カ 10月30日(木)、赤坂にある小さな書店「双子のライオン堂」にて開催された読書会に行ってきました。
この書店では定期的にさまざまな読書会をしています。対面のものもあれば、オンライン開催のものも。
私は、毎月第4木曜日頃に開催されている「人文書の読書会」と、毎月第3土曜日頃に開催されている「サイエンス読書会」のどちらかに参加することが多いのですが、ここ最近は人文書の読書会は足が遠のいていたところでした。
今月の人文読書会の課題図書になったのは、若林正恭『表参道のセレブ犬とかバーニャ要塞の野良犬』。
そう、お笑いコンビ・オードリーの若林さんが書いた本です。しかも、単行本が出版されたのはもう8年ほど前。(流行に疎いので、こんな本が出ていたことも知りませんでした……)
文庫本も出ていますが、文庫本や電子書籍版のほうが、単行本以降の続編のエッセイも収録されていてお得です。
この本が課題図書になったのは、この読書会の主催であり店長の竹田さんがこの本が大好きだから、いつか課題図書にしたいと思っていたからなんだとか(ちなみに、先月の課題図書も、芸人・鈴木ジェロニモさんの『水道水の味を説明する』だったので、もしかしたらそれでお笑い芸人の本を読む流れができていたのかも?)
これは、若林さんがキューバに行った紀行本。(文庫版と電子版では、モンゴルとアイスランドに行った話も掲載されています)
旅行というよりも、資本主義に囚われていた自分を見つめ直すような、内面の描写が多い本です。また、お笑い芸人らしいような、ユニークな人物の描写や、トイレを我慢したあとの顛末にはちょっと笑っちゃいました。
途中に出てくる、お父さんとのエピソードにもホロリ。
今回の参加者は、運営含めて6人。
皆さんのこの本の感想としては、
「途中のお父さんとの対話だけじゃなく、最初のほうにもカッコの中のセリフが出てきたけど、これもお父さんとの会話だったのかも」
「資本主義と社会主義、カネとコネ、どちらがいいか悩ましい」
「久々に読み返したけど、一筋縄じゃいかない、なかなか理解できない本」
「伊坂幸太郎の『終末のフール』が好きなんだけど、そこに出てくる言葉がチェ・ゲバラの言葉だということが、今回読んでわかってよかった」
「自分は引きこもりだからこそ、この本が面白かった。自分が引きこもりなぶん、自分が行かないような場所に旅行する人の話を読むのは面白い」
「闘鶏のシーンは衝撃的だった……日本にも似たようなものはあるのかな」
などなど……。
私の感想としては。
「この本には3つの旅行記が入っているけれど、ダントツで行きたくなったのはアイスランド。もともと興味のある国だったし、世界最大の露天風呂は、本でも『天国だ』って書かれているくら意なのでこれはいつか行ってみたい」
「キューバで、カリブ海に行こうとして行かなかったシーンが出てくるけど、私は合唱曲の『カリブ 夢の旅』が好きで気になっているのでいつか行ってみたい」
なんて感想を伝えました。
あと、ちょっと意外だったのは、参加者の皆さん、海外経験が思ったよりも少ないな、ということ。
ここの読書会に来る人、赤坂がご近所という人もいて、ちょっとリッチな方や知的な方も多いので、海外経験も豊富そうな方が多そうなイメージを持っていましたが、意外と皆さん、「○年前に社員旅行で台湾に行ったきり」「子どもの頃にカナダに行ったくらい」という方が多かったです。
本が好きで引きこもりがちと自虐気味に言う人もいれば、自分でビジネスしていたり、家庭を持っているから自由に動き回れないという人もいて、なるほど、と思ったりも(かく言う私も海外旅行をする趣味はないのですが)。

そして読書会の終わりには、次の読書会の課題本決め。
テーブルに並べた本の中から、みんなで「せーの」で、読みたい本を指さしました。
どの本になったのかは、次回のお楽しみ。(やがて、双子のライオン堂書店からも告知が出ると思います)
私が一番読みたいと思った本になって嬉しい。この作家さんの活動や生き方、好きなんですよね。
また次回も参加したいな、と思いました。
