これからも君と話をしよう

一度はここから離れたけれど、やっぱりいろんな話がしたい。

【後編】大地の芸術祭2018と、新潟県十日町市の旅の記録【2日目】

 前回の更新からだいぶ日が経ってしまいましたが、前回の記事の続きです。

www.wuzuki.com

 今回の目次はこんな感じ。

自然豊かな十日町

 1日目の夜。スイカを食べたあとは、シャワーを借りておやすみ。翌日には温泉に入るつもりだったので、髪は洗わず、軽く身体だけサッと流しました。

 ギルドハウスでの夜は、8月半ばだというのにとても寒かったです……! 薄手のパジャマを持ってきたのは失敗だったかもしれません。ブランケットを数枚かけて眠りました。

 

 朝起きると、とってもいい天気。

 

 台所と野菜を使わせてもらって、トースト、目玉焼き、野菜スープを作らせてもらいました。

 朝ごはんを食べていると、住人のひとが「昼から何人かで芸術祭を回るけど、よかったら同行しない?」と提案が!

 私は、「きょうは午前中に十日町のキナーレへ行って、温泉を楽しむつもり。それからタイミングが合えば合流したい」ということを伝えました。

 

 十日町に向かうほくほく線は、昼間も本数が多いわけではありません。だいたい1時間半に1本。そして、このギルドハウス十日町から最寄りの美佐島駅までは徒歩約20分。

 余裕を持った時間に、シェアハウスを離脱することにします。

 ここの宿泊費はカンパ制。オーナーに2000円お渡ししました。

 

 外に出てみると、昨夜は真っ暗でわからなかった風景が飛び込んできます。

 

 

 

 

 

 

 

 すごく開放感がある。

 私は、川が流れている景色が好きなので、なかなか見ていて飽きませんでした。

 

 20分ほど歩くと、美佐島駅が近づいてきました。

まるで地下要塞?美佐島駅

 「え、ここが美佐島駅……!?」

 たどり着いてみて驚きました。来たときは深夜に車で通りすぎただけなのでわからなかったけど、こんなにメタリックでカッコいい駅だったなんて……! 

 

 もっと「田舎の、古くてさびれた無人駅」みたいなのを想像しちゃってました。スミマセン。

 地下に降りると、こんな感じ。

 

 

  まるで、地下要塞です。

キナーレ「明石の湯」でのんびり

  電車に揺られ、十日町駅に着きます。

 

「越後妻有交流館 キナーレ」へ。

 この施設の中には、「里山現代美術館」や「明石の湯」があります。 

 この水は、レアンドロ・エルリッヒ「Palimpsest: 空の池」という作品。

 この作品、今回のトリエンナーレでは話題になっていた作品のようで、それを知らずパッと見ただけで済ませてしまったのを後悔……。今年、エルリッヒ展にも行ってきたばかりだったのに……!

 

 美術館も気になるけど、とりあえず温泉に入りたかったので「明石の湯」へ。

 ここ、最高でした……!!!

 とにかく綺麗。広くて開放感のある浴場。

 3つのお風呂がありました。この日は「ミント風呂」や、子ども向けのアヒルのおもちゃがいっぱい浮かべてあるお風呂もあり、飽きませんでした。

 温泉から屋外に出て、日光浴ができるところも。

 

 自然豊かな場所、という感じではなく、人工的な感じでした。

 広さと綺麗さを兼ね備えた温泉で、とってものびのびできました。

 

 お風呂を楽しんだあとは、食堂を兼ねた休憩室へ。

  

 ええっと、もう、なんというか。最高すぎました……!!!

 

 呑んだ日本酒「天神囃子」は、甘口のお酒。もう、美味しい。美味しい。

 どのおつまみにも合いました。はぁ、至福のひとときだ……。

 館内にあった雑誌をめくりながら、お酒と料理を堪能していました。

 

 そんなとき、ギルドハウスで出会った友人から連絡が。キナーレのそばに着いたとのこと。

 みんなと合流して芸術祭をまわることになりました。(お酒は飲みきれなかったので、持ち帰ることにしました)

みんなで野外作品を楽しもう

 ギルドハウスでお世話になっているという男性2人と、台湾からやってきている女の子1人、そして私の計4人でまわることに。

 台湾の子は日本語が話せないらしく、男性陣も英語はあまり得意でない模様。

 3人は、身振り手振りや簡単な英語のほか、スマホの翻訳アプリに言葉を吹き込み、そこで翻訳された言葉の画面を相手に見せる……というカタチでコミュニケーションをとっていたのが、ちょっと新しさを感じて面白かったです。 

 

 十日町で合流したあと、「農舞台」に行こう、ということになり、まつだい方面へ車で向かいました。

 私は前日に訪れたのと同じ場所に行くことになりましたが、見ていない作品もたくさんあるので、特に気にしませんでした。

 

 前日にも観た作品。「リバース・シティー」。

 

○△□の塔と赤とんぼ」という作品。

 

 

観測所」という作品。みんなで登ってみたり、パイプに耳を当てて音を聞いたりしました。

 

 

大地の恵み」という作品。この人形は「ポテトマン」というらしい。

 

この日も良い天気。

 

 

 

 

 みんなで山を登って辿り着いたのは「人生のアーチ」。雑誌でも紹介されていたので、これは見てみたいと思っていたところでした。

 この作品、気に入りました! アーチに載っているオブジェ、よく見てみると、ひとのいろんな姿をしています。

 

 

 この山からの眺めも良かった。 

  

 

 

 

 

 山から下りたあとは、田んぼのほうへ。

 これは「米の家」という作品。ベンチに座って田んぼを眺めたり写真を撮ったり。

 

 

 

 

まつだいスモールタワー」という作品。登ってみた。

 

「農舞台」エリアの作品を楽しんだあとは、別の場所にも行ってみようということで車で移動。ゆるいカーブの坂道を、どんどん車で登っていきました。

 

 

 

 

 「星峠の棚田」。いい眺め…… !

 自然が作る、さまざまな緑色にもひたすら見とれてしまいました。

 

  

 古民家が集まるエリアへ。

 

 

  

 

  

この家は「EDEN」という作品。

 

 

脱皮する家」、同行者のうちひとりが「見たい」と言っていたので訪れましたが、着いたのが夕方で、公開終了の時間だったという……残念!

 

 そんなことをしているうちに、そろそろいい時間になってきました。

 私が東京に帰る時間です。

  帰りもまた、大地の芸術祭号に乗りました。

 2日目、ちょっと慌ただしくなってしまったけど楽しかった……!

 

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もっと楽しみたかったものたち

 もともと1泊2日の滞在、そして車もない予定だったので、大半の作品は見れないものとして考えていました。なので今回の旅は、思ったよりあちこち行けて満足です。

 ただ、しいて言うなら、このあたりの作品も見てみたかったかも……!

www.echigo-tsumari.jp

 かつて診療所だった家を使った、ノスタルジー溢れる作品。

 

www.echigo-tsumari.jp

 閉校した小学校を使って「人間の不在」を表現したという作品。

 

www.echigo-tsumari.jp

 17歳でチリから亡命した作者が、地球儀を模して作った作品。

 

 どれも、雑誌のアート特集号で見て気になったもの。こういう、廃墟を使って人間の営みに目を向けたものや、地理学、民俗学的ちっくなものって大好きです。

 

 あと、美術館に見立てた黒い新幹線「現美新幹線」に乗ったり、大地の芸術祭と同時期に新潟市で開催していた「水と土の芸術祭」も行ってみたかったですね。予算や予定の都合上、諦めましたが……。

 

 前回も書きましたが、私、もともと旅行する趣味はないんです。

(なので、宿や交通手段に月収の10分の1ものお金をかけるのが馬鹿らしいと思ってしまう……。ほかの人がお金を出してくれるとか、だれかと交流を深める目的がある、などの場合はまた話は違ってきますが)

 あくまでも私が好きなのは、フィールドワークや、イベントや友人目的での遠出。観光にはあまり興味がありません。(じつは大学は観光地理学のゼミだったのですが)

 しかしそんな私も、今回は思いがけず旅行っぽい楽しみ方もできて、旅行好きなひとの気持ちが少しわかった気がします。

 

 この十日町旅行の翌週は、塩尻にも行けて楽しかったな。いつかその話もまた書きたいです。

 

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美術は地域をひらく: 大地の芸術祭10の思想 Echigo-Tsumari Art Triennale Concept Book

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