数日前、SNSで少し話題になっていたニュースがあった。
読売新聞による、「『学び直し』推進、5000億円」という記事だ(記事そのものは閲覧期限切れのためか、見ることができなくなっている)
※参考
Twitterやはてなブックマークでは、「出産・育児で退職した女性の支援はいいと思うけど、高齢者よりは若者を優先してくれ」「大学の無償化が先だろう」「この国は滅びに向かっている」という、世代間対立を意識した意見が目立っている。
定年後の高齢者などの「学び直し」に5,000億。この金があれば国立大ぜんぶ無償化してもお釣り来る。
— どーも僕です。(どもぼく) (@domoboku) 2017年12月7日
大学の学費は昭和50年から15倍。多額の借金で若者が大学に通う中、今の若者の7%以下の学費でも学ばなかった高齢者が現役世代の負担で学び直し。
ああ、この国滅びるんだな。https://t.co/uUaZNk9a9V
私は、仮にこれが記事内で挙げられているように、高齢者をメインの対象と想定しているのならば、この政策には反対したい。
しかし、このニュース記事の元となった資料はこのようなもののようだ。
⼈⽣100年時代構想会議 - 内閣府
平成29年11月30日 人生100年時代構想会議 - 首相官邸
リカレント教育および高等教育改革のあり方について - 首相官邸
「人生100年時代」を踏まえた 「社会人基礎力」の見直しについて - 文部科学省
社会人の学び直しに関する現状等について - 文部科学省
これらにざっと目を通してみたが(精読はしていない)、資料を見る限りだと、この「学び直し」支援は、特に、退職済み女性や高齢者に限ったものではないようだ。
読売新聞が報じていた「出産・育児で退職した女性」や「定年退職した高齢者」というのはあくまでも一例であり、そのほかの年齢・性別の人を制限するものではない、と読み取れるのではないだろうか。
はてなブックマークには理知的な人が多くて好きなのだが、そんなはてブですら「高齢者よりも若者を!」という意見が今回は目立っており、別の情報源に当たって詳細を確認した上での意見が少なかったのはやや意外だった。
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ではなぜ、読売新聞は「出産・育児で退職した女性や定年退職した高齢者」と記し、これらに該当する人だけに支援があるような書き方をしたのだろうか。
あえて女性や高齢者だけに支援があるような書き方をして、「若者にも支援をしろ!」と炎上を狙ったのだろうか……と一瞬考えてしまったが、おそらく別にそういうわけではないだろう(炎上商法の見過ぎだ)。
私は、読売新聞の紙面は確認していないが、おそらく紙媒体に載せていた文面をそのままWeb版でも使った、ということではないだろうか。紙の新聞を読む層は高齢者が多いと思うので、それなら合点が行く。
また、ガールズちゃんねるでは、はてなブックマーク等とは違う反応が多く、それはそれで興味深かった。
はてブでは「若者やワープアを優先すべき」という意見が目立ち、ガルちゃんでは「学び直しは自費でやって。それよりもほかのことを優先すべき」という意見が目立っていたように思う。
メディアによって、集まる意見や目立つ意見が異なることも本当に面白い。
今後もなるべくいろんなメディアで読み比べをしていきたい。
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