります。
この内容がなかなか衝撃的で、「アウシュヴィッツで起きたこと、これまで何にも知らなかったんだな……」と感じて物悲しい気分になってしまいました。
インターネット上の言論でもよく、独裁的な考え方に対してナチスだのヒトラーだの例えられるのを目の当たりにしてはいましたが、歴史の授業やネット言論で目にするあれこれでは、全然「知ってる」うちに入らなかったな……と痛感。
この博物館内には、アウシュヴィッツ収容所で実際に使われていたお皿や、捕虜が着ていた服などの展示もありました。それらも一度見てみる価値はあると思います。
ビデオを観終えたあとは、写真展を鑑賞しました。
今回観た写真展は、こちら。
韓国の写真家・鄭周河氏の展示です。3.11後の福島を撮った写真の展示。
撮られた写真にはタイトルもキャプションも何もないため、「これは何を意図して撮ったんだろう」と考えながら鑑賞することも新鮮な体験になりました。
「アウシュヴィッツ記念博物館」の周囲には、こんなコンテナもありました。
このコンテナも博物館の一部となっているようです。
コンテナの中はこんな感じ。外国(ドイツかな)の子どもが描いた絵が飾ってありますが、いつ描かれたものなのかわからないのがやや残念。第二次世界大戦で生き残った子が描いたのか、歴史を学んだ最近の子が描いたものかも分かりません。
コンテナから外を覗いてみたらこんな感じ。
ほかには、「アンネ・フランク・ぎゃらりー」なるものもあったので行ってみました。
写真や資料多めで、見ごたえがあります。
また、この敷地内にはアウシュヴィッツ関連の展示のほか、「原発災害情報センター」なるものもあるようなので行ってみました。
が、残念ながら休館中。
原発関係のパネルが屋外に色々ありました。
あれこれ見ていたらいい時間になり、そろそろお昼にしようか、ということになったので、この敷地を出ることにします。
栗が落ちてる。
このアウシュヴィッツ平和博物館や白坂駅近辺には飲食店はあまりなさそうでしたが、調べてみたところ徒歩圏内に3件ほどあったので、近くの店を目指します。
今回訪れたのは、「来々軒」という定食屋。
ネットでは「ラーメン屋」カテゴリになっていますが、ラーメン屋というより「定食屋」という感じでした。私はとんかつ定食をいただきました。ボリュームたっぷりで美味しい!
白河神社に行こう
お昼を食べたあとは、白河神社を目指します。
白河神社の付近には駅はなく、バスの本数もあまり期待できないのでタクシーを使うことに。
タクシーに揺られること約12分で到着。早い!
白河神社は、かつて下野と陸奥を結ぶ国境があった「白河の関」を境内とした大きな神社。関所としての役目を終えてからは、松尾芭蕉や源頼政などの歌人や俳人も多く訪れたそうです。
タクシーを止めてもらった道路沿いにある小さな売店みたいなところが社務所になっているようで、そこでまずは御朱印をいただきました。
昨今は新型コロナウイルス対策ということで、書き置きタイプの御朱印が多い中、今回は直接書いていただくことができました。嬉しい。
また、LINEで白河市の公式アカウント「まちなび白河」と友達になると250円分の割引クーポンが使え、御朱印にも対応しているということだったので、さっそく友達になってクーポンを使いました。250円って中途半端だな。でもラッキー。それにしても、御朱印とLINEの割引クーポン、っていうのもなかなかシュールな取り合わせ。
また、近くにあったおみくじも何気なく引いてみたところ、大吉!
幸先良さそうです。
雨がひどくなってきたので一旦「白川関の森公園 物産センター」という建物に避難し、雨が落ち着くのを待ちました。
雨足が弱まったタイミングで物産センターを出て、白河神社の本殿へ向かいます。
さすが俳人が多く訪れただけある。お賽銭箱の横には、投句箱もありました。
こんなものも。
こういうものも見つけて、歴史を感じました。
歴史ある杉の木。
桜もあります。
こういうものも見つけて、ここが福島県であることを再認識させられたり。
そんなわけで、白河神社を後にします。
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かわいい白河駅
バス停で、冷たい雨が降りしきる中しばらくバスを待ち、バスに揺られること約30分。白河駅に到着します。
レトロな感じで、かわいい駅舎!
駅の中にカフェがあるので、休憩することに。
地方の駅の中のカフェ、ということであまり期待していなかったものの(失礼)、この「えきかふぇ」、レトロな可愛さがあって居心地の良いお店。
雑誌などの読み物も充実しており、コンセントも使え、ちょっとした作業もできちゃいそうな感じ。もちろんカフェメニューもたくさん。
私が食べたスコーンもコーヒーも美味で、疲れた身体に染み渡りました。
カフェでしばらく過ごしたあとは、電車に乗って、ホテルのある泉崎へ向かいます。
駅構内。Suica使えないアピールがすごい。左側の「スイカ」がじわじわくる。
「泉崎カントリーヴィレッジ」にようこそ!
泉崎駅に着くと、ホテルからの迎えの車が到着していました。
事前に連絡を入れておけば、ホテルから迎えの車を出してもらえるのです。
ホテルに到着! 謎のオブジェがお出迎えです。
私たちが今回泊まるのは、温泉が併設されている「ターミナル棟」からは少し離れたところにある、「ログ棟」のほう。ログハウスになっているのです。
廊下はこんな感じ。
部屋から窓の外を眺めると、こんな感じ。まるでキャンプか何かに来たような気分が味わえます。
まずは荷物を置き、併設されている温泉へ。
露天風呂もあり、人も少なく、のんびり過ごせました。
そしてお待ちかねの夕食。
豪華!
もちろん、日本酒も楽しみました。
飲み比べセットの3つはどれも味わいが違って、飽きのこない取り合わせ。
「『愛郷の輝き』が好みかも……あ、でも『陣屋』のほうがこの料理に合うな」などなど、いろんな料理とのマリアージュが楽しみやすいのもいい。
やっぱり福島旅行はいいなぁ。温泉と日本酒という、私の好きなものがどちらも楽しめる。あした行く郡山は、私の憧れのまちの一つなのでそれも楽しみだなぁ……。
そんなことを考えながら、この日の夜は早々と眠りにつきました。
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