これからも君と話をしよう

一度はここから離れたけれど、やっぱりいろんな話がしたい。

自己紹介、という名の買いたいものリスト

 はてなブログ今週のお題は「自己紹介」とのこと。

 思い返せば、このテのお題に沿った記事ってこれまで書いたことがない気がします。

 私は特に新生活を迎えたわけではないし、改めて自己紹介すべき相手はそう多くもありません。お花見も今年は2つしか行きませんでした。どちらももともとの知人が多い会なので、新たな友人もそんなに増えたわけでもありません。

 ただ、それでもこの春、一定数は新たな出会いもありました。

 また今後、活動の幅が広がる機会もありそうな予感もしています。なので、これを機に自己紹介的な記事を書いてみることにします。いえ、「買い物リスト」を書くことにします。

 先日、「欲しいもの、買いたいもの」をまとめているとき、ふと「これって結構私の個性が出てるんじゃないか。自己紹介になるんじゃないか」と気づいたので、「自己紹介兼買いたいものリスト」を書いてみます。

 

買いたいものその1:「リアリティ・ショウ」DVD

  最近はあまり観に行けていないのですが、趣味のひとつに観劇があります。京都の大学にいた頃、学生劇団を中心にあちこち観に行っていました。

 私は劇団そのものよりも、脚本家を重視するタイプ。その劇団のオリジナル脚本よりは、人気脚本家の作品を観たいなと思うタイプです。

 特に、鴻上尚史作品、本谷有希子作品が大好き。あの世界観を生み出せるなんて憧れしかないです。(鴻上さんの作品は、学生運動ジェンダー精神疾患、カルト宗教、SNS、日本の「空気と世間」などなど、とにかく私好みの要素がてんこ盛りなのも良い。脚本だけでなくエッセイも好きです)

 これまで観た鴻上作品の中でいちばん好きなのは、「リアリティ・ショウ」。京都のどこかの劇団が2010年頃に上演していたものを観た覚えがあります。終わりまでずっとハラハラさせられた作品でした。

 最近この劇を「また観たい」欲求が高まっているので、DVD購入に踏み切ってもいいかもなと思っています。

虚構の劇団『リアリティ・ショウ』 [DVD]

虚構の劇団『リアリティ・ショウ』 [DVD]

 

買いたいものその2:単焦点レンズ

 昨秋、Canonのミラーレス一眼を購入しました。それからはいろんなお出かけに連れていってます。最初は自動設定でばかり撮っていましたが、シャッタースピードや絞り、ISO感度などの調整に少しずつ慣れてきた今、もっと写真が面白くなってきています。インスタの「いいね」の数も少しずつ増えて嬉しい限り。

 写真の構図については、この本で勉強中。 

写真構図のルールブック

写真構図のルールブック

 パートナーからも言われましたが、構図を理解できるようになると、美術館で絵を観たり、広告を眺める際にも「面白い」と思えるポイントが増えますね。

 そんな私が今気になっているのは、単焦点レンズ。ズーム機能がない代わりに、明るく、背景のボカシを作りやすいレンズです。ズームに頼らず、自分の足で構図を作っていくことも、構図の勉強になりそうです。

 具体的にどのレンズを買うかはまだ迷い中……! 土曜日に友達たちと横浜に写真を撮りに行くつもりなので、それまでに買おうかしら。みんなと会う前に横浜のビックカメラで買ってもいいかもなぁ……。

Canon 単焦点レンズ EF50mm F1.8 STM フルサイズ対応 EF5018STM

Canon 単焦点レンズ EF50mm F1.8 STM フルサイズ対応 EF5018STM

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買いたいものその3:トレス台

 子どもの頃の将来の夢はマンガ家でした。でも、絵を描くことは好きだけど疲れてしまうので、漫画は諦めて文章のほうを頑張ろうと目標変更したのが中学時代。しかし文章のほうが競合は多いということに気づいた大学時代。そして、下手だろうが何だろうが、手描きイラストや四コマ漫画は意外と目を留めてもらえることに気づいたのが社会人になり同人誌を作るようになってから。

 ペンタブも持っているのですが、もう少しアナログ絵で頑張りたい気持ちもあるので、トレス台の購入を検討しています。(というか先日、同人誌に載せる漫画を描いた際に「あぁ、トレス台があれば描きやすかったかもなぁ……」と思ったので)

 

 

買いたいものその4:パソコン台

 職場でも自宅でも、デスクワークの際の望ましい姿勢について最近よく考えています。特に、自室に備え付けの椅子は高さ調節ができないものなので(しかし引っ越す可能性もあるため家具は増やしたくない)、クッションを変えてみたり、パソコン台を置いて高さ調整を試みようと検討中。

 パソコン台は、以前から「あったらいいかもな」と思ってはいたものの、優先度は低く購入を見送っていました。しかし最近、自室のパソコンでものを書く時間が長くなってきて、必要性を感じるようになってきたので購入検討中。ちなみにワイヤレスキーボードはすでにあるので、それを使うつもり。

リヒトラブ 机上台 TEFFA A7330-0 白

リヒトラブ 机上台 TEFFA A7330-0 白

 

買いたいものその5:バイオリンの弦

 バイオリンの4本の弦の中でいちばん細い、E線が切れちゃったので……。

 大学以降に知り合ったひとだと、私に音楽のイメージがある方はあまりいないようですが、私は幼少期から中学までバイオリンを習っていました。じつは音楽系の学校への進学も考えていたくらい(ピアノが弾けないので諦めましたが)。

 最近はあまり音楽活動はしていませんが、演奏したり歌うことは割と好きです。あと、弦の購入とは関係ありませんが、パソコンで音楽を作るDTMにも憧れています。今年こそ絶対なにか作るぞ。

Dominant ドミナント 4/4バイオリン弦セット

Dominant ドミナント 4/4バイオリン弦セット

 

 

(※日用品を除くと、あとは、衣類や本で購入検討中のものがいくつかありますが割愛)

 こうして書き並べてみると、表現に関するものが多いですね。「リアリティ・ショウ」のDVDが欲しいのも、「脚本を書きたいので、面白かった舞台を観なおして参考にしたい」というモチベーションもありますし。

 

 いろんな種類のコンテンツを観たり聴いたり体験したりしていると、ふだんの生活の中で、自分が「表現したい、作ってみたい」と思えるものの幅も広がります。

「これは小説のネタになりそう」「このオチはマンガっぽいな」「このノリは会話劇で再現してみたい」「この瞬間は写真で切り取ろう」「ここに合うものを作ってみたいな」「ここの需要ってもっとありそう」などなど……。

 とりあえず公私ともに、できること、得意なこと、自信のあることをもっともっと増やしていきたいです。 

谷川俊太郎展はいろんな楽しみ方ができる

 思春期の頃に比べると読むほうからも書くほうからもやや遠ざかってしまいましたが、それでも詩は好きです。

 そして、合唱曲はもっと大好き。Nコン合唱部門の課題曲を作ることは中学時代からの夢です。そんな私です。

 

 3月10日土曜日、初台のオペラシティで開催されている谷川俊太郎展」に行ってきました!

谷川俊太郎展|東京オペラシティアートギャラリー 

 

2018年3月25日(日)までなので、興味ある方はお早めに!

 

 この展覧会は、日本でもっとも有名な詩人・谷川俊太郎さんの仕事をさまざまな形式で展示したもの。 

 教科書や絵本などでその名前・作品は子どものころから知っていましたが、私がより興味を持つようになったのは中学時代。合唱曲にドはまりしていた時期があり、そのときに谷川さん作詞の合唱曲もよく聴いていました。「春に」「信じる」「二十億光年の孤独」「サッカーによせて」「生きる」あたりが有名かと思います(私は「じゃあね」が好き)。

 また、家族が薦めてくれたので読んだ谷川俊太郎質問箱』という本も大好きで、2008年、2012年、2014年に繰り返し読んでいます。(続編もあるようですがそちらは未読……!)

谷川俊太郎質問箱 (Hobonichi books)

谷川俊太郎質問箱 (Hobonichi books)

 

 2014年に、愛知県春日井市で「谷川俊太郎 ことばとアート」展というものが行われていたこともあるのですが、私はこちらにも行ったことがあります。めちゃめちゃ楽しかった……! 近所の喫茶店とのタイアップ企画があったりしたのも良かった。2014年に行った展覧会の中では2番目に良かったです(1番は岡崎市での葉祥明展)。というか私の中では2014年は展覧会・アートプロジェクトの当たり年で、ヤンキー人類学(広島県福山市)、これからの写真(愛知県名古屋市)、BIWAKOビエンナーレ滋賀県近江八幡市)など、どれもすっごく面白かった……!

谷川俊太郎 ことばとアート|公益財団法人 かすがい市民文化財団

 

 さて、今回の「谷川俊太郎展」ですが。

 結論から言うと、正直、4年前の「ことばとアート展」のほうがカラフルで、言葉のうまみをたっぷり味わえて、琴線揺さぶられて面白かったです。ことばや詩、表現など全力で楽しんでいる感じがあったというか。今回は、「谷川俊太郎の仕事」に目を向けた展示だったなぁという感じです。

  

 入館すると、まず、やや暗めの展示室に入ります。音声と映像のインスタレーション

 立ち止まって動かずにいるひとが多く、「え、今ってもしかしてなにかのワークショップの最中? 動いちゃだめな感じ?」と、やや焦りました。

 

 しばらく歩くと、広めの展示室に辿りつきます。ここがいちばんのメイン会場かな。

 谷川さんが作詞を担当した「鉄腕アトム」の曲が流れていたりも。順路はなく縦横無尽に動いて鑑賞できるエリアです。

 詩を書く際に使っていたワープロやパソコンなどの仕事道具、工具類、代表作、愛用のTシャツ、食事風景、家族との写真、本棚などなど、谷川さんに関するさまざまなものが展示されています。壁に、手書きのつぶやきが貼ってあったりも。

  

  

 洗いざらしのTシャツ。この日の気温も相まって、詩は天気のいい休日と相性がいいなぁ、なんてことを思ったり。

 谷川さんの言葉の選び方はやっぱりいいなぁ……。はじまりたての思春期のころを思い出すというか。教育現場でよく引用されるのもわかる気がする。そんなことを考えながら鑑賞しました。死生観についての詩には目頭が熱くなったりも。

 

 この展示室を抜けると、書き下ろしの新作の詩が一篇。

 

 そして出口のそばには、「3.3の質問」と題された映像作品。谷川さんだけでなく、さまざまな分野で活躍されている方の「3.3つ」の質問とその回答が映像として流れています。

 私にとってもっとも印象的だった質問は、「もし人を殺すとしたら、どんな手段を選びますか?」という問い、そしてそれに対する、とある回答。「この人(?)にその問いを投げかけるとは。なるほど。その質問をしてみること自体がある種の面白い試みだなぁ……」と思いました(誰の回答なのかはここでは伏せます。展示をご覧になっていただければ分かると思います)。

 

 今回の展示は、特定の作品をクローズアップしない範囲での写真撮影はOKでした。

 今回、思っていたよりボリューム少なめの展示だったので、入館してひと通り写真を撮りながら観たあと、図録を買って再び入り直す(当日のみ再入場可なので)……という鑑賞スタイルを取りました。

 一度目に入ったときは、音声と映像の部屋からは早めに立ち去ってしまっていたのですが、二度目のときは、じっくり鑑賞してみることに。

 詩の朗読と文字が流れる映像だけでなく、背後に流れる音楽がなかなか心地よいことに気づきました。

 そしてこのときは、歩きまわっているひとは少なかったです。さっき入ったときは私はあまりじっくり鑑賞しないまま歩いていたので、同じように歩くひともちらほら見受けられましたが、今回はあまりいない。立ち止まっているひとが多いとほかのひとも立ち止まるということが、少し面白かったです。

 

 続いて、展示のコーナー。二回目に入ったときはあまり写真は撮りませんでした。さっき入ったときは、私があちこちにカメラをかざしながら歩いていたのもあってか、スマホを掲げているひとやシャッター音も目立っていたのですが、このときはそうでもなかった。

 歩くこと。写真を撮ること。スマホを出すこと。周囲の振る舞いや鑑賞行動が良くも悪くも他者に影響を与えることについて、すこし思いを馳せてみたりしました。

 

 展示されているTシャツを触ってしまい、警備員から注意されているひとがいたことも印象に残りました。

 絵画は触ることを前提とした作りにはなっていないし、触って楽しむ習慣もないため、そういったトラブルは起こりにくいと思うのですが、「服が飾られている」シチュエーションはアパレルショップなどで日常的に見掛けるために、それらと混同して「触ってしまう」ことが起こりやすいのかもしれません。

 

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 谷川俊太郎展のチケットの半券で、同時開催のほかのふたつの展示も観ることができました。

www.operacity.jp

www.operacity.jp

 宮本穂曇展は、こういった場で鑑賞するものとしてはあまり私好みではなかったです(もっと現代アートっぽい場とか、ネットなどで見る分には絵が映えて面白い)。

「なつかしき」は、日本の風景画と、白黒の住宅写真が中心。こちらは面白かったです。まるで旅をしているような気分になって、ふたつの意味で「旅の面白さ」を感じた気がします。

 ひとつは、「いろんな風景を観ることの楽しさを再確認できた」ということ。

 もうひとつは、「行ったことのある場所の思い出と、そこの風景画を重ねられるのって面白いな」ということ。

 もちろん、図録や写真集、ポストカードやウェブサイトでも風景を楽しむことはできますが、歩きながら楽しんだり、目線の位置を意識したり、そういうことは美術展ならではの風景の楽しみ方だなぁと。

 日本の民俗学とか歴史や文化に詳しかったら、白黒の住宅写真のほうももっと楽しめたかも。そんな展示でした。

 

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 今回の「谷川俊太郎展」は、4年前の「ことばとアート展」ほど好みではなかったことのひとつに、映像作品が多かったことがあります。

 展示を眺めたり、本を読むのはじぶんのペースで楽しめますが、映像ってじぶんのペースで楽しみにくいので、展覧会の文脈の中で鑑賞するにはどうにも苦手で……。そこがやや惜しかった。 

 ただ、人間性に触れる展示物が多く、谷川俊太郎さんにいつかお会いしたい気持ちはますます強くなりました。

 展覧会での、作家の在廊日やイベントがある日の情報って見落としてしまうことも多いのですが、今後は次のイベントを見逃さないように、Googleアラートに「谷川俊太郎」をしっかり登録しましたよ……! 

  谷川さんは、2018年現在86歳。現在も新作を読めることの喜びをひしひしと感じます……!

 

 今回の展示の図録というか関連書籍の『こんにちは』は、一般の書籍として発売されているため、書店や通販でも買えるようですが、オペラシティのギャラリーショップで買うことをおすすめします。表紙の色も3種類から選べますし、レシートに、谷川さんの遊び心あるメッセージが記載されているので……!

こんにちは

こんにちは

 

2018年の目標、あるいは20代のうちにやりたいこと

 2018年3月2日、29歳になりました!

 お祝いの言葉を下さった方も、心の中でお祝いして下さった方も、ありがとうございます。

 直接的、間接的に支えて下さった皆さまのおかげで、無事に29年生きることができました。

 

 今年は2年ぶりに誕生日会も行いました。17名もの方が遊びにきてくださって感謝……!

 差し入れ、プレゼントもありがとうございました。久しぶりに会いたかった方々とも会えて嬉しかったです……!

 

 

パーティーの様子と、いただいたものたち。ありがとうございました!

 

 そういえば「2018年の目標」的なものを今年は書いていなかったので、今年(2018年・29歳)の目標というかやりたいことというか、そういうものを整理してみたいなと思います。

 ……と、その前に。

 ほかのひとの誕生日・新年・新年度等のエントリを眺めていて思うのですが、「目標」「やりたいこと」の分類っていろんな方法がありますね。

「仕事に関すること」「プライベートに関すること」「趣味に関すること」と分けるひと。

「運動」「読書」「創作」「学習」「料理」「旅行」「交友関係」とジャンルを分けて、それぞれに細かいやりたいことを書いていくひと。

 あまり細かい分類はせずに、100個ずらっと書き並べるひと。

 特定の目標というか心構えのようなものを、ひとつだけ掲げるひと。

 

 先月、昨年と同じようにやりたいことリスト100を作ってみたものの、そこまで代わり映えがなくあまり面白みがなかったので書き方を変えることにします。なお、このブログは全体公開のため、表立っては言えないこともあるので、一部抽象的な言い回しになることをお許しください。

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実現したいこと

◎本を出したい!

 子どものころからずーっと憧れていたことのひとつである、本を出すこと。これまで同人誌は寄稿したり作ったりしていましたが、そろそろ商業出版デビューしたい……!

 これまで書いていたコンテンツにしても、ボリュームも反響もまだまだなので、もっと多くのものを作りたい、ヒットを出せるようになりたい、あるいはなにかの専門性を磨きたい、そんな感じです。現在は、本を出したいと動いている友人の著作になんらかのカタチで携われないかなー、という段階。20代のうちに本を出すのは厳しいかもしれませんが、なんらかのカタチで糸口を掴めたらなと思っています。

 あ、今年も同人誌は出す(寄稿させていただく)つもりです……!

◎今後のキャリアについて考え直したい

 20代もこの一年で終わるので、30代以降のキャリアを見据えて身の振る舞いを考え直したいですね。今現在のライフステージだと、ワークライフバランスをとりたい、というよりは、収入やスキルを磨きたい、という気持ちが強いです。ただ、私の一存ではどうにもならない部分もあるので、そこはうまく流れに身を任せられたらな、と思ったりしています。

◎引っ越しをしたい!

 今の環境は居心地は正直とても良いのですが、このままずっとその環境に身を置きたいわけでも、置けるわけでもないので区切りをつけられたらな、と。

 人生はひとりだけの都合では回っていないので、いくつかの要因が調節できたら、通算14回目(!)の引っ越しができたらなと。

 ただ、そんなに早く引っ越したいとは思っていません。なんなら引っ越しそのものは年内じゃなくてもいい、と思ってます。

 

 うーん、どうにも奥歯に物が挟まったような言い回しばかりで申し訳ない……。

 ここからは具体的な項目を挙げます。

 

上記に関連して挑戦したいこと

名刺を作り直す、音楽作成ソフトを使って曲を作る、LINEスタンプを作る、LINE@を使う、小説を久しぶりに発表する、絵の練習をする、プログラミングの勉強をする、フォトショやイラレの勉強をする、noteやブログを適度に更新する、短歌会に行く、詩を投稿する、久しぶりにラジオor動画配信をする、ZINE・フリーペーパーを作る、プラバンでアクセサリーを作る、展示をする

 

余力があったらやりたいこと

資格取得、子ども食堂に行く、裁判傍聴をする、献血する、未訪問のシェアスペース・オルタナティブスペース等に行く、未踏の県に行く、離島に行く、海外に行く、動物と触れ合える場所に行く、未経験のアウトドアに挑戦、久しぶりのスポーツをする、新しいガジェットで遊ぶ、誰かと楽器の演奏をする、久しぶりな友達と会う、同人誌を出す、油絵を描く、料理のレパートリーを増やす、魚を捌く、燻製を作る、ヘアアレンジのバリエーションを増やす、整体に通う、仮想通貨や株を購入、ハンドメイド品を贈る、学術書を読む、英語の本を読む、英語以外の外国語を勉強、地味ハロウィンに行く(10月末)、アドベントカレンダーをする(12月)、365日貯金シートを作る(2019年用)、年賀状を出す(2019年用)

 

 んー、昨年とそんなに変わらない気がします。

 というか、あれこれ書いてみて気づきましたが、歳を重ねることで多少の趣味の拡張はあっても、住んでいる場所や仕事やライフステージが変わらないと、やりたいことや目標って大幅な変化はなかなかありませんね。

 今年の頭に作成した「やりたいことリスト」からはだいぶ削りました。「これはだいたい達成できたからもう必要ないな」「これは結局できなかったけど、翌年に持ち越すほどのことじゃないな」「これはできたけど翌年以降も継続していきたいから入れておこう」みたいなことを考えながら整理しました。

 去年、やりたいことをあれこれリストアップしたことによって、「これ私も興味あった」「これ、一緒にやらない?」と声を掛けていただけるのは嬉しかったです。ただ、声を掛けてもらっても、そこから具体的な話に展開していくところには若干距離があったものも多く、なかなか難しいなーと思ったりも。

 あと、「フォロワ―n人」「n人と会う」のようなものも目標として設定するのはやめました。KPIとして無意味というか、目的と手段が逆になってしまう感じもしたので。

 やりたいことを「絞っていく」作業をしていると、時間やお金や体力の限界に目を向けているような気がしてきて、多少の物寂しさを覚えたりもしますが、なにも未来永劫それをしないというわけでもないし。「○○は続けるけど、××は今年はお休みする」というようなゆるい心構えで、今年もいろんなことができたらなと思います。

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考えるヒント.2【2018年1月後半】

 考えるヒントという名のミニ日記。今回は1月後半分です。

1月16日(火)

昔の私は、「誰かに相談される、頼られる人間になりたい」って思ってた。

今の私は、そもそも悩む必要がなくなるような、仕組み、世界、コンテンツ作りに興味がある。

 1月17日(水)

買ったものはなるべくすぐにパッケージをあけよう。積んだまま使わなくなってしまう可能性を減らすために。

1月18日(木)

原因不明のネガティブが

原因不明のまま消えていく

嬉しいような

不安なような

1月19日(金)

時事ネタは意外と、Twitterよりはブログ向きだと思う。

Twitterは蓄積されにくく流れていく、というけど、「議論にはTwitterは不向き」という声は昔から根強い。

議論になりやすいものは、Twitterではないところでのほうがいい。

1月20日(土)

 店舗の作りによって消費行動が変わることってあるよね。居酒屋でカウンターの席に案内されるか個室の座敷席に案内されるかで、その後のふたりの行動も変わってくる。

1月21日(日)

港区スポーツセンターのジムエリアでは、ランニングマシンの予約をする際には、ホワイトボードに貼ってあるマグネットを「剥がす」ことになっている。

「貼ってある」のがデフォルトで、予約の際には「剥がす」というシステムに、やや珍しさを感じる。

1月22日(月)

よく人生はマラソンに喩えられるけど、どこで全力疾走すべきか、どこでペースを落とすべきか迷う。

力の入れどころ、抜きどころを間違えると、余計なロスやリスクを負いそうだ。

1月23日(火)

マンションの宅配ボックスに届いている荷物が、いつもの5分の1くらいだった。

こんなところにも雪の影響が見て取れる。

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1月24日(水)

過去のブログを読み返してみると、5年前に行った講演会の感想がとてもよくまとまっている。

逆に言うと、こうしてまとめていない感想は、するする抜け落ちていったんだろうな……と思うと、とてももったいないことをしていた気がする。

1月25日(木)

 人生がドラマだとしたら、このドラマの脚本家はどんな人なんだろう。

貫禄あるベテラン作家?

新進気鋭の若手?

どんな人だったとしても、インタビューか何かで、

「うづきも、他のキャラクターも、まるで本当に生きているような気がしてくるんです」って言ってそう。

1月26日(金)

自分の身体のにおいを感じると、不快になるときもあれば落ち着くときもある。

自分のニオイに安心できる感覚が、ヒトに残っていることに、動物の本能の残滓を感じる。

1月27日(土)

次の世代を産む痛み。前の世代を失う痛み。

それらを乗り越えるためのものは、きっと、人類には備わっているんだと思う。

普段はその能力を発動していないだけで。

1月28日(日)

「視野を広くする」ことと、

「広い視野で見る」ことは、

違うことだよ。

1月29日(月)

インチェック騒動、いろんな人がいろんなものに例えたり、よくわからないままいろんなことを言っていたり、あるいは黙ったままだったりする。

余計なこと言わずに黙っていればよかったのに……と思う人もいる。

はからずも、いろんなことを浮き彫りにしてしまっている。 

1月30日(火)

「細部までとにかくこだわり抜いた作品」というのをひとつ作ってみてもいいのかもしれない。

1月31日(水)

「友達からは好かれているけど職場では嫌われている人」っていうとアレだけど、

「職場では嫌われているけどプライベートでの友達には好かれてる人」って言うと、

よかったじゃないか、と思えるね。

考えるヒント.1【2018年1月前半】

 今年に入ってから、2種類の日記をつけている。ひとつは「ほぼ日手帳」を使った日記。日常生活の出来事を記録し、たまに、翌日以降の自分への申し送りノートとして使っている。

 もうひとつには、東急ハンズで買った、イラストレーターのたけいみきさんのデザインの日記帳を使っている。こちらには、一日ひとつ、思考のヒントにできそうなことやちょっとしたアイデア、暮らしを豊かにするためのTIPSのようなものを書いたりしている。

 

  1月も終わりが近づいてきたところなので、これまでどのようなものを書いているのか紹介してみようと思う。まず、今回は半月分。

1月1日(月)

モヤッとしたことはGoogle Keepに書く。そして、落ち着いたらアーカイブする。 

1月2日(火)

“馬鹿な人”っている。

学がない人、幼い人、ドジな人、空気が読めない人、のことではない。

「馬鹿な人」に友達やフォロワ―が多いと、かれを無邪気に賞賛する「お仲間」も集まりやすいけど、的確な指摘や批判をする人も集まる。

そこで、批判や指摘を素直に受け止めたりせず、突っかかるタイプの人のもとには的確な指摘は集まらなくなる。馬鹿な人はどんどんつけ上がっていく。

一方、批判をスルーする人のほうが、振る舞いは改善されていく可能性は高い。いちいちリアクションしない代わりに行動で示している。

1月3日(水)

 本屋は最高の情報集積場。最高のインスピレーションを得られる場所。

ネットじゃ出会えない情報に会いに行こう。気になったものは連れて帰ろう。

1月4日(木)

「本を買ったらカフェに行く」と言っている友人がいた。書店から帰宅するまでのあいだに「読みたい」熱が下がってしまう前に、カフェで腰を落ちつけて読書するというのは良いかもしれない。

1月5日(金)

もしかしたら今日、大地震が発生していたかもしれなくて、でも実際には発生していなくて。

なんだか、この前観た「君の名は。」を彷彿とさせる。

1月6日(土)

六本木ヒルズにて。柱とエスカレーターのあいだの狭い場所を通り抜ける。大人がそういうことをしている姿を見ると、なんだか和む。

1月7日(日)

マイナスのものをゼロに近づけること。プラスのものをさらに伸ばしたり増やしていくこと。どちらとも大切。両輪で行おう。

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1月8日(月)

一度の人生では基本的に、一人の人生しか味わえないけれど、

物語を読んだり、書いたり、演じたりすることによって、

たくさんのキャラクターを追体験できる。

1月9日(火)

「私は何もできてないのに、どうして一緒にいてくれるんだろう」って、たびたび思う。

でも、案外そんなものなのかもしれない。言葉にはできないところに、ふたりがいる理由がある。

 1月10日(水)

最近あまり小説を読まなくなった。他者の内面に触れるのなら、作り話よりホンモノのほうに惹かれてしまって、こじらせ女子たちの書く赤裸々なコラムやnoteを読むことで、だいたい補充できてしまっている。

フィクションのほうがある種の無駄がなく読みやすかったり、「これは実話ではない」という逃げ道があることで安心できる部分もあるのだけれど。

1月11日(木)

東急ハンズDIY用品売り場は、男性向けのものが多い。(というか、男性をメイン購買層として想定しているだろうなと思えるものが多い)

そんな中、ピンクでギャルっぽいデザインの商品があるのが目が留まった。ラインストーンのデコレーション用の接着剤だった。

1月12日(金)

「寝よう」と思う気持ちと「眠い」という欲望は違うことを理解しよう

1月13日(土)

昔は「遺書」のつもりで書いていた日記。今は、未来の自分に向けてのアイデア帳として書いている。

1月14日(日)

時間をお金で買えるとしたら、1時間いくらで買いたい?

1月15日(月)

東急ハンズで売っていた「逆算手帳」や、宮本佳実さんの本の内容を思い出す。

夢や目標とするところから逆算して考えること、今の私に必要かもしれない。

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 こんな感じのことを毎日書いている。(実際の日記とはやや異なるが)

 続けられるかどうか当初はやや不安だったが、こういうちょっとした書き留めたいことは意外と毎日出てくるものだ。

 そしてこうして、読み返したりまとめ直してみるのも面白い。これを続けることで、自分向けにカスタマイズされた、オリジナルの自己啓発本というか、名言集というか、そういうものができていくような気がしている。

 

 今年の目標、というほど大げさなものではないが、最近は「積み重ねていくこと」を生活の中で意識するようにしている。1年間だけでも、毎日ではなくても、継続していくことができたらなと思う。 

クローズピン たけいみき 日記帳 ダイアリー ピンク DI11678

クローズピン たけいみき 日記帳 ダイアリー ピンク DI11678

 

この本がすごい!2017年下半期

 年が明けたばかりの真新しい空気、大好き。SNSの投稿にも気合の入ったものが多くて、読み応えがあります。(そういうのを見てばかりだと、それはそれでちょっぴり疲れちゃうから、ほどほどにはしていましたが)

 そろそろ新年ムードも落ち着いてきて、日常が始まりましたね。

 遅ればせながら、あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。

 

 さて、毎年恒例の「昨年読んで良かった本ランキング」、今年も発表したいと思います。

 7月に「上半期編」を発表したので、今回は、下半期に読んで良かった本を紹介したいと思います。

 この「読んで良かった本ランキング」、だいたい10冊か5冊を紹介することが多いのですが、今回どうしても絞れなかったので、12冊紹介したいと思います。

12位 文学に見る異文化コミュニケーション

文学に見る異文化コミュニケーション―川端康成『伊豆の踊子』の場合

文学に見る異文化コミュニケーション―川端康成『伊豆の踊子』の場合

 

 9月、国会図書館に行ったときに読みました。絶版の上、中古でも売られていない本のため、読めるのはここしかなかったので。

 この本はどういうものかというと、『伊豆の踊子』を、原文と中国語で読み比べた際の違いについて分析したもの。文学も異文化比較も好きなので興味深く読めましたが、中国語を勉強していたらもっと楽しめたかも。

 ちなみにこれは、大学生の卒業論文が本になったもの。インターネットのない時代の大学生の卒論は新鮮でした。

 

 この本の著者は、29年前に起こった「比叡山女子大生殺人事件」の被害者。さまざまな事件について調べているときにこの事件を知り、その流れで、被害者の卒論が書籍化されたということを知りました。

 だから実は本編よりも、アグネス・チャンによる前書きや、著者の父親によるあとがき、そして奥付の著者遍歴を興味深く読んでしまいました。

 メディアに残っている情報を読む限り、被害者の女性は、知的でアクティブでパワフル。同年代で同時代に生きていたら、友達になりたかったです。

 

 国会図書館からの帰り道、「何の本を読んだの?」と同行者に訊かれました。「殺人事件被害者の本」と答えるのは憚られたので、「あ、えっと……大学生の卒論が本になったもの」と答えたことも、読書体験とともに印象に残っています。

 

11位 墜落現場

  この『墜落現場』よりも、同じ著者の『墜落遺体』のほうが先に書かれた本のようでしたが、私は『墜落現場』のほうを先に読んでしまいました。

 1985年に起こった、日航機墜落事故についての本。あえて、帰省する飛行機の中で読みました。

 事故そのものの記録のほか、1980年代の村の雰囲気や、葬儀社、病院、マスコミの事情なども垣間見ることができ、民俗学的にも興味深かったです。生存者4人のうち、日航職員のスチュワーデスはほかの生存者から敵視されてしまったというエピソードには、胸が締め付けられました。太った外国人の遺体のケアをした看護婦がその後何年もトラウマになった……というエピソードなども、極限状態の人間の姿が垣間見えて切なかったです。

 

10位 多動力

多動力 (NewsPicks Book)

多動力 (NewsPicks Book)

 

 自分を奮い立たせたいとき、一歩を踏み出す気力がないとき。そんなときに、動き出したり、堂々と振る舞えるようになる勇気をもらえた一冊。

「パラレルワーク」という単語こそ出なかったものの、それに関する内容でもありました。この本の前半部までは夏の終わりに一気読みしましたが、残り半分は、行動に勢いをつけたいときに少しずつ読んで摂取していく、という読書スタイルを取りました。

 結構過激な箇所もありますが、そこをどう自分なりに中和して、現実解として取り入れていくかがキモなんだと思います。「これまでの自分でやっぱりいいんだ」という自信と、「まだ結果が出てないことについては頑張らねば」という激励を感じた一冊。

 

9位 羆嵐

羆嵐(新潮文庫)

羆嵐(新潮文庫)

 

 本のタイトルは「ひぐまあらし」ではなく「くまあらし」と読むようです。

 今からおよそ100年前の北海道で起こった、「三毛別(さんけべつ)羆事件」を元にした小説。

 Wikipediaの「三毛別羆事件」の項目も読み応えがありますが、こちらの本も読み応えがありました。風景の描写やそれぞれの人物の振る舞いから、時間の流れ、心情の変化も伝わってきて、ノンフィクションとしても小説としても良作。終盤は、「早く銀四郎さん来て。ヒグマをやっつけて!」と、私も村民になったかのようにハラハラ。

 現代の東京でデスクワークをしている私からは、大正時代の六線沢で、羆撃ちの仕事をしている銀四郎のプロ意識はかなり遠いものに感じましたが、それに触れることができたのも、読書ならではの体験だと思います。また、撃ったあとの羆の肉の分配についてなど、地域の風習について垣間見ることができたのも、文化人類学民俗学的な観点から興味深かったです。

 

8位 人はなぜ物語を求めるのか

 やっぱりちくまプリマー新書は良いなぁ、と思わせられた一冊。良質な「物語論」。同じく、ちくまプリマ―新書の『未来形の読書術』を読んだときと同じくらいの密度の濃さを感じました。

 事件について調べることに興味がある私に取っては、「黒子のバスケ事件」が引用されていたところも興味深く読めました。また、「自分の人生をメタ的に俯瞰して物語風に楽しむ」ということは普段からよく行っていたので、すごく面白く読めました。

 たくさんの本が引用されていて、ブックガイドとしても楽しめた一冊。(惜しむらくは、紹介された本は全てまとめて一覧にして掲載して欲しかった)

「物語としての滑らかさ」についての点は、昨今の炎上CMを考える上でも大事な視点な気もしました。

 

7位 さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ

さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ

さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ

 

 ネットで話題になったコミックエッセイ。どこかの大学の学術系サークルが読書会の課題図書にしていたようだったので、興味を持って読んでみました。

 タイトルは良くも悪くも強烈ですが、これ、レズの話でもなければ風俗の話でもありませんでした。レズ風俗に「行くまで」がメインの話で、鬱、摂食障害非モテ、こじらせ、親の目を気にしてしまうことなど「生きづらさ」についてのエピソードが描かれた作品でした。著者と年齢が近いので親近感を持って読めたし、こじらせる感覚も「わかるわかる……」と思い、無職期間中の焦る感情にも共感。また、「想像したエロを描くほうが、実体験のエロを描くよりも恥ずかしい」というくだりにも「それは確かに」と納得しました(笑)。

 

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6位 僕の父は母を殺した

僕の父は母を殺した

僕の父は母を殺した

 

 私の11歳の誕生日の直前に、ひとつ年上の男の子が、同じ西日本でこんな境遇に巻き込まれていたなんて。

 タイトル通りの内容のエッセイ。とても読みやすく一気読みしてしまいました。

 事故に見せかけて殺されてしまった母親について「お母さんは生きている」と嘘をつかれたというエピソードや、恋愛についてのくだりが特に印象的でした。「親が殺人犯だなんて、恋愛も就職も大変なんだろうなぁ……」と思っていたので、彼女ができることは何度かあったというのは少々意外でした。

 でも、彼女たちは「ウチの彼氏の親父、人殺しじゃけぇマジやばいよ」「寛人もキレたら半端ないから」と自慢していたこと、彼女たちは「悪いことやってる男」が好きなだけで大山さんのことが好きなわけではなかった……というエピソードは切なかったです。

 

 どの事件だったかは忘れてしまいましたが、別の犯罪加害者の子どもが、「グレそうになったけど、蛙の子は蛙と言われないよう必死で堪えた」と言っていたのを以前ネットで読んだことがあったのも思い出しました。

 ちなみに私は、死刑制度には賛成でも反対でもありません。でも、この事件に関しては「被害者の遺族にも死刑を望まない人がいる」ことや、「先進国では死刑の導入は少ない」ということを踏まえると、少なくともこの件は、死刑でなくていいのでは……という気はしてしまいます。

 著者の大山さんは、現在の仕事のほかに講演活動も行なっているようなので、今度講演があったらぜひ行ってみたいなと思いました。私と年齢も誕生日も近いし、私も、大山さんと同じく名古屋に住んでいた時期があるので、少し親近感を覚えます。

 以前はブログなどもされていたようですが、今はないみたいですね。うさぎや猫と暮らしている様子が載っていたみたいでした。見れなくて残念です。

 

5位 今を生きるための現代詩 

  私は、小学校中学年の頃の担任教師の影響もあって、詩はむかしから好きでした。

 趣味として詩を書いたり、それを評価していただける機会もあったりしましたが、いざ「読み方」となるとどう読めばいいものか、これまでよくわかっていませんでした。

 この本は、タイトル通り、「詩の読み方」の手引書としても良質な一冊であることはもちろん、エッセイとしても面白く読めました。

 あまり「講談社現代新書」っぽくない、文学的な描写が多いのが新鮮でもありました。読みやすい、しかしその反面読み応えもある不思議な本。とにかくたくさん付箋やブックマークをつけてしまって、限度いっぱいにつけてしまいました。

 限度いっぱいまでブックマークをつけてしまったところとか、知性と感受性どちらの豊かさも感じられる文章とか、光文社新書『目の見えない人は世界をどう見ているのか』と近いものを感じました。

  詩のブックガイドとしても良かったです。ここで紹介されているものは絶版のものも多かったので、今度国会図書館に行くときには、ここで紹介された詩集を読んでみよう、と心に決めています。

 

4位 人はなぜ不倫をするのか

人はなぜ不倫をするのか (SB新書)

人はなぜ不倫をするのか (SB新書)

 

 とても面白かったです。動物行動学や昆虫学、宗教学、脳、ジェンダーなどさまざまな方向から「不倫」について論じていて、ヒトだけでない、さまざまな種の特性や文化(?)を知ることができました。ダイバーシティの観点からも面白かったし、「生きものの不思議」的な楽しみ方もできました。

 この本の帯に「興味深かったのは学者が誰ひとり不倫を否定しなかったことだ」とありますが、私は、それがむしろ学者っぽいなと思いました。
 個人として思うところはみなさんいろいろあるでしょうけれど、学者の仕事は倫理面の批判をすることではなく、現実に存在する現象に対してどう理解するか、どういう分析を加えるかということでしょうし、眼前で起こっていくことを否定せずに受け入れるというのはむしろ当然の態度なのかな、と思いました。 

 また、個人的には、「フリーセックスコミュニティはどこも最終的には崩壊している」というエピソードが印象的でした。

 あと、同時に読んでいた、光文社新書『結婚と家族のこれから』という本とも重複するエピソードがあり、婚姻制度を再考する上でも参考になりました。

 

3位 悲しみを生きる力に

 日本でいちばん有名な未解決事件「世田谷一家殺害事件」の被害者遺族の方による著書。被害者の「宮澤泰子さん」のお姉さんが書かれました。

 事件について書いてあるメディアでは、「泰子さん」と書かれていることが多いですが、この本では「やっちゃん」と書かれており、事件被害者としてではない泰子さんの一面を垣間見ることができたことが、まずは印象的でした。

 殺人事件被害の話に留まらず、母親や夫の喪失体験についても書かれています。

「妹一家を奪われた時は、悲しみ以上に怒りや悔しさがあった。けれど、夫の死は『これが本当の悲しみだったんだ』と改めて思い知らされるほどの辛さだった」というところは、「そうだったんだ」とやや意外な気がしました。(殺人事件のほうが病死よりも強い悲しみが湧いてくるものだろう、と勝手に思ってしまっていたので……)

 大阪の附属池田小事件の遺族の方との交流エピソードも出てきましたが、私は中学時代、その遺族の方が書かれた本も読んでいたので、そのくだりも印象に残りました。

 この本は、殺人事件や身近な人の死などの重たい喪失体験の話に限らず、負の感情との向き合い方などについても丁寧に書かれています。

 私が以前、トラウマについて考える上でとても参考になった本『環状島 トラウマの地政学』の引用があったのも良かったです。東日本大震災以降に書かれた本ということもあり、震災での「曖昧な喪失」についてのエピソードなども書かれています。

 また、入江さんご本人も、旦那さんもとても知的で活動的な方だったようで、その仕事や活動のエピソードを読むのは素直に面白かったです。

 就活の面接で「一番辛い体験をどう乗り越えたか」について訊ねることについても触れられていたことも印象的でした。

 全体的に、悲しい本ではなく、希望を感じることができる本でした。

 

2位 消された一家

消された一家―北九州・連続監禁殺人事件―(新潮文庫)

消された一家―北九州・連続監禁殺人事件―(新潮文庫)

 

 読了後、ここまで気分が悪くなった本は初めてかもしれません。

 はっきり言って、万人におすすめできる本ではないです。読むひとの精神状態をかなり選びます。凄惨な写真などはありませんが、文章だけでもかなり刺激の強い本です。

 気分が悪くなって読むのをやめたときもありましたが、途中からは一気読みしてしまいました。(まったく関係ないのですが、奇しくも、世田谷一家殺害事件が発生した12月30日に読了)

 この監禁殺害事件は北九州市で起こったものなので、九州弁の描写もちらほら出てきます。

「かずくん、私死ぬと?」など、時折出てくる被害者の九州弁は、同じく九州に住んでいた人間として切なかったです。

 

 この事件は発覚当時、あまりの残虐さに報道規制がかけられていたようですが、ネットで調べて概要は知っていました。昨年、主犯二人の息子さんがテレビ出演されたことが話題になったりもしましたね。

「洗脳されて家族が殺し合った」というのはどういうことなのか、これまでよくわからなかったのですが、この本を読んで詳細が理解できました。なるほど、家族同士で殺し合ったり、子どもも殺害や解体作業に加わるというのはそういう感じだったのか……。

 特に、家族が殺し合う前に衰弱死した、第一の被害者の服部清志さん(仮名)への虐待の描写が凄惨すぎて、とにかくひたすら可哀想でした。

 読後、心が麻痺してしまい、その後しばらくはどうやって生活をすればいいのかよくわからなく感じました。「私、こんなに平和な日常送っていていいんだろうか」「普通に眠れて、トイレやお風呂に行けて、食事ができることってとても幸せなことなのかもしれないな」「私がこうしているあいだにも、どこかでひどい暴力に晒されているひとがいるんだよなぁ……」などなど、とにかくとりとめもなくいろんな気持ちが湧いてきました。

 最近、寝屋川でも長期に渡る監禁事件が発覚しましたが、監禁虐待をするのはどういう心理なんでしょうね。この本では、加害者の一人である緒方純子受刑者サイドのエピソードが多めでしたが、主犯の、松永太死刑囚サイドの事情も知りたかったです。

 

1位 困難な結婚

困難な結婚

困難な結婚

 

  殺人事件に関する本の紹介が続いてしまいましたが、最後は明るい本で締めましょう。下半期もっとも印象的だったのは、この本です。

「雑な結婚」をした人気ブロガーの、えらいてんちょう氏が絶賛していたので読んだのですが、彼のレビュー通りとても良かったです。

eraitencho.blogspot.com

 私はもともと内田樹先生の本は大好きで、大学4回生の頃は読み漁っていましたし、だいぶ思想にも影響を受けました。ただ、3.11以降引っかかる言動が目につくようになってきたので、しばらく著書は読んでいませんでした。

 ですが、この本は良かったです。往年のウチダ節も健在でした。

 昨今、浮気OK婚とかいつでも離婚できるようにしている夫婦の話もよく聞きますが、そんな今だからこそ結婚制度の原点に立ち帰ってみるのも悪くないな、と思いました。また、この本は結婚に関することだけでなく、転職や仕事、生き方についても示唆に富む良書。今の時期に読めて良かった本です。

「結婚すると好きなことができなくなるというけれど、誰にも制約されない生き方ということは、誰にも頼りにされない生き方ということ。いてもいなくてもいい人になるということ」というくだりにはハッとさせられました……!

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「生き方」を考えさせられた本たち

  今年読んで印象的だった本、12冊の紹介は、以上です。

 とりあえず私、今期は、事件と性に関する読書が多いな……。

 

 あ、ここに上げた以外の本もいろいろ読んでますよ。佐藤ねじさんのクリエイティブの本とか、ぱぷりこさんやフジコさん、くらげさんのブログ本とか、新鋭短歌シリーズとか児童文庫とか。事件と性に関する本ばかり読んでいるわけではないです。(エログロはむしろ本当は苦手です……)

 

 今年は、軽めの本をたくさん読むよりは、重ためな学術書を読破できたらな、と思っています。ピケティの系列本とか(だいぶ今更感ありますがw)。

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