これからも君と話をしよう

一度はここから離れたけれど、やっぱりいろんな話がしたい。

女子会、あるいは髪型の話

 先月末は、複数の女性たちと集まる機会がいくつかあった。

 27日(金)は、友人たちとクラシックのコンサートを聴きに行く集まりがあり、その3日後の30日(月)は、恵比寿にあるフレンチのお店で「東京タラレバじゃない女子会」という名の食事会が行われた。

 

 どちらもメンバーは別々だ。

 クラシックコンサートに行く集まりは、年下の友人が主催の、計6人での集まりだった。彼女の昔の同級生も多く、88~91年頃生まれのメンバーが集まった(たぶん、うち4人は91年度生まれかな)。

 他方、「東京タラレバじゃない女子会」は、計9人。86~89年頃生まれのメンバーが集まった(主催の女性が88年生まれのため、彼女と同学年のひとが多かったように思う)。

 こちらは、フリーランスで活動している大阪在住の女性が東京来訪に合わせて企画したイベントで、彼女の大学の同級生や、新卒で入った会社員時代の同期、その友人などが集まった。

 

 どちらも、同じような「20代後半女性」が中心の集まりだったものの、同じ日本で生きているとは思えないほど両者の集団は「違った」。

 

 たとえば、仕事。

 クラシックの集まりでは、「医療・福祉関係」「フルタイムで会社員をしながら漫画家のアシスタント」「児童養護施設の職員(ドキュメンタリーを観て憧れたそうだ)」「風俗嬢」などの仕事をしているひとがいた。

 他方、女子会では、「外資系保険会社」「料理で有名な某Webサービス関係」「元リクルート」「製薬会社」「ピアニスト兼キャリアアドバイザー」のような経歴を持つメンバーが集まった。

 

 また、結婚事情についても大きく違った。

 クラシックの集まりでは、6人中既婚者は少なくとも2人。だけど2人とも籍は入れていない事実婚で、結婚指輪などもしていない。挙式なども行っていないと思われる。(うちひとりは「更新制」「友情婚」「浮気OK」など、一風変わった「結婚」をしている。)また、ふたりとも、配偶者のことを「同居人」と表現していたことが印象に残った。

 女子会のほうでは、9人中既婚者は3人。3人とも結婚指輪をして、配偶者のことは「旦那」と呼んでいた。

 

 クラシックの集まりと、女子会。このふたつのイベントに集った女性陣は、互いにまったく違うタイプの人たちが集まっていた。

 周囲に「マイノリティ」が多い私は、普段はどちらかというと前者タイプのひととの関わりが多い。後者の女子会に来ていたような、ファッション雑誌から飛び出てきたような「キラキラ女子」には、眩しくてやや気後れしてしまうのだ。

 

 そんな女子会の最中、私はみんなの「髪」に注目していた。

 ショートボブの子もいれば、明るいセミロングヘアを内巻きにカールしている子もいる。暗めの髪色のロングヘアの子もいる。

 

 生き方を考えることは、髪型を考えることに似ている──。

 そんなことをふと思った。

 

 服装やメイクなら、毎日、その日の気分で変えることができる。

 交友関係だって、「仕事関係の人と飲みに行く」という日もあれば、「学生時代の友人とお茶」という日もあるだろう。

 趣味や習い事、勉強も、「きょうはIT勉強会」「明日は料理教室」「来週はスポーツジム」といった具合に日々違うものを渡り歩くこともできる。

 

 でも、髪型はそうはいかない。

 同じ長さ・髪色のままヘアアレンジを工夫することはできても、髪の長さは一日単位では変わらないし、髪色だって毎日変えることは現実的ではない。

 

 仕事やパートナーだってそうだ。数日~数ヶ月単位で変える、というひとは大人にはあまりいないだろう。(「更新制の結婚」をしているケースも何組か知っているが、それでも1年更新のようだし)

 

 私はもう5年くらい髪色も髪型もほとんど変えていない。

 暗めの髪色でストレートのロングヘアだ。ヘアアレンジも、ハーフアップかポニーテールのどちらかにすることが多い。(髪の量が多いから、結んでいるほうが落ち着く)

 あんまり明るい髪色も、短い髪も似合う気がしない。そう思ったままもう何年も過ごしてきた。

 

 私、このままでいいのかなぁ……。

 

 女子会の参加者は皆、それぞれのヘアスタイルがとても似合っている気がする。髪型だけではない。なんというか、洗練されたメイクやファッション、アクセサリーから、それぞれの生き方を感じた気がした。

 一方、私は自分のセンスに自信が持てないでいた。似合うものを選んできた、というよりは、消去法で、似合わないものを除外していた。

 

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 恵比寿にはあまり来たことがなかった。

 キラキラ女子たちとワインを片手におしゃべりするようなことも、私にはめったにないことだった。

 そんな、「めったにない」ことだらけの夜は、眩しかったものの、それはそれで新鮮だった。

 

 これを機に、私も似合うヘアスタイルを考え直してみるのもいいのかもしれない。

 私は連載漫画のキャラクターじゃないんだし(笑)、ずっとおなじ髪型に縛られる必要はないよね。

 そんなことを考えながら帰路についた、月末の夜の話。