これからも君と話をしよう

一度はここから離れたけれど、やっぱりいろんな話がしたい。

読書の「ギモン」 ―「ええやん!朝活」より

 11月13日、日曜日。「ええやん!朝活」という朝活読書会に行ってきました。

 この朝活は、神保町にあるシェアスペースで月2回程度の頻度で開催されているイベント。おすすめ本を紹介しあうタイプの読書会を中心に行なっています。私はちょうど去年の今くらいの時期にはじめて参加して、それからときどきお邪魔させてもらっています。

 

 この朝活、普段は「おすすめの本を紹介しあう」ことが中心で、特定のテーマがあったりなかったりするのですが、今回のテーマは「読書のギモン」。本を紹介しあうものではなく、「読書についての疑問点・話したいことをみんなで出して語り合う」回でした。

 なかなか考えさせられる内容だったので、この回で挙がった参加者みんなの「ギモン」と、それに対する私の考え、ほかのみんなの考えや思ったことなどを記録しておきたいと思います。

 

最近のメディアは「見放題、聴き放題」が主流になっているよね。Kindle Unlimitedのような「読み放題」サービスも出てきたし。

「◯◯し放題サービス」、確かに最近増えてきましたよね。私は、アンリミは使わない派です。読み放題サービスに加入すると、「元を取ろう」と思ってしまって純粋に読書が楽しめなさそうだし、読みたい本があまりなさそうな気がするので……。あと、本は「所有」してじっくり読みたい、という気持ちも大きいです。

 

引っ越しして通勤時間が短くなった。それはいいんだけど、通勤時間での読書ができない! みんなはいつ本を読んでる?

 私も、通勤時間はほとんど読書できません。隙間時間にスマホ電子書籍の本を読んで、寝る前に紙の本を読んで、読書時間を確保しています。

 この「寝る前に読む本」、以前は「1日に1章ずつ読んでいく」などと決めていたんですが、そうやって決めるとノルマみたいになってしまい、読むのがしんどくなってくるので、最近は複数の本を枕元に置き、読みたい本を気の向くままに読んでいます。

 

読書は紙の本派なんだけど、いつかは電子書籍デビューしたい!

 私も、去年まではほとんど電子書籍を読んだことはありませんでした。ですが、今年になってから、漫画のお試し版を電子書籍で読んだことをきっかけに、本格的に電書デビュー! 1巻無料のものもあったりするし、電書は漫画から入ることをおすすめします!

 

忙しい中、なんでみんなそこまでして本を読むの?

 私が読書を好むのは、子どものころから本に親しんでいたから、その名残が大きい気がします。本は、ひととの貸し借りがしやすいところも大きいし(中高生の頃は本は重要なコミュニケーションツールでした。)。

 あと、本は動画などと違って、自分のペースで楽しみやすいところも大きい気がします。

 

漫画や動画などたくさんの表現方法がある中、活字ならではの表現って?

 私は活字でしかできないことって意外と少ないと思っていて、言葉にしづらい複雑な造形のものなどは、ビジュアルに訴えかけるメディアのほうが優れているとは思います。文字情報は、「認識の齟齬を少なくできる」という点において優れていると思っていますね。

 だから個人的には、面白い小説を書ける人はほんとうにすごいと思っています。ゲームや映画、ドラマなど、本以外の娯楽とも互角に戦えるほどのエンターテイメント性を文字だけで提供できるなんて!

「ミステリーの叙述トリックも、活字でしか表現できないものだよね」という友人のコメントにも強く頷きました。

 

昔読んだ本を忘れてしまう。

 私もよく忘れてしまいます。忘れてしまうような内容はそれまでだったんだよ、と言うことは簡単ですが、そうやって切り捨てていきたくはないかな。

 私は子どものころは同じ本を何度も読み返したりしていましたが、最近は読み返すことも少なくなりました。私は読書メーターで感想を書いたりすることによって、書かれていた内容を引っ張り出せるようにしていますが、オープンな場ではネタバレを避けて書くので、結局どういう結末だったのか思い出せないことも……(笑)。でも、忘れちゃったらそれはそれで、また読むときのお楽しみということにしておきます。

 ちなみに私は、読書しながらその内容をメモしていくことがどうにも苦手です(苦笑)。付箋を貼ったり、納得したところ・気になったところにツッコミを入れたりコメントを残したりすることはできるのですが。

 

3ヶ月出家した人の話を聞いたことがあるけど、情報が削ぎ落とされた環境から俗世間に戻ってきたとき、情報量の多さに熱を出したと言っていた。「はてしない物語」みたいに、俗世間から離れて、ずっとファンタジーの世界で生きることについてどう思う?

「ずっと、ファンタジーの世界で(俗世間から離れて)生きる、っていうの、素敵だけど実際は無理だよね」って言う人は多いし、「程度問題だよ」って言う人もいるけど、できないことはないんじゃないかと思います。やりたいひとはやればいいんじゃないかな、と。ただ私は、それは未成年には推奨しないと思います(笑)。

 

外国の名前やファンタジーの名前って覚えにくいよね。

 わかります!(笑)だから私は海外の本ってあまり読めなくて。翻訳がしっくりこない場合があるということもありますが、登場人物の名前が覚えにくい、ということがやっぱり大きいですね。

 ほかのみんなからは、「漫画だと、絵があるからそんなことはないんだけどね」、「日本名の人物だと、名前に漢字が入っているから雰囲気をイメージしやすいことも関係ありそう」という意見が挙がっていたことが印象的でした。

 また、「外国名の名前は覚えにくい」ということは、ほかの国でもよくあることなのかどうかが少し気になりました。

 

TSUTAYA図書館について。重要な資料が「あまり読まれないから」捨てられていたというのには残念。

 この件は私も残念です。綺麗な建物にしたり、カフェを併設して親しみやすくするのはいいと思うのですが、郷土資料の処分を「使用頻度」では決めて欲しくないですね……。

 この件は、学問や、図書館などの社会的インフラに関することを、市場原理で判断することの危うさについて改めて考えさせられた事例でした。

 また、TSUTAYAではなく、ほかの企業(Googleなど)が参入するとしたらどう違ったか、などを考えてみることも思考実験として面白そうだと思いました。

 

「本好き」の定義について。ビジネス書しか読まない人を、「本好き」とは言いたくないなぁ……(苦笑)。

 私も同感です(笑)。うーん、「本が好き」「読書好き」ということなら、小説好きもビジネス書好きもどちらも含むはずですが、なんだろう、確かに、後者はあまり「読書好き」の枠には入れたくないような気はしてしまいます。

「ビジネス書好きは、本好きなんじゃなくて、“情報好き”なだけな気がする」とだれかが言っていたことも印象的でした。

「雑誌好き」も「読書好き」扱いなのは複雑な気分だ、ということもだれかが言っていましたが、これに関しては私は一周回って逆の意見。ファッションにしてもサブカルにしても、これだけインターネットメディアで情報が得れる中、あえて雑誌を読むようなひとは、立派な「読書好き」だと思います。

 それにしても、「読書好き=小説好き」のイメージが根強いとしたら、これはいったいどこからくるものなのでしょうか。私は、小中高でのスクールカーストや、幼少期に読む児童書は物語がメインであることなどが大きいのではないかと思いました。「図鑑しか読まない子ども」も、あんまり「読書好き」扱いされる印象はありませんし……。

 

 以上が、ほかの参加者のみなさんが提供してくれた話題(と、私の意見)です。

 そして、以下は、私が用意してきた話題。

 

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本は図書館で読む派? 買う派? 買うとしたら古本? 新刊? 単行本? 文庫本? 紙の本? 電子書籍? どうやって使い分けてる?

 私は、以前は図書館でもよく本を借りていたのですが、最近はもっぱら買っています。いま住んでいる家が図書館へのアクセスが微妙に悪いことと、返却期限を気にしながら読みたくないことが大きいですね。

 今回の読書会では、図書館派のひとも多かったです。また、「ちょっと潔癖で古本に抵抗があるので、買うときは新刊」というひとも。

 あと、私は本の帯が好きなので、Amazonで中古本を買うときも、「帯あり」のものを優先的に買っているのですが、一方で、「帯は苦手で、買ったらすぐに捨てちゃう」というひとも。私は、帯付きの本にはクリアブックカバーをかけて、帯は邪魔にならないように保管しています。また、本の帯を入れ替えて遊ぶのも楽しいよ、という話もしました。

 私は電子書籍もよく買いますが、ポイント還元率やキャンペーンの有無、紙の本を中古で買ったほうが安く手に入ったりしないか、などを考慮して買うことが多いです。ただ、雑誌はあまり電子書籍では読まないです。学術書も紙の本で買うことが多いですね。

 あと、私は「内容が気になる本ではあるけれど、著者のことが好きではないので印税を入れたくない」と思う場合などは、中古だったり、借りたりして読んだこともありました(笑)。

 

ネタバレは許せる?

 ノンフィクションや実用書はともかく、小説や漫画など、フィクションのネタバレは私は許せません(笑)。

 

どうやって読む本を決めてる?

 子どものころは、本の後ろの既刊案内などを見て次に読む本の参考にすることが多かったです。今でも、既刊案内や引用されている本などは参考にします。最近だと、読書会の課題図書になっている本や、知的な(←重要)友人知人がSNSで紹介している本も参考にすることが多いです。あとは、電子書籍のキャンペーン対象になっているものとか。

 

ケータイ小説について。ケータイ小説の意義は? ケータイ小説は文学か?

 この話題は、私がボソッと「10年くらい前だったら、“ケータイ小説についてどう思うか”なんて話も挙がってきそうだよね~」と言ったことが発端でした。ケータイ小説ブームからもう何年も経つというのに、意外と盛り上がりましたね。

 私も10年前は、素敵だなと思うひとがいても、「ケータイ小説が好き」と言っていたら、それだけでちょっとがっかりしていたこともありました(笑)。ただ、かく言う私もいろいろと読んではいましたけどね。半分は「批判するため」だったような気もしますが(笑)。

 ケータイ小説ブームは、スマホの普及と同時に収束していった気がしますね。このあたりのメディア・文学史(?)は興味深そう。

 

読んでいない本を批判することについて。

 読了はしていなくても、途中で読むのをやめた本についても批判はしていいんじゃないかと思います。まったく読んでもいない本ならともかく。

……というかまぁ、ここで私がその是非をいくら唱えたところで批判をする人はするでしょうし、名誉棄損でもない限り、それを止めさせる権利は私にはありませんが、私個人の情報選択として、「読んでいない本の批判」をするひとからの情報は、どうしても低く見積もってしまうとは思います(笑)。

 

ラノベの定義や意義。

 ケータイ小説の流れからラノベの話にもなりました。(というか、ケータイ小説の話がラノベの話よりも先に出たことが私としては意外)

 個人的には、私は少女小説をたくさん読んで育ってきたので、ラノベといったら男性向けのものばかりを思い浮かべるひとが多いことが、ちょっと寂しかったりします。

 ラノベにしてもケータイ小説にしても、「読みやすい物語で読書体験を重ね、活字の本に慣れる」という点では意義はあるよなぁ、と思うものの、個人的にはラノベケータイ小説は一緒にしないで欲しい、と思ったりもします(笑)。

 

映画化などのメディアミックスについて。

 メディアミックス化、実写化は「嫌だ、やめて!」という声がネットでは目立つ中、私はむしろ大歓迎派。基本的に「ストーリー重視派」なので、メディアミックス化でのイメージが多少違っても許容できるんですよね。

 あとは、表現手法の違いも楽しみたいということも大きいです。「このシーンのテレビ放送は難しいと思うけど、どう表現するんだろう?」「なるほど、あのシーンはこうやって表現したのか」といった具合に。

 ただ、そんな私が唯一許せなかった実写ドラマ化は「光とともに…」。あとにも先にも一番大好きな漫画なのですが、ドラマはキャラクターもストーリーも大幅に違っていてショックでした。しかも、私の好きな俳優さんもたくさん出ていた上、視聴率が良かったこともなんだか複雑な気持ちにさせられました。

 

 

……こんな感じの話題が出て、読書会は終始大盛り上がり。

 本を紹介し合う読書会もいいですが、本や読書、メディアや文学についてこうして話したり考えたりする読書会も、たまにはいいなぁ、と思いました。

 

 あと、次にまた同じような会があるとしたら、今度は以下の内容もみんなに聞いてみたいです。

 

読んだ本についての記録はしてる? それを公開したりしてる?

本に書き込みってできる?

 

 ちなみに、私は読んだ本は読書メーターで記録していて、本への書き込みはあまりしない派です。

 

 読んでいただきありがとうございました。

 それでは、また。


  ※今回参加した、「ええやん!朝活」の詳細や開催記録、次回以降の開催予定は、こちらのサイトに載っています!

 http://eeyanasakatsu.com

 「ダ・ヴィンチ」2017年2月号にも掲載されました。写真には私も写ってます(笑)。

ダ・ヴィンチ 2017年2月号

ダ・ヴィンチ 2017年2月号