思えば、こういう旅行ってだいぶ久しぶりかもしれません。「友達に会う」のがメインの旅行。
東京に長く住むようになってからは、「友達と旅行」をすることはあっても「友達に会いに行く旅行」はしたことなかったかも。
そんな、ゴールデンウィークの金沢・富山旅行、3日目について書こうと思います。
前回の記事はコチラ。
戻ろう、金沢へ
前日の夜は割とゆっくり休むことができ、この日は割とのんびり朝ごはんを食べることができました。
ホテルを出たあとは、地下道を通って富山駅へ向かいます。
いろんな掲示物があり、気になったのでつい撮影してしまった。
観光地じゃない、こういう、住民の生活空間で見かけるものを観察することのほうが実は好きです。
富山駅からは、高速バスに乗りました。
そして、バスに揺られること1時間とちょっと。金沢駅に到着します。
金沢でまず会うのは、Eちゃん。私より二つ年下の女友達です。
私の大学時代の友達を通して4年前に知り合い、一緒にフリマに参加したことも。
コロナ禍を機に地元の金沢に戻り、勉強をしてデザイナーになったというEちゃん。会うのは3年ぶりかもしれません。
Eちゃんは、金沢駅まで車で迎えに来てくれました。あいにくこの日は雨だったので、車を出してくれるというのはありがたい……。
事前にLINEでおすすめの美味しいお店も色々教えてもらっていたので、この日はそれらを巡ることにしました!
お昼ごはんにはお寿司を食べよう
まずEちゃんに連れていってもらったのは、コチラ。
「左衛門(さえもん)」というお店。回転寿司のお店だそうですが、ランチのセットがコスパが良いんだとか。
家族連れっぽい人たちが多く、賑わっていました。
お寿司も茶碗蒸しもとっても美味しくて、東京にあるチェーン店とは違う……ということを改めて実感しました。
ひと口ずつじっくり味わい、1時間近くお店にいました。
ハンモックのあるカフェに行こう
「左衛門」を出たあとは、30分近く車に乗ります。
次に行ったのは、店内にハンモックがあり、田舎のいい感じの風景を楽しめるというコチラのカフェ。
この日はあいにくの雨ではありましたが、それでものどかな雰囲気は伝わってきました。
また、このカフェは普段は、ハンモックの席は人気なのですぐに埋まってしまうんだとか。この日は雨だったこともあってか空いていたので、私たちはハンモックの席に座ることができました。
コーヒーの器もいい感じ。このお店、割と新しいみたいで、店内がとても清潔感があります。木を基調としたインテリアも、新しいのにどこか懐かしくて好きな雰囲気です。
可愛いハンドメイド品なんかも売っていました。
湯涌温泉に行ってみよう
「とある丘」に向かう途中の車の中で、私が「今回、温泉には行けそうになかった」という話をしたら、Eちゃんが「じゃあ、湯涌温泉に寄ってみる?」と提案してくれました。
「とある丘」から、車で10分くらいのところにある、コチラに寄りました。
1時間ほど、Eちゃんと一緒にお風呂に入りました。このときは雨も一時的に落ち着いていました。
露天風呂は屋根もあり、快適でした。私たちの貸切状態。
新緑を眺めながら、ふたりでいろんな話をしました。
共通の友人の近況、仕事の話、そして、恋愛の話……。
私まわりの温泉・銭湯好きな友達って男性が多いので、こうして女同士で温泉でおしゃべりするの、すごく久しぶりで新鮮でした。
近江町市場や、フルーツパーラーを楽しもう
温泉から出たあとは、金沢市内の中心部に戻ることにします。
車で30分ほど走り、まずはお土産を買いに近江町市場へ。
この商店街の中にある「酒の大沢」という酒屋さんで、お土産用の日本酒を買いました。
(あと、なぜかここではおまけとして東京オリンピックのキャラのキーホルダーやマグネットももらえるようになってた)
近江町市場は、お天気が悪かったにもかかわらず賑わっていました。
観光地でもあるし、日常の買い物をする場所でもあるんでしょうね。
そして買い物のあとは、少し歩いてコチラに行きました。
フルーツパーラーが有名なお店なんだとか。
少し並んだものの、そんなにすごい行列というわけではない感じでした。
この日はお天気があまり良くなかったからかな。天気の悪い日だと、普段はもっと並ぶらしいお店でも、そんなに並ばずに入れるのはメリットですね。
フルーツのパフェ、爽やかな甘さで美味でした。行列ができるのも納得の味。
「フルーツむらはた」を出たのは、16時50分近く。
夕方、17時半からは、私は別の人と金沢駅で待ち合わせをしています。
Eちゃんは、駅に向かう途中まで車で送ってくれました(途中で道が混み始めたので、歩いたほうが早く着きそうだった)。
Eちゃんと初めて会ったのは2018年、共通の友人と自由が丘の「ピーターラビットカフェ」に行った時でした。
2019年、吉祥寺のフリマに一緒に出店したあと、2人で吉祥寺のカフェでしばらくおしゃべりしていたことはあったものの、最初から最後まで2人だけで遊んだのは、初めて。
改めてじっくりお話することで、いろんな価値観が垣間見れて楽しかったなぁ、またこうして遊びたいなぁ……と思ったものの、もう金沢で暮らしているEちゃんとはそうそう簡単には会えないんだな、ということを感じてふと寂しくなったり。
なんだろう。私は転勤族育ちだったから、仲良くなった友達とも離れることがあるのは普通のことでした。でも大人になり、なまじ遊びに行けるからこその寂しさもあるんだな……なんてことも、今回ふと感じました。
ただ、寂しんでばかりもいられません。私にはこれから会う人がいます。
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金沢は芸術の街、最後の夜が始まる
金沢駅に着き、ロッカーに余分な荷物を預けます。お手洗いにも行っておこう。
そんなこんなでバタバタしながら、17時半過ぎ。私は待ち合わせ場所へと向かいます。
待ち合わせにここを指定したのは彼でした。多才でピアノも得意な彼らしい、ロマンチックな選択です。
近寄ると、ピアノを弾いていた彼が立ち上がり、両手を広げて私を迎えてくれました。
「Aさん!」
そう、私が金沢で最後に会うつもりだったのは、最近よく一緒に遊んでいるAさんでした。
普段は関西に住んでいるけれど、東京にも頻繁に来ているAさんとは去年の夏に共通の友人を通じて出会い、今年の2月は一緒に和歌山旅行もしました。
昨年7月から、なんだかんだ月に一度は顔を合わせていたものの、今年の4月は初めて一度も会うことがありませんでした。
なので、5月の最初にようやく会えたのは、すごく嬉しい!
……ただ、Aさんが北陸に行く理由をはぐらかしていたことや、やり取りの中で「最近は事情があって、お酒を控えている」という話をしていたことが気になっていました。もしかして何かの病気かな……?
Aさんと金沢駅で合流後は、まずはバスで「21世紀美術館」を目指します。
バスの中では、大学生くらいの男性二人組が「4°Cは女性へのプレゼントにどうなのか」といったTwitterみたいな話をしていたのが印象的でした。
バス停から歩いて、美術館に向かいます。
ジョジョ展がやっていました。時間的に観れなかったけど。
21世紀美術館、到着が遅かったので展示室には入れなくなっていましたが、館内にあるベンチに座って、外の景色を眺めながら、Aさんと二人でずっとおしゃべりしてました。
そういえば大学時代、文芸サークルの先輩から、ジョジョの小説版を貸してもらったこともあったなあ、なんてことを思い出したり。Twitter有名人の話をしたり、共通の友人の話をしたり。
夜の兼六園はカップルでいっぱい
美術館に1時間ほどいたあとは、兼六園へ向かいます。
有名な観光地なので、楽しみにしていました。
とても賑わっていて、歩きながら写真を撮っていたので、ブレてしまったものがたくさん……。
夜の兼六園は夜景を観にくるカップルが多い、ということはEちゃんからも聞いていました。
若い人だけでなく年配の方もいて、私とAさんに対して「若いお二人」と言われるような場面もありました。私たちも結構いい年なんだけど若く見えるのかな、なんて心の中で苦笑したりも。
兼六園やその周辺をひたすら歩き回り、ふたりでいろんな話をしました。漫画にも造詣の深いAさんと、黄金期の「りぼん」の話をしたり、少女小説の話をしたり。
あとは、「旅行では、本当は観光地にはそこまで魅力を感じない。見せられるために作られたお庭とかよりも、大きな岩のような自然物や、見せ物としては作られていないような建物や街並みに興味がある」という点が一致したのも、嬉しかったです。
そして、Aさんが北陸に来ていた理由、お酒を控えている理由についても教えてもらいました。
まさかの、「車の免許を失効させてしまったため、再取得のための合宿で能登半島に来ている」というオチだったとは……!(笑)
あぁ、お酒を控えているのもそういう理由だったか、私とホテルに泊まれないのもそういう理由だったか……と、全てが腑に落ちました。
そして、あまりにも外を歩き回りすぎたので、ふたりで夕食を食べる時間がない!
慌てて金沢駅に戻りましたが、もう、どこの飲食店も閉まっていました。
私はお土産屋で、お土産の他に自分が食べるお弁当を買います。
そんな、最後の最後までAさんは付き合ってくれました。
私はこの日で金沢から帰りますが、Aさんはもうしばらく北陸にいるそうです。
新幹線の中で、嬉しい連絡が
それにしても、普段は東京でよく遊ぶ人と、まさか金沢でふたりで一緒に過ごせるなんて、ちょっぴり不思議な気がしました。
そしてその一方、もうどんなことがあっても不思議じゃないな、なんてことも同時に思いました。
思えばこの旅行で会った友人たち、みんな誰ひとり「会社員」じゃないんですよね。
初日に会ったMくんはトロンボーン奏者、2日目に会ったKくんは文学研究者、そして最終日に会ったEちゃんはフリーのデザイナーで、Aさんは翻訳者。
知り合い方も、みんなバラバラ。
そんなバラバラなみんなと、久々の再会での思い出話だけじゃなく、今の話、これからの話など、とにかく全体的に「前向き」な話ができたことが嬉しい旅でした。
そんなことを考えながら、私は帰りの新幹線の中で、買ったお弁当を食べることに。
「……あ」
そのとき気づきました。指輪を、Aさんと会う前に寄ったお手洗いに忘れてきたことに。
駅のトイレの個室に指輪を置き忘れてしまったけど混雑していたので諦めた
— まくはり うづき(Makuhari Wuzuki) (@wuzuki_) 2022年5月1日
私がこのツイートをしたら、その瞬間、Aさんから電話がかかってきました。
「駅の忘れ物センターに指輪が届いていないか訊いてみる。もし指輪が届いていたら、自分が受け取って、次に会うときに渡す」と……!
指輪自体は安物だし、思い入れがあるわけでもないので、そんなに悔しさはありません。
それよりも、Aさんがこうして気遣ってくれたことが何よりも嬉しく思えました。
もし指輪が見つかったら───Aさんは、どんなふうに私に指輪を渡してくれるかな?
彼が私の指に指輪を嵌めるところを想像し、ひとりで赤面しながら新幹線に揺られていました。
(※結論からいうと、指輪は結局見つかりませんでした)
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