2014年頃、平田さん(id:tomo31415926563)と京都で話したときのこと。
「変わった肉、珍しい肉を食べたことはありますか?」と私が尋ねたら、「おっぱい募金は行ったよ」との返答がありました。
まぁ、たしかに「珍しい肉」の話ではありますね……。
いきなり話は変わりますが、私がこの夏から部屋に飾っているのは、友人の手作りのドリームキャッチャー。
「ドリームキャッチャー」とは、アメリカインディアンのあいだで幸福のお守りとされている装飾品で、「良い夢を捕まえる」とされているもの。
クラウドファンディングのリターンです。病気のために足を切断した友人の義足代として、私は50ドル寄付しました。
自室の窓辺に飾っています。
先日、このひととシェアハウスでの食事会で会いました。
義足や脚の話になったとき、
「切断した脚、平田さんが食べたいって言ってたんだよね」
という、衝撃的な話を聞きました……!
切断した友人の脚を食べる……!?
その発想はなかった……。
でも確かに、ただ切除して焼却してしまうよりはいいアイデアかもしれません。
私も、もしじぶんの身体の一部が使えなくなったり、死んでしまったりした場合は、ただ焼却するよりはなるべく有効活用して欲しいなと思います。臓器移植とか、植物の肥料にしたりとか……(現在あるいは将来的な法律問題、そしてじっさいの損傷状態として、そういうことができるのかは不明ですが)。あ、でもヒグマの餌はイヤだな。人肉の味を覚えさせたくないから。
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しかし今回、結論から言うと、脚を食べることはできなかったとのこと。
切断した脚を食べることは、器物損壊になるそうです。
「器物損壊!? 脚の持ち主の許可があってもダメなの?」
「切断した脚に手を加えることが問題なら、髪や爪を切ったりするのはどうなるの?」
と思ったのですが、
「髪や爪は、死んだ細胞をぶら下げていることになるので、それを切るのは違法ではない」とのこと。
でも、ひとの髪を勝手に切ったら傷害罪になると聞いたこともあるし……。
ひとの身体の権利って不思議。
じぶんの身体であっても、意外と自由には取り扱えない部分は多いのかもしれません。
……というか、思い返してみればけっこういろいろありますね。身体についての自由と制限。
売春や安楽死、嘱託殺人や自殺ほう助、臓器売買など法的な重い話から、タトゥーによる入場制限、学校や職場での染髪・ピアス・ネイルの制限など卑近なローカルルールの話まで、「身体とルール」にまつわるエピソードはあれこれ思いつきます。
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ちなみにこの友人のケースでは、脚は焼却することになったとのこと。
このとき、私と一緒に話を聞いていたひとたちが、口々に「遺骨はどうなったの?」と訊いていたのがちょっと印象的でした。
「死んでないんだから、遺骨じゃないよ」と苦笑まじりに友人は訂正していました。「焼骨」が正しそうですね。
(この夏、世間では元死刑囚の遺骨の扱いについて問題になっていたこともあり、「遺骨」のほうが馴染みのある表現なので、口をついて出てきたんでしょう)
焼骨がどうなったのかというと。持ち帰るのにも3万円かかるということで、「それならいいです」と、友人は持ち帰りを断ったそうです。
身体の持ち帰りにお金がかかる……!?
これも衝撃的でした。
お金を取ることは、きっとそれなりの合理性があってのことなんでしょうけど、もとは自身の身体だったものについて「返してほしいならお金を」って、まるで人質(?)みたいで妙な感じがしました……。
身体の扱いについてのルールって、思っている以上に奥が深そうです。
病院や地域自治体によっても違いはありそうですし、時代や国、宗教規範等の違いによっても大きく異なりそうですよね。他の文化圏の事例についても気になりました。
※ここでは聞きかじった話を書いているだけですので、じっさいに法律がどうなっているのかの正確性は担保できません。あしからず。脚だけに
正確な情報が必要な方は、専門的なところで調べてみてくださいね。私も気になる。
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